欧州委員会は2024年の最も創造的な都市にトリノとブラガを選定
case|事例
欧州委員会は、革新的なソリューション創出をリードしている都市を表彰するiCapitalの受賞都市を発表した。欧州イノベーション首都部門ではトリノ(イタリア)が、欧州新興イノベーション都市部門ではブラガ(ポルトガル)がそれぞれ選ばれた。
iCapitalは、欧州イノベーション委員会が支援している賞で、ダイナミックで包括的なイノベーションエコシステムを持ち、市民と学術機関、企業、公共機関を結ぶことで変革を進めている都市を2014年から表彰している。イノベーション首都部門では、過去、バルセロナやアムステルダム、パリ、アテネなどが受賞し、昨年度はリスボンが選ばれた。また、新興イノベーション都市部門では、ヴァンター(フィンランド)やハールレム(オランダ)、リンシェーピング(スウェーデン)が選ばれている。
トリノは、豊かな歴史と産業遺産を活用し、現在と将来両方の都市の課題に取り組むために、実証実験とイノベーション創出に対して包括的なアプローチを行っている点が評価された。ブラガは、テックべ―スのクラスターから文化産業、イノベーション産業に至るまで多様なイノベーションを創出しており、協働と包摂に焦点を当てた強力なイノベーションエコシステムを構築している点が評価された。
2都市の取り組みを見ると、イノベーションとは単に技術的なものだけではなく、機会をつくり、包摂性を促進し、市民の生活の質を向上させるものだと示している。
insight|知見
欧州委員会が地域を横断的に評価して、様々な都市を評価できる点が、iCapitalや環境首都の良い点だなと思います。各都市の競争心を高めるのはもちろんのこと、それぞれ成り立ちや産業構成が異なる都市が多様なベンチマーク対象を持てることが何よりの価値ではないかと思います。
日本はどうしても東京を中心とする大都市の事例が注目され、地方の先駆的な取り組みは埋もれがちな気がします。地方創生やエリアマネジメントは、国交省や東京を中心とする評価軸とは別に、各地域や各都市がベンチマークする評価軸をそれぞれもつことが持続的な地域の形成には重要hだと思います。