アナポリス市、都市林業の取り組みを支援するインタラクティブな樹冠マップを公開
case | 事例
米メリーランド州のアナポリス市は、市民が都市の樹冠の成長と持続可能性に貢献できるよう支援する、一般公開のインタラクティブなツールである樹冠マップを公開した。市のウェブサイト上で公開されているこのサイトを通じてユーザーは樹木の生態学的特徴や、経済的便益を知ることができ、また、樹冠が必要な地域を特定することもできる。
都市林業のソフトウェアおよびコンサルティングの世界的企業であるPlanIT Geo社との提携により開発されたこの樹冠マップは、植樹や手入れに関する詳細な情報(樹種、大きさ、二酸化炭素の吸収や雨水の減少など環境への貢献)も市民に提供している。アナポリス市は、適切な場所に適切な樹木を植えることで、樹冠が夏の気温を下げ、大気質を改善し、雨水を吸収し、野生生物の生息地の提供能力を高めることを目指している。
アナポリス市都市森林官によると、同市の緑地の大部分は住宅地にあるため、樹冠率の目標を達成するには市民の協力が必要不可欠とのことで、このツールによって、住民が積極的に近所の樹冠率の向上や、市の緑地の保全に取り組むきっかけになればと願っている。
insight | 知見
樹冠マップは過去に当コラムでもNYCの事例を紹介したことがありますが、多くの都市で公開してほしい情報だと思います。
アナポリスの樹冠マップでは、エリア別の樹冠被覆率もさることながら、街路樹の種別や環境への効果が一本一本わかるのが面白いと思いました。それでもこれよりもっと使いやすく見やすいサイトは作れると思いますので、日本の自治体でも作ってもらいたいと思います。