ドバイのクオリティ・オブ・ライフ戦略
case | 事例
ドバイは、世界一住みやすい都市を目指す取り組みの一環として、野心的な「ドバイ・クオリティ・オブ・ライフ戦略2033」を発表した。戦略では、ドバイを歩行者にも環境にも家族にも優しい都市に変貌させることに焦点を当てた200のプロジェクトとイニシアチブが含まれ、2024年から2033年まで3段階に分けて、地域社会のあらゆる層のウェルビーイングの実現に向けて取り組むとしている。
戦略では、環境保全・生物多様性保護、クリーンエネルギー推進、公共サービスの充実化、地域観光資源の魅力向上、公共交通の整備、人材への投資など10の重点取組分野が示されている。また、200以上の公園の開発、沿海サイクリングコースの拡大、夜間海水浴場の拡張、女性専用の新しいビーチの指定といった具体的なプロジェクトや、年間1,000以上のスポーツ、コミュニティ、文化、芸術、娯楽イベントの開催などの具体的な計画も示されている。これらのプロジェクトは、ドバイの生活の質を高めることを目的とした、複数の政府機関と民間組織が連携して設立する新しい推進組織により統括される。
ドバイ行政評議会議長でもあるハムダン皇太子は戦略の発表に際し「ドバイをウェルビーイングの面で世界最高の都市の一つとして確立させ、すべての住民に健康的で活動的で楽しいライフスタイルを提供し、そのアイデンティティと文化の多様性に誇りを持つ社会を築き、最高品質のレジャーとエンターテインメントを提供する」と述べた。
insight | 知見
ドバイについては、砂漠のまちが石油資源に頼らず世界一の高層タワーや人工島などの建設を目玉に、世界に名だたる観光都市として成長した物語を聞いたり、医療ツーリズムに合わせて医療ヘルスケア産業を高度に集積させてきた成長の軌跡を見たりしてきましたが、この先は世界一住みやすい都市を目標にしているようです。
先日ドバイの空港が豪雨で冠水していたニュースを見ましたが、砂漠気候であることから恐らく気候変動に脆弱な都市だと思います。そんな都市でも世界一住みやすい都市を目指そうとして投資をしようとしているので、緑と水資源に恵まれた日本の多くの都市も声を大にして世界一住みやすい都市を目指して取り組んで欲しいと思います。