【課外活動】全中高生よ、今すぐGSCに参加だ!
今回はグローバルサイエンスキャンパス(GSC)という研究系課外活動についてご紹介します!定期テスト前に学校をサボって大学に泊まった話や、不注意で税金25万円を吹っ飛ばした話が読めます。
結論から言います。全高校生は今すぐGSCに応募してください。マジで。
私は高2の夏頃に参加しました。その後、とある研究コンペで全国最優秀賞を受賞することになるのですが、もしGSCに参加していなかったらそんな未来は待っていませんでした。
GSCって何?
GSCとは、国立研究開発法人の科学技術振興機構が支援を実施している中高校生が大学教授の講義を聞いたり、実際に大学に通って研究をしたり制作物を作ったりするという高大連携プロジェクトのことです。
全国各地の大学で開催されていて、例えば東京大学や金沢大学、広島大学、慶応義塾大学なんかで行われています。開催大学やカリキュラムの内容は年度ごとに違いますが、大体が春先~夏にかけて参加者の募集をしています。
GSCを高校生に推すワケ
まずはGSCのメリットをいくつか挙げようと思います。詳細は本文参照。
教授の話が聞けたり大学で実験できたりと貴重な体験ができる
実績として推薦入試等に使える
成果を他の研究コンペに経験を転用して無双できる
研究活動の体験ができ、進みたい学部などが明確になる
大学という場所の雰囲気を自分の目で見られる
教授や大学院生とのコネクションができる
金銭的な負担が比較的少ない
オラワクワクすっぞ!(応募~第一ステージ)
高2の春先、理科が大好きだった私は、母がインターネットで見つけてきてくれたGSCに参加を決意しました。田☆舎☆だったので、普通に生きてたらそんな情報は入ってきません✨
どのGSCに参加したのかは伏せますが、私のところは書類選考~第三ステージまであり、各段階で選抜がありました。私は第二ステージまでです。
流行りのAIの研究に興味がある的な薄っぺらいことを書いたら書類選考は通りました。
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第一ステージは様々な教授のありがたい研究のお話を聞き、理科の最新状況に触れようというもので、夏休み中にオンラインで実施されました。
理科四分野の教授の話を一通り聞く機会があり、なんと中にはノーベル賞受賞者の教授も!一見すると講義内容は難しそうでしたが、高校生にも分かるように説明してもらって面白かったです。質疑応答ももりあがりました。
講義の後には選抜試験も兼ねた内容についての理解や意見を問う課題が出されましたが、頑張ってこの選考も突破しました。
予定確認をせず死亡(実験開始前)
第二ステージでは、研究室で教授や大学院生と一緒に数日~数週間研究をして、その成果発表をしました。
配属先の研究室は第6希望まで選べて、成績順で希望が通る方式でした。
私は物理系の所に配属され、その大学の近くの高校に通う同級生の子がチームメイト、博士3年と修士1年の学生が主なメンターでした。よく覚えていませんが、第一希望の研究室ではなかった気がします。
実験開始前に倫理、安全講習を受け、研究室のメンバーと顔合わせ・研究のプランニングをしました。話し合いの結果、土日は大学が休みで安全面に心配がある上、効率を考えて平日二週間連続で活動することになりました。
ですが、話がひと段落した頃に自分の予定表を確認してみるとあることに気が付きました。
💡「あれ?これだと私の学校の定期テストの2週間前から2週間連続で研究することになるくね?」
はい、バカですね。どうやって勉強時間を確保するんでしょう?
しかもこのGSCの開催大学は全然地元ではないので、泊まり込みです。戻ってすぐにテストです。
ですが流石の生意気なクソガキです。「まあ、そんくらいなんとかなるっしょ✨」と非常に楽観的な考えで予定を承諾してしまいました。みなさんは予定の確認はちゃんとしましょうね。
あと、この時教授に専門書を貸してもらいましたが、その場で雨で本を濡らしてグチャグチャにしてしまいました。教授ごめん。
学校サボって大学にお泊り(実験開始)
合法学校サボり
結局、9月とかその辺りに泊まり込みで2週間大学に通いました。平日の9:00~17:00に研究室に行って実験や結果のまとめをするという日程でした。
その間の学校の出席に関しては、高校に公欠を出してもらいました。
定試二週間前からの旅だというのに担任や校長先生は快く送り出してくれました。あと校長はたまにジュースを奢ってくれるので好きです。
気になるお金事情💰
最初はホテルぐらしのアリエッティになるのかと思いましたが、大学の敷地内のゲストハウスに泊めてもらえたので宿泊費はゼロ、さらに交通費も大半はGSC側から出ました(県外参加だったため)。
ゲストハウスの中はホテルみたいで(キッチンはない)、Wi-Fiも速くて快適でした。大学のゲストハウスは限られた教授や来客しか使えないようなので、もう一生こんな経験はできないかもしれません。
研究の予算も(税金から!)25万円も貰っていました。でも研究室との確認不足で5万円しか使えないと思い込んでいたので、結局全然使わなかったのはもったいなさ過ぎて一生の不覚です。
あとはUSBメモリやファイル、パワポデザインの本(結構高い)までプレゼントしてもらい、パソコン(お高いSurface)も貸してもらいました。
こんな経験ができるだけこちらがお金を払いたいくらいなのに、ここまで負担してくれるとはなんて太っ腹なプロジェクトなんでしょう。
ちなみに、親からは二週間の食費生活費として3万円を貰いましたが、調子に乗ってグルメばかり食べていたら二週間で使い切りました(太ったし)。
でも土日には観光にも行けて、とても楽しい夢の二週間でした。
初日から死にかけた話
到着初日は着いたら夕方で、次の日から研究生活スタートでした。
この時、大学のキャンパスってどれくらい広いんだろうと思って夜の大学に繰り出しますが、キャンパスが広すぎて(全国でも広いほうらしい)迷子🥺になりました。
ここで追い打ちになったのが、安心フィルターとかいう親が子供のスマホに利用時間制限をかけられるクソアプリです。私は夜10時~朝6時は全アプリ(地図アプリも電話アプリも)が使用できない設定にされていました。
で、お察しの通り外をほっつき歩いていたら夜10時を回ってしまい、帰り道を調べることも母に連絡することもできなくなり、無事に死亡しました。
結局、夜の3時くらいまで大学のキャンパスとその周りを徘徊してなんとかゲストハウスに戻ることができました。
そんなこんなで、無事に寝坊しかけましたが研究生活が幕を開けました。
何の実験をしてたの?
研究室には数千万円もする機械がいくつもあり、マサラタウンの主人公のごとく「かがくのちからってすげー!」と感動しました。もし壊してしまったら死んで償うしかないんじゃないかと思ってブルブルしていましたが、まあ結局こういうヤバすぎる機械は安全上の理由から使わせてもらえなかったので杞憂でした。
で、肝心の研究テーマは何だという話ですが、電車の模型を真空ドームの中で走らせて空気抵抗の影響を調べよう的なことをやることになりました。
実験の計画や必要な道具の手配は基本、私とチームの高校生でやりました。
絶望の大事件発生
そんなこんなで実験環境も揃い、真空ポンプなどの道具も使ってニコニコしながら実験をしていたわけですが、またまた災難に見舞われます。
💡「ヤベェ。実験の道具全部壊れたッピ☆」
はい、せっかくの実験が失敗して全部パァになりました。これは誰のせいとかではなく全員の責任です。
この件の詳細はSNSに書くなとGSC側に言われているのでこれ以上は書きませんが、とりま実験は失敗して絶望の淵に追い込まれました。
仕方がないので、チームで話し合いをして大慌てで何とか別の研究案を立て直しました(これも詳細は伏せます)。結果実験データを記録することはできましたが、最終日のギリギリまでかかりました。
ここで研究室に通う段階は終了し、一旦の解散となりました。
結果発表ー!
忙しすぎてまた死にかけた話
研究発表もだんだんと迫ってきました。構成会議やスライドづくり等オンラインでやりましたが、チームメイトが優秀でスムーズに進みました。
あとこの時パワポづくりが上達しました。GSCやその他発表会でも資料見やすいね!と褒められたので、スライドづくりには自信があります😤
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ただ、ここまで書くと順風満帆のようですが、この時多忙すぎて人生で一位を争うくらい辛かったです。
私の生い立ちの記事にも書いてありますが、この時期にはGSCの発表準備のほかに
英語部のディベート大会(ブラック部活)
科学の甲子園
将棋部の大会(しかも部長だった)
大学の英語スピーチ大会
PC関係の大会
別の研究コンペ(全国優勝したやつ)
生徒会活動
などが立て込んでいて死にかけました。結局気合いで乗り切って、精神も体も壊しながら無事(?)スライドは完成しました。
成果発表会当日
研究発表は大学でやりました。
私は典型的な本番に弱いタイプの人間なので、習い事や部活の大会、テスト前などの大事な時はお腹を壊すのが恒例行事となっています。
もちろん当日もお腹を壊しましたが、なんとか遅刻は免れました。
周りの高校生を見ると、名簿には名門高校の名前がズラリ。
みんな頭が良くて凄い研究をしていそうな顔ばかりで緊張しましたが、本番の発表自体はうまくできました。
研究発表の相手は主に専門分野が似通っている教授たちで、
「素人質問で恐縮なのですが…」
という質問が来てボコられる想像をしていましたが、自分たちがしたことをちゃんと理解していれば説明できるものだったので大丈夫でした。まあ教授特有の圧はかなり感じましたが。
結果発表とその後
第三ステージではアメリカで研究成果発表をします。何日かして選抜結果がメールで届きました。
で、結果は不合格でした。先述のように一度実験に失敗してそこから急遽立て直した実験だったので研究内容的にショボく、周りの発表と比較して薄々ダメかなとは思っていました。
でも、私としてはこんな楽しい経験ができただけで十分でしたし、これを糧に他の課外活動も頑張ろうと良い切り替えができました。
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ちなみに、GSCには大学内だけでなく全国の受講生を一挙に集めて行う全国発表会もあります。各大学から推薦されたグループが出場します。
また、GSCの研究成果は他の研究コンテストにも外部利用することができます(諸条件アリ)。私自身も応募だけならタダだからとダメ元で他の研究コンテストにも応募してみましたが、こちらも落選でした。
GSCの研究は大学と共同して行うものなので、普通の高校生じゃできないような高度な内容のものもたくさんあります。(私のグループは実験に失敗しているのでアレですが)ハッキリ言ってチートなのでこれを外部利用したら無双できるのは言うまでもありません。
実際、国内最大級の研究コンペ「科学の芽」「日本学生科学賞」「JSEC」や世界大会「ISEF」の受賞者等にはコイツGSCで見たことあるんだが?って人が割といます。
あと、GSCの実績は推薦入試でのアピールポイントにもなります。
言わば大学は本来研究機関なわけですが、「私はこの研究がしたいです!」なんて堂々と言える(しかも実績付き)高校生は普通居ないので、大学側もそんな生徒は欲しいに決まっています。
これらを踏まえても、GSCの参加はメリットだらけだということが分かると思います(大変ですが)!
GSCで学んだこと
GSCでの収穫は主に、研究って結構面白い!と気づけたことと、大学という場所の雰囲気を知れたことです。
GSC参加前は、研究と言うと未知なものでしたが、計画→実験→考察→発表、という一連の流れをプロ達と共に行ったことで存在を身近に感じることができ、研究って意外と面白いなと感じました。
また、グルメや観光を楽しむことができ間近で最前線で研究をしている人たちの姿を見れて感動しました。特に博士の方からは専攻分野への愛を強く感じて、カッコイイなと思いました。
実際にその後の別の研究コンペ(研究分野はGSCと全く関係ない)では全国優勝を奪い取ったわけですが、これはGSCで感じた「研究っておもしれ~」とワクワクする気持ちが原動力となっています。
無論、実験の失敗を通して研究でも何事でも計画が一番大切なんだなという至極当然のことを実感したのは言うまでもありません。
また、キャンパスを歩いたり学食を食べてみたり大学生のお兄さんたちとお話をすることで、大学がどういう場所なのかのイメージ掴むことができたのも大きな収穫でした。
それまでは何のために大学に行くのかよく分からないまま高校生活を送っていましたが、こういう具体的なイメージが湧くと諸々のモチベーションになると思います。
この期間に大学院生達とはとても仲良くなり、研究室の器具でグミを真空パックに詰めてみたり、液体窒素をブチまけて遊んだのはいい思い出です。グルメや観光は(しつこい)この経験は本当に楽しくて忘れられません。
あ、そうそう。こんな感じの生活を送っていたので(夜はどっかほっつき歩いていたし)、もちろんテスト勉強なんてするわけがありません。結局定試は前日の猛勉強で乗り切りました。めでたしめでたし。
終わりに
今回は課外活動の一つであるグローバルサイエンスキャンパス(GSC)について体験ベースでご紹介しました。
他にも研究コンペや英語ディベート・スピーチ大会、将棋の大会や科学の甲子園などの課外活動の経験があるので、興味がある方は他の記事も読んでみてください!
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も興味を持っていただけるような記事を書いていきたいと思いますので、よろしければサポートお願いします!