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ハッピー・シティ・インデックス2024(都市ランキング)

case | 事例

英ロンドンに本部を置く生活の質研究所(Institute for Quality of Life)が2024年のハッピー・シティ・インデックス(HAPPY CITY INDEX #2024)を発表した。ランキングは、都市で人々が幸せになる要因を特定するためのプロジェクトとして進められてきたものである。「幸福度」は主観的なものであり、都市がコントロールできない多くの要因に左右されるため、都市のランク付けにおいて、幸福度そのものを測ることをせずに、都市の行政当局が影響を及ぼすことができる5つのカテゴリー(市民、ガバナンス、経済、環境、モビリティ)の24の要因を評価する方法論を用いた:

  • 市民生活(6要因)

    1. 教育制度

    2. 住民の社会的包摂

    3. 住民の革新性と創造性

    4. 図書館を含む文化へのアクセス

    5. 起業家精神

    6. 住民の開放性(学習、新しいアイデアへの開放性)

  • 都市のガバナンス(7要因)

    1. 意思決定プロセスへの住民の関与

    2. 運営の透明性とデータの公開性

    3. 公共電子サービスへのアクセシビリティ

    4. 意識的な戦略(都市開発)

    5. 交通における情報通信技術の活用

    6. 労働市場の柔軟性と失業率

    7. 企業の国際化(グローバルに展開する企業)

  • 経済(5要因)

    1. 市民経済計算(GDP)と生産性

    2. 企業の革新性と創造性

    3. ICT分野の産業活動と企業におけるICTの利用

    4. 交通システムの安全性

    5. 複合一貫輸送の利用可能性(複数の輸送手段を利用すること)

  • 環境(4要因)

    1. 再生可能エネルギーを含む天然資源の管理

    2. 公害防止への取り組み

    3. 廃棄物、廃水の管理とリサイクル

    4. 生物多様性の保護

  • モビリティ(2要因)

    1. 公共交通機関の利便性と効率性

    2. オープンな交通データ(リアルタイム情報)の利用可能性

ランキング上位はオーフス(デンマーク)、チューリッヒ(スイス)、ベルリン(ドイツ)、イェーテボリ(スウェーデン)、アムステルダム(オランダ)、ヘルシンキ(フィンランド)といった欧州の都市となっている。アジア都市では大阪、シンガポール、ソウルといった都市が「Gold」のカテゴリに分類されている。「Silver」カテゴリ以下に含まれる日本の都市は、東京、札幌、神戸、京都、生駒、藤沢、松山。

insight | 知見

  • 行政がどのようなことに取り組むと市民の幸福度を上げることにつながるのか、ということを考える際に、このランキングの方法論で挙げているそれぞれの項目は参考になると思います。

  • モビリティへの取り組みが、経済・環境や市民生活と並んで市民の幸福度につながると考えられていることは興味深いですね。

  • 我が福岡はランキング対象になっていなかったのかランク外だったのかわかりませんが、海外機関の都市ランキングに日本の都市で生駒市や藤沢市が出てくるのは珍しいように思えます。