
ラベンダー(リナロール)の抗不安作用
①ラベンダーとは?
科属:シソ科ラベンダー属
原産:地中海沿岸、インド、カナリヤ諸島、北アフリカ、中東など
産地:フランス、スペイン、ハンガリー、アルゼンチンなど

②ラベンダー精油に含まれる成分
リナロール…….39.44%
鎮静、交感神経の興奮を鎮める、血流増加、抗うつ、中枢神経抑制、抗菌抗真菌、抗炎症、弱い局所麻酔
酢酸リナリル……35.06%
神経バランス回復、抗炎症、鎮痛、抗菌抗真菌抗ウイルス、血圧降下
カンファー…….6.36%
脂肪溶解、瘢痕形成、肝臓強壮、筋肉弛緩、去痰、免疫賦活、駆風、鎮痛、抗炎症
1,8-シネオール……4.72%
抗気管支炎、去痰、抗菌抗ウイルス、免疫増強、血行促進、知的能力・判断力・理解力を向上
主成分はリナロールや酢酸リナリルで、カンファー、1,8-シネオールを含む。皮膚アレルギーの原因になり得るが、比較的安全とされる。
上記の効能は、伝統的にこのような効能があると言われてきたもの なので、科学的に根拠があるか、定かではない。
③リナロールって何?
特有の芳香がある揮発性の油、テルペンの一種。
ラベンダー類の精油に良く含まれており、何かが欠けたラベンダーの香りがする。
④リナロールの抗不安作用

Linalool Odor-Induced Anxiolytic Effects in Miceより引用
対象:C57BL/6N(雄、野生型マウス)
方法:高架式十字迷路試験
投与:0, 20, 200, 2000μLのリナロールで処理したろ紙片をボックスの四隅に置いた。ボックスにマウスを30分間滞在させ、リナロール臭を暴露した。
高架式十字迷路試験では、オープンアームで過ごした時間が長いほど、不安が少ないとされる。
図2A
縦軸:オープンアームで過ごした時間(秒)
横軸:リナロール量(μl)
考察:リナロールの暴露量が多いほど、不安が少なくなる。
図2B
縦軸:オープンアームで過ごした時間(秒)
横軸:リナロール量(μl)
考察:リナロールの暴露量が多いほど、不安が少なくなる。
図2C
縦軸:総移動距離(cm)
横軸:リナロール量(μl)
考察:総移動距離は、リナロールの暴露量と関係がない。つまり、リナロールによる抗不安作用は、移動障害を引き起こさない。
⑤考察
リナロールの匂いには抗不安作用がある。しかし、この実験にはオスの成体マウスしか用いていないので、この研究成果は「リナロールの匂いによる抗不安作用は成体の雄マウスにのみ認められた」と表現される。
オスしか実験に用いないのは、メスを動物実験に使うと、外れ値が出やすく、統計的な有意さを出しにくい みたいなテクニカルな理由だったと記憶している(定かでは無い)。理由を知ってる方がいたらコメント等でお知らせください。
今回は触れていないが、リナロールがGABA系という哺乳類に共通したシステムで抗不安作用をもたらす という結果を考えると、メスにおいても抗不安作用はあると思う。
⑦ラベンダー精油を使用したヤードム商品
ラベンダー精油を用いて、ヤードム(紫🟣)を開発しました。
その他ヤードムに含まれる精油の効能は、以下のマガジンをご覧ください