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トロント市が交通問題の解決に向け新技術の実証アイディアを募集
case|事例
トロント市とオンタリオ州車両イノベーションネットワーク(OVin:Omtario Vehicle Innovation Network)は、交通問題の解決に資する都市のモビリティ技術のアイディア募集を開始した。採択された中小企業には、最大で10万カナダドル(約1,100万円)の支援が行われる。今回の実証は、実地での技術検証を目的にしており、5Gワイヤレス接続やAIを含む最先端コンピューター技術などを用いたソリューションを想定している。
トロント市とOVinが締結したMoUには、トロント市が昨年度策定した4年間の渋滞マネジメント計画を支援することが盛り込まれている。渋滞マネジメント計画には、その他にベルカナダやキャリバーコミュニケーションといった通信会社や交通技術をもつ企業と所要時間の短縮や安全性の向上などに取り組むことが明記されている。実証期間中には、それらの連携する企業がAIと5Gを活用したカメラとセンサーを導入する。
実証によって、渋滞の緩和や交通安全の向上、交通優先の強化、市民・観光客などの移動効率化などの効果が確認できれば、トロント市がそれらのソリューションを調達する可能性がある。
insight|知見
先進技術を含むソリューションの調達は、実際の効果や制度上の障壁などさまざまなリスクが想定されます。また、これまでにないソリューションの場合は仕様が書けないというケースも想定されます。そのため、実証実験での効果の確認などを経て調達するプロセスが望ましいように思います。
トロントはGoogleとの連携が残念ながら頓挫してしまいましたが、スマートシティへの取り組みは着々と進行しているようです。福岡でも都市課題の解決に向けて、さまざまな先端技術の実地検証が増えていくといいなと思いました。