メルボルン市サザンクロス駅の緑化プロジェクト
case|事例
メルボルン市が予算措置を決定したため、ビクトリア州運輸局はサザンクロス駅の緑化を進める。サザンクロス駅の緑化プロジェクトでは、駅の冷却や大気汚染の改善、生物多様性の確保、経済活性化、健康・ウェルビーイングの改善を目的に、グランドレベルの植樹やオープンスペースの整備が行われる予定。このプロジェクトは、Urban Forest Fundによる第5弾の緑化プロジェクトのひとつで、50万豪ドル(約5,200万円)の資金が提供される。この他にメルボルンスカイファームの拡張など3つのプロジェクトが採択されており、メルボルン市は都市の緑化を着々と進めている。
Urban Forest Fundは2017年にメルボルン市が都市緑化の推進を目的に設立した財団で、市内の民間施設などにおける緑地の整備や植樹、壁面緑化、屋上緑化を財政的に支援している。また市議会は、メルボルン市内の土地の75%を市以外が所有・管理していることから、メルボルン市の緑化推進には民間企業などとの協働が欠かせないことを理解している。そのため、この財団は官民パートナーシップの構築も担っている。基金からの資金提供は、専門家と地域の代表者が審査を行い、プロジェクトによってもたらされる費用対効果や公共の利益をもとに採択が決定される。
insight|知見
既存の施設の緑化に支援していること、費用対効果などを市として客観的に検討して支援先を検討していることが、特にすばらしいなと思いました。
記事にあるとおり、都市の緑化は市の所有地で完結するわけでなく、他者との連携が欠かせません。官民のパートナーシップの仕組みは、都市の緑化に限らず、実際のプロジェクトを動かし、都市計画を動かしていくための真髄だなと思いました。