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LAメトロはオンデマンド交通のサービス改善を目的に市民からの意見を聴取

case|事例

ロサンゼルスを中心にロサンゼルス郡の交通計画と公共交通の運営を担うロサンゼルス郡都市圏交通局(LAメトロ)は、オンデマンドのライドシェアサービス「Metro Micro」のサービスに対する市民からのフィードバックを得ることを目的にパブリックミーティングを続けている

Metro Microは、通常のバスや電車のように固定のルートやダイヤを持たず、利用者のニーズにあわせて自由に乗降できるフレキシブルなサービスで、2020年12月から3年間の実証実験として試験的に導入された。Metro Microはラストワンマイルの端末移動の改善を目的にしており、LAメトロはバスや鉄道との接続を良くし低所得地域の移動を改善したいと考えている。現在、ロサンゼルス郡の27市と12の未編入エリアでサービスの提供を実施している。2023年9月に、LAメトロの理事会は2024年9月までの延長を決定し、今後の本格導入の可否を検討している。

本格導入にあたっては運行コストが課題となっている。現在、乗車料金1ドル(約140円)あたり42ドル(約6,000円)の運行コストがかかっており完全なるコスト超過で持続的な経営が期待できる状況ではない。LAメトロは、通常運賃を2.5ドル(約360円)に値上げし、学生や高齢者の運賃は1ドルに据え置くことを検討しているが、本格導入の可否を理事会で議論するまえに、市民の支払意思額などを把握する必要がある。

オンデマンドの移動サービスは、シアトルやデンバーなど、アメリカいくつかの都市で導入がされており、小規模自治体のいくつかは、より便利なサービス提供が可能で、かつ乗車効率や運行効率が高められることでコスト削減が期待できるとして、路線バスをオンデマンドサービスにそっくり入れ替えることを検討している。

insight|知見

  • 収入に対して42倍のコストがかかっているというのは、かなり衝撃的な数字です。低所得地域や郊外地域の移動の確保のためには、いくらかの公的な負担も入るでしょうから、だいたいどのくらいの費用対収入になるのか気になります。

  • ライドシェアでも同様の議論になると思いますが、政策介入なしに過疎地や郊外の移動制約を改善できるのか、オンデマンドの方が固定ルートよりも費用対コストが優位になるのかは、実証しながら検証する方が良いような気がします。(先行研究もたくさんありそうですし。)