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【Vol.13】アイビスペイントではじめる謎制作ライフ「ベクターレイヤーって何?」
熱が出て絶賛風邪の中なんですけど、記事くらいは書ける(事後談:書けた)のでいつも通り書いていきます。
さて、3月13日にアイビスペイントXのアップデートが入り、Ver.12.0.0がリリースされました。
ここで最も注目されている機能が、「ベクターレイヤー」です。
今回はこの「ベクターレイヤー」について、基本的な使い方などを紹介していきます!
そもそもベクターレイヤーって何?
実は、ベクターレイヤー自体は前のバージョンから存在していました。
Vol.1で大雑把に説明をしています。
実は、「文字レイヤー」は「ベクターレイヤー」の一種で、ブラシなどを使う「ラスターレイヤー」と異なっています。
ここにある通り、文字ツール(と、コマ入れツール)はベクターレイヤーに描きこんでいます。
詳しい説明をすると、ベクターレイヤーは「ここからここまでに線がある」といったように、「線」でデータを保存しています。数学のグラフを使った関数アートはこの方法と似ています。
対してラスターレイヤーは「この場所は黒く塗られている」といったような「点」でデータを保存しています。こちらはすごく広いドット絵のようなイメージです。
アップデートで変化したこと
今回のアップデートにより、このベクターレイヤーに「ブラシ」や「消しゴム」などの描きこみができるようになりました。
ベクターレイヤーでブラシや消しゴムを使うと、線を描いた後の修正が楽になります。
線の修正などの機能はプレミアム会員限定機能です。無料会員でも使えますが、一日一時間という制限がついています。
試しに触ってみた
ここまで説明をしてきましたが、とにかく触ってみることが一番です。
今回の内容は無料会員だと制限があるので、これを見て「こんなことができるんだなぁ」とかしてください。
ベクターレイヤーの追加
ベクターレイヤーを追加する方法は三種類のようです。
レイヤーメニューから「ベクターレイヤー追加」を選択(画像参照)
文字入れツールかコマ入れツールを使う
ブラシを「ベクターペン」にして描画
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ツール一覧には新たに「ベクターツール」が追加されています。
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シェイプの編集
試しにベクターレイヤーでシェイプ(描画)を描いた後、ベクターツールで選択してみました。
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選択時の青い点から縦横比や大きさを調整できるようです。
三点マークから「頂点を編集」という機能があったのでこれも。
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こんな感じで灰色の点が出てくるので、これを移動することによって線の微調整ができます。下のチェックマークで線を確定します。
ベクターツールでは線の色や太さ、ブラシの種類も変えられます。
とりあえずブルーグリーンの点線にしてみました。
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頂点の編集をしている時、頂点が無いところからドラッグすることで矩形選択ができます。
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三点マークから「選択頂点を削除」で、青い点を全て削除します。
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消しゴムツールの扱い方
ベクターレイヤーにブラシ・消しゴムが使えるようになったことで、文字とシェイプが同じレイヤーに共存することができるようになりました。
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上の画像では、1行目のテキストにブラシ、2行目のテキストに消しゴムを使っています。
この時、一番厄介なのが「シェイプや文字を動かした時」なんですよね。
こんな感じで1行目上にずらしてみます。
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ブラシのシェイプを動かしていないので、2行目が隠れるのは想像通りですが、3行目が何故か消えてしまいました。
これは、消しゴムを「線の一部分を消す」ではなく「消しゴムとして描画した部分を非表示にする」という役割があるからです。
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この状態で3行目を表示したい時の解決方法は2つで、「消しゴムシェイプ自体を削除する」か「消しゴムシェイプを文字より背面に並び替える」のどちらかです。
消しゴムシェイプ自体の削除は下の画像の部分からできます。
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並び替えの部分から「フリーハンド消しゴム」というのがあるので、これを文字(テキストの内容がそのまま名前になっています)より下にしてもOKです。
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消しゴムシェイプはこんな感じで扱いが面倒です。使う時は気をつけた方がいいかもしれません、
移動変形
余談ですが、移動変形ツールで文字を移動する時のラスタライズが不要になりました。
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移動変形ツールはレイヤーごと移動するので、ブラシのシェイプも一緒に動かせます。参考までに。
まとめ
ということで、今回は新ツール「ベクターレイヤー」について説明しました。ちょっと扱いが難しいけど、慣れたら最強になれる神ツールです。
ぜひ使いこなしてみてください。
ただし、1つの作品でたくさん使いすぎると重くなる可能性があるので、そこだけ注意です。
ここで紹介していない機能についても、ベクターレイヤーで使えるものと使えないものをまとめた画像を作ったので、それを貼って締めようと思います。
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それでは!
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