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米サクラメント都心部のリバブル戦略

case|事例

サクラメント都心部のまちづくりを担う非営利の民間組織「ダウンタウン・サクラメント・パートナーシップ」は都心の居住環境を整え、住みやすさを整えることを目的に「サクラメント都心リバビリティ戦略(Downtown Sacramento Livability Strategy)」を策定した。

この戦略は3つのパートから構成されており、まずはじめに都市開発者の視点に加えてコミュニティの視点で都心の住宅地区になにが必要で、またそれを整える際の障壁と課題を整理している。次に、都心の住みやすさを高め、都心の愛着を育むために緊急的に投資すべき6つの優先領域を示している。6つの領域には優先的にアメニティを整えることやウォーカブルでマルチモーダルな環境を創出すること、オフィスから住宅へのコンバージョンを支援することなどが含まれている。最後に、選挙によって選ばれたリーダーやコミュニティのリーダーへ行動を起こすようなメッセージで締めくくっている。

この戦略が、地域で行われている取り組みをさらに強化すること、そして需要側と供給側の両方に追加的な行動を起こすように喚起するメッセージとなることが期待されている。また、戦略の推進が、これまでと異なる都心の将来について関係者が考え始め、様々なレベルでアフォーダブルな住宅供給が倍増し、持続可能な複合用途地区を支えるアメニティが整うきっかけにしたいと関係者は考えている。

insight|知見

  • ダウンタウン・サクラメント・パートナーシップ(DSP)は、1995年に設立された不動産オーナーで構成する民間組織のようです。きちんと調べ切れていませんが日本のエリアマネジメント組織と類似するものではないかと解釈できます。

  • 日本の都心部のまちづくりやエリアマネジメントだと賑わいづくりや商業連携などが注力ポイントになりそうで、都心の住みやすさを高めるような戦略を策定している事例はあまり見たことがありません。

  • エリアの価値を高めて地域の経済循環を促すという意味では、エリアマネジメントの活動領域はもっと広がりうるなと思いました。