不妊治療は出口のない暗闇

学生の頃から当たり前のように好きな人と結婚して、好きな人との子どもに恵まれて、誰もが想像するような家庭を築いていくのだと思っていた。

不妊治療という言葉は知っていたけれど、まさか自分が不妊というものに該当するとは思ってもいなかった。


5年付き合った彼と結婚して、結婚式を終えた後から子どもの話しを本格的にするようになった。

夫は特別子どもが好きというわけではなさそうだったけれど、わたしの姪っ子や甥っ子と遊ぶ姿を見てこの人はいい父親になりそうだと微笑ましく思っていた。


興味本位でブライダルチェックをふたりで受けようと夫に伝え、近くの婦人科で診察を受けた。

わたしは自分の身体に問題があるわけがない、まだ25歳だからと呑気にしていた。

後日結果を聞きに病院へ行くと、私の卵巣には8センチほどの腫瘍があると言われた。
手術しましょう、と。
話しを聞く限り、とても大きい手術ではないらしく、良性だから大丈夫だと言われたが、、、


わたしにとって手術がどうかよりも、自分が妊娠しにくい身体だということがなによりもショックだった。

わたしって普通じゃないんだ。当たり前に妊娠、出産を経験するものだと思っていたのに。

たくさんの辛いことや理不尽な思いをしてきたけれど、不妊だという事実を突きつけられて自分は女性としてダメなんだと思ってしまった。


自分が情けなく、夫にも母にも申し訳なかった。

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