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米コロラドは図書館を対象にイノベーションチャレンジを実施

case|事例

コロラド・スマートシティ・アライアンスとアラパホ図書館は協働で、図書館のDXを進めるためのイノベーションチャレンジを開催する。アラパホ図書館は、アラパホ郡の8つの図書館と刑務所図書館、移動図書館を管轄している。

図書館を対象とするイノベーションチャレンジは初の試みで、図書館がどのように空間的に利用されているかセンシングし、そのデータを用いて利用者の利用体験を向上させることを目的にしている。イノベーションチャレンジでは、事前に解決策は定義されず、課題が提示されそれにもとづくイノベーティブなアイディアを募集する。採択されたアイディアには、ソリューションの開発と実証、アラパホ図書館全体への拡張のため、25,000ドル(約380万円)が提供される。

アラパホ図書館の事務局長は、「現在の図書館は単に本を借りる場所ではなく、情報や技術をはじめとする様々なサービスへのアクセスを提供する場となっている。しかし、データ活用の観点では、利用者がどのように図書館の空間を利用しているか把握できておらず課題を抱えている。訪問者数や会議室の予約状況、本の貸出状況などは追跡しているものの、貸し出されず閲覧だけされている資料が何かというったきめ細やかなニーズは把握できておらず、サービスデスクの必要な場所もデータにもとづいて意思決定できていない。きめ細かくデータを取得できることで、データドリブンに空間配置などを決定できるようになる。」と期待を述べている。

insight|知見

  • 以前、トロントのスマートシティの視察で図書館に行った際に、トロントの図書館は、IT教育の場になっていて紙の書籍だけでなく、デジタルコンテンツを貸し出したり、プログラミングやPCの操作技術を教えているということを聞いたことを思い出しました。

  • 司書の不足や待遇の低さが問題になっていますが、日本の図書館も付加的な機能をもって情報や教育の拠点になっていく必要があるのではないかなと思います。

  • データ化が進むことでamazonのように次借りる本がリコメンドされるのはちょっと嫌ですが、ハンディキャップをお持ちの利用者や利用頻度が少ない利用者の利用体験を向上させるためにはデータ活用は欠かせないなと思いました。