SFはビジョン・ゼロの達成に向け都市間比較のためのダッシュボードを整備
case|事例
サンフランシスコ市および郡は2014年にビジョンゼロを政策に位置付け交通事故での死亡者数0を目指している。サンフランシスコ市はビジョンゼロの進捗をモニタリングするために米国12都市と比較するためのダッシュボードを開発した。ベンチマーク都市との比較によって、サンフランシスコの交通安全に関する指標がどのような状況にあるのか理解を促すことが期待される。市の担当は、交通安全は複数の様々な要因が関係しており、ビジョンゼロを達成するためのメカニズムには複雑さがあるが、少しでも一般市民の理解が深まればいいとコメントしている。
ベンチマークの対象となる都市は、ボストン、シカゴ、ロングビーチ、ロサンゼルス、マイアミ、ミネアポリス、ニューヨーク、オークランド、ポートランド、サンノゼ、シアトル、ワシントンDCで、人口規模や人口密度を考慮してカリフォルニア州の都市を中心に選ばれている。
ダッシュボードに掲載されるデータは下記の7指標で、必ずしも12都市すべてで7指標は揃っていない。
年間の公共交通トリップ数
通勤手段
交通事故死亡者数
交通事故負傷者数
分離された自転車レーンの延長
街路ネットワークでの平均速度
交通違反の取り締まり件数
insight|知見
先日、計画のKPI設定の議論をしているときに、KPIはデータ取得や調査の手間やコストを踏まえて設定せざるを得ないので計画の進捗を図るための望ましいKPIをなかなか設定できないという話を聞きました。
ベンチマーク比較にも同様な課題がありそうです。考察による解釈によるところも大きくなるとは思いますが、本来ベンチマークすべきことをどのようなデータで見ていくのかをデータ取得の可能性を踏まえて議論することが大切ですね。
また、海外の都市との比較するときは抽出方法や調査方法、属性の定義などデータの中身をよく見て比較可能なのか判断すべきと、学生のときに口酸っぱく指導をされました。この点も肝に銘じておきたいですね。