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ワークプレイスの再定義―Gensler社のレポートに見る8つのメガトレンド

case | 事例

米国最大の建築設計事務所Gensler社は先般業界展望レポートDesign Forcast 2024を上梓したが、同社の16ヵ国53ヶ所の広範な設計業務の経験から構成されている内容は、仕事と生活と遊びの場としての都市の未来が焦点となっており、人々のつながり方の変化を捉えて、モビリティ問題、気候変動、インフラ、住宅などの領域で都市を再設計することを促している。

レポートでは都市に都市に関わる8つのメガ・デザイン・トレンドを提示している:(1) 「体験の乗算(experience multipliers)」を実現するような没入型のデザインの広がりが、人々のインスピレーションと帰属意識の共有を促し、人々のつながりと都市の活気を取り戻す。 (2) オフィスから住宅へのコンバージョンなどの創造的な再配置が建築業界にとって新たな価値提案となる。 (3) 気候変動がもたらす激甚な気象状況によって、持続可能なデザインはオプションから義務へと転換する。 (4) ワークプレイスづくりは、社員のニーズをサポートするような魅力的な目的地に変貌させることに焦点が移る。 (5) オフィス中心の都心部は過去のものとなり、安全性とモビリティを優先させるマルチモーダル地区が住民や観光客を惹きつけ活気を取り戻す。 (6) AIによって新たな創造が起き、より持続可能で、より性能が高く、一人ひとりのニーズに応える建築物が生まれる。 (7) アクセシビリティとアフォーダビリティが促進されるような持続可能なコミュニティづくりへのシフトが続く。 (8) 「20分都市」の出現により、中心市街地はよりライフスタイル志向になる。

insight | 知見

  • 福岡都心にはハイグレードなビルが足りていないので、良いビルを作ることでようやくトップ企業が入居してくれる、と言われてきています。今後(あるいは既に)このような理屈は通らないだろうと、記事を読んで改めて思いました。

  • 先日、大学生が将来どのようなまちで働きたいかをテーマに議論した際に「豊かに暮らせる場所で働きたい」という視点に接しました。暮らす、遊ぶ、働くが一体となったエリアが若い人の働く場の感覚に合うのであれば、ワークプレイスやビジネス街は企業が求めるオフィスビルの規格ではなく、働く人が求める体験や暮らしの豊かさに応える機能やサービスがより重要になると思います。