柑橘系精油(リモネン)の抗不安作用
①柑橘とは?
科属:ミカン科ミカン属
原産:ヒマラヤ山脈南東麓、アッサム東部、ミャンマー北部、雲南西部など
②柑橘系精油に含まれる成分
オレンジ
レモン
主成分はリモネンで、ミルセン、ピネンなどを含む。主成分であるリモネン分子が小さいため、容易に皮膚を透過し、皮膚を刺激するとされる。
また、光毒性を持つベルガプテンを含む場合がある。
上記の効能は、伝統的にこのような効能があると言われてきたもの なので、科学的に根拠があるか、定かではない。
③リモネンって何?
特有の芳香がある揮発性の油、テルペンの一種。
柑橘系の精油に良く含まれており、何かが欠けたレモンの香りがする。
④リモネンの抗不安作用
左の4本のグラフについて説明したが、次に右の "Control i.p." と "DZP 1mg/kg i.p." のグラフに関して説明する。本筋から外れるので、以下の蛇足は読み飛ばしてOK
蛇足
DZP 1mg/kg i.p.は、ジアゼパムの腹腔内投与(i.p.)を示す。ジアゼパムはベンゾジアゼピン系の抗不安薬として知られる。ジアゼパムが用いられた理由としては、リモネンでなく、既存の抗不安薬を摂取して高架式十字迷路試験を行った場合の不安効果の検証と思われる。実際に、ジアゼパム投与時はオープンアームへの滞在時間が長くなり、抗不安効果を発揮し、リモネン投与時と同じ結果が得られている。
Control i.p.は、生理食塩水の腹腔内投与(i.p.)を示す。腹腔内投与が動物の腹に注射器を刺して、薬剤を投与する方法として知られる。腹腔内自体が実験にどのような影響を与えるかを考慮するための実験と思われる。
前者をポジティブコントロール、後者をネガティブコントロールと言う。
また、リモネンは吸引での投与、ジアゼパムは腹腔内投与で、なぜ投与方法が違うのか?という疑問が湧くと思う。これはジアゼパムを吸引で投与した際に、抗不安効果が得られるか、ポジティブコントロールとして機能するか分からなかったため、機能する確率が高い(前例がある)腹腔内投与を行なったのだろう。本来は投与方法は1つに統一したほうが望ましい。
⑤考察
リモネンの匂いには抗不安作用がある。リモネンは0.5%と1.0%では抗不安作用がみられたが、2.5%では抗不安作用が見られなかった。
2.5%では抗不安作用が見られなかった結果に関して、論文の筆者らは
という表現をしており、動物自体の不安定さが原因では無いかと主張している。つまり、実験個体数を増やせば2.5%でも抗不安作用が見られるのでは無いかと暗に主張している。
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ヤードムに関するその他の効果効能は、以下のマガジンをご覧ください。
注意事項
論文に基づいた情報を提示しています。しかし、ヤードムに関する臨床試験等は行っていないため、個人の感想の範疇を出ません。
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