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東京大学 学校推薦型選抜(工学部) 受験記【実際の出願書類も公開】

私は2023年度の東京大学の学校推薦型選抜(工学部)を受験しました。

高校時代に取り組んでいた研究科学コンテストで全国最優秀賞などをいただいたり、世界大会に出場させていただいたことがきっかけで、東京大学のとある研究室でその続きがしたくなったためです。

結果から言うと推薦入試は不合格ではあったものの、その過程で自分なりに試行錯誤した経験があるので、受験記として残しておくことにしました。

参考までに開示結果だけ先に書いておくと、以下の通りでした。共通テストは8割以上得点しています。

  • 一次の書類審査の評価:B

  • 二次の総合評価:C(総合評価B以上で合格)


とても詳細に書いたので分量が1万4千文字近くになってしまいましたが、その分東京大学の推薦入試の受験を検討している人の参考になるかと思います。

本記事では、以下の内容を収録しています。

  • 東大の推薦入試に挑戦したきっかけ

  • 推薦入試の概要

  • 出願の準備~合格発表までの詳しいプロセス

  • 受験で意識したことや、対策方法とその振り返り

  • 受験者へのアドバイス

また、実際に出願時に提出した願書、面接を受けた感想なども公開しています!

普段はウェブサイトのほうで情報発信をしているので、こちらも良ければ覗いてみてください!


推薦入試に挑戦したきっかけ

高2の時にふとした興味から音声工学の研究を行っており、とある研究コンテストで全国最優秀賞をいただき、その後も全国大会で賞をもらったり世界大会に出していただいたりしました。

それがきっかけとなってさらにこの研究にのめり込み、大学でもこの続きがしたいと考えるようになりました。

日本の大学で自分のやりたい研究ができそうな研究室を探してみると、東京大学にぴったりな教授がいました。
研究コンペに参加していた時からその教授の論文は読んでいましたし、その研究室のOB・OGの方とお話をする機会もあったため、高校三年生になって東京大学を進学先として検討するようになりました。

そしてその頃ちょうど東京大学で推薦入試が実施されていることを知りました。

この頃は海外大学の受験も検討しており迷ったのですが、研究コンペやその他の課外活動の成果を評価してもらえる入試方式ならと、行きたい研究室への思いがあったのと同時に自分の力を試してみたくなったため受験に至りました。

主に受験を志したきっかけとしては研究コンテストの影響が大きいですが、それ以外にどんな活動をしていたのかについてはこちらのプロフィールポートフォリオを見ていただけると良いかと思います(話が逸れるので…)。

東大推薦の概要

東京大学では様々な学部で推薦入試が実施されていますが、実は学部によってかなり形式が異なります。ここでは全体的に共通する特徴を挙げてみます。

  • 一般入試と違い、「理科一類」のような科類ではなく学部に直接出願する

  • 入学後は進学振り分けなしで希望学部に進める

  • 推薦入学者は早期から専門科目の履修が許可されたりと、優遇措置がある

  • どの学科も共通テストの受験が必須で、概ね8割以上の得点率を求められる(基礎学力の把握のため)

  • 自分の高校時代の活動をまとめた書類や志望理由書を提出する

  • 個別試験は面接だけの学科、小論文やディスカッションが課されている学科、など様々である。

  • 募集定員も様々である(例えば教養学部は5人程度だが工学部は30人程度)

要するに、大学で○○が学びたい!という強い意志を持っている人のための入試ということです。

出願資格として、各種課外活動での実績などが求められる学部もあります。全部は説明できないので、詳細はホームページから確認してください。

工学部の推薦入試概要

工学部の推薦入試の全体像について説明します。全体の流れとしては以下の通りです。

  1. 志望理由や活動実績をまとめた書類を提出

  2. 書類審査(一次審査)

  3. 書類審査合格者のみ面接(二次審査)

  4. 共通テスト受験(この段階では合否は分からない)

  5. 合格発表

工学部の特徴として、まず他の学部と比べて募集定員が多いことが挙げられます。
東京大学全体では100人程度の推薦生を募集していますが、その内の30人程度が工学部です(推薦に限らず東大工学部、理一の人数は多いですが)。

そして、工学部に出願する際には学科群というものが存在します。学科群1~7まで存在し、都市建築をやりたい人は学科群1、情報系に興味がある人は学科群3、といった感じで学びたい内容ごとに群が分かれています。

そして、この学科群ごとに出願をするのですが、各学科群ごとにも定員が存在します。
学科群は第三志望まで希望を提出することができます。募集人数はあくまで〇人程度なので、年によって変動があることもあります。詳しくは以下の募集要項の38ページ目なんかを参照してください。

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400218905.pdf

求める学生像としては、募集要項を見ると以下のものが挙げられています。

①理数系分野における特に秀でた能力。
②明晰で柔軟な思考力を有し、かつ自ら課題を設定し幅広く学修する能力。
③異なる思考様式や文化的背景を持つ人々と協力して、グローバルな問題を発見し解決できる能力。

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400218905.pdf

推薦入試に合格すると、進学振り分けなしで自分の好きな学科に進めたり、専門科目の授業の履修を早期から許可されたり、学習面で助言・支援をしてくれるアドバイザー教員が付いたり、といったメリットを享受できます。

私の受験記録

出願前

東大推薦に挑戦しようと決意したのは、高校三年生の春~夏にかけてです。

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