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【翻訳】リバーブラフレイズについての究極のガイド【SauloCosta#19】

ブラジルのトッププレイヤーであるSauloCostaのnewsletterからの翻訳になります。
先日参加させて頂いたDiscordサーバーにおいてニュースレターの日本語翻訳をnoteにアップして公開していいかDMをしたところ

本当にありがたいお言葉を頂きました。
誰しもが知る鉄強プレイヤーのニュースレターを、このような形で公開出来る事に感謝します。





リバーでの堅実なブラフレイズレンジを構築するための最も効果的なヒューリスティクスを学び、対戦相手を打ち負かそう。


リバーでのブラフレイズはポーカーの中で私が最も好きなことのひとつだ。実際、私の好きなことの第一位だろう。このようなアグレッシブなプレイは、ゲームを楽しく、挑戦的でエキサイティングなものにしてくれる。そして今日は、そんなプレーを皆さんに教えたいと思う。

リバーでのブラフレイズは非常に利益が出やすいプレイでもある。ほとんどのプレイヤーはリバーのレイズを非常に強いアクションだと認識しており、それを大いに尊重する。そのため、ゲームツリーの多くのスポットで相手はレイズに対してオーバーフォールドしがちになる。そのため、このアクションを使うための適切なヒューリスティクスを学ぶことができれば、プレイがより楽しくなるだけでなく、相手のアンバランスを利用して多くの利益を得ることも出来る。

それでは始めよう。

リバーで適切にブラフレイズするには、以下の3つのことを把握する必要がある:


  1. レイズにどのサイズを使うのか

  2. どのハンドをブラフとして使うのか

  3. どの頻度でブラフを行うのか


レイズにどのサイズを使うのか


その1は比較的簡単である。その場でのバリューベットで使うサイジングを選びたい。バリューハンドを持っている時に40bbまでレイズするのであれば、ブラフでも全く同じサイジングを使う。

これは、バリューレイズで1つのサイズを選び、ブラフレイズで別のサイズを選ぶという、非常にエクスプロイトされやすい戦略を避けるために重要となる。このようなパターンを察知した相手は、あなたの「ブラフレイズサイズ」を常にコールし、あなたの「バリューレイズサイズ」に対しては常にフォールドすることで、あなたを完全に打ち砕くことができる。

このように、一見簡単に見える最初の項目だが、自分自身のレンジを把握しておくことの重要性を示しており、これは驚くほど過小評価されているスキルと言える。

多くのプレイヤーが自分自身のレンジを考慮せずにプレイすることでミスを犯し、時には相手に大きくエクスプロイトされてしまう。彼らは自分のハンドをあたかも独立した存在のようにプレイし、または俗に言う「真空状態」でプレイしてしまうのだ。

そのようなプレイを熟練した相手に対して行うのは危険である。もし、レクリエーショナルプレイヤーや、非常にレベルの低いレグ相手なら、そのような考え方をせずとも大丈夫だろう。必ずしも自分のレンジの文脈全体を考慮することなく、ただ自分のハンドがやりたいようにやればいいの。このようなプレイヤーは十分に弱いので、このアプローチで問題が起こることはまずないだろう。実際、彼らとの対戦では、その方が得策かもしれない。しかし、実力のあるプレイヤーに対しては、そうはいかない。自分のハンドが、全体のレンジの中でどの部分に構築されているかを考えながらプレイしなければならない。

従って、ブラフレイズレンジを構築するのが上手になりたいのであれば、まずテーブルでの思考プロセスを改善する必要がある。もしあなたが、自分のレンジが特定のスポットでどのように見えるかを考えることなく決断していることに気づいたら、その思考プロセスを改善する必要があることがわかるだろう。単に自分のハンドをプレイするだけでなく、あらゆるスポットで自分のレンジ全体をプレイする習慣を身につけよう。

私はこれを「レンジトラッキング」と呼んでいる。ポーカーをプレイするとき、多くの人が相手の「ハンドリーディング」を試みるが、これは、相手のアクションがそのハンドの分布にどのように影響を与えるかを解釈するプロセスである。一方レンジトラッキングは、自分自身のハンドリーディングのようなもので。自分のアクションがどのようにハンドの分布を変えるかを常に意識するプロセスと言える。

はっきり言わせてもらうが、自分のハンドの分布を常に意識していなければ、非常に強いプレイヤーになることは出来ない。良い戦略をプレーするということは、特定のスポットで相手のレンジに対して自分のレンジをどのようにプレイすべきかを判断することである。もし自分のレンジがどうなのかを明確に把握出来ていなければ、それをどのようにプレイすべきかを考えることは不可能だろう。

ブラフレイズやポーカー全般が上手くなりたいなら、すぐにレンジトラッキングの習慣を身につけよう。

それでは、楽しい部分に進もう。どのハンドがブラフレイズの最適な候補となるのか、どのようにして効果的にブラフレイズに使うハンドを選択すべきなのかを考えていこう。

ブラフにおけるハンドの選択は非常に重要である。それがレイズであろうとベットであろうと、ブラフである場合には非常に重要である。ブラフ候補になり得るハンドは、常に複数の異なる領域が存在し、その中から最良のハンドを選ぶことが、ブラフ戦略の収益性に大きな違いをもたらす。常に間違ったハンドの領域をブラフに使っていると、勝率が低くなり、ブラフ戦略の構築が頻繁に必要となるゲームで、それを正しく行えない度に、バケツから一滴ずつお金が落ちていく。そしてその雫はすぐに溜まっていくだろう。


どのハンドをブラフとして使うのか


適切なブラフレイズのハンドを選ぶコツは、そもそもブラフレイズは単なるブラフと変わらないことを理解することである。

ブラフをかけるときは、相手のフォールドレンジをブロックせず、相手のコールレンジをブロックすることを意識するが。ブラフレイズも全く同じ理屈である。

唯一のわずかな違いは、相手がベットし、あなたがレイズをする場面では、相手のフォールドレンジとコールレンジがより明確に定義されることである。

相手があなたにベットして、レイズに直面した際、ハンドは3つの主要な領域に分類される。

  • 自動的にフォールドする領域

  • ブラフキャッチャーの領域

  • 自動的にコンティニューする領域

「自動的にコンティニューする領域」のハンドは、相手のバリューベットレンジのトップで構成される。非常に強いハンド。これらのハンドはレイズに対してコールするかリレイズする。もしあなたがこの領域のハンドをブロックしていて除去することが出来れば、あなたのブラフは非常に大きな利益を生む可能性がある。

「自動的にフォールドする領域」のハンドは、相手のベッティングレンジのブラフに該当する。相手はバリューベットとブラフベットのレンジを構築しており、一度レイズされたらブラフハンドで出来ることは何もない。それらはレイズに対してフォールドするだけである。したがって、ブラフレイズを行う際に本当に重要なのは、相手の自動フォールド領域のハンドをブロックしないことである。これはブラフレイズを選択する上で非常に重要なポイントである。

上記の2つの段落から、ブラフレイズに対する2つの非常に強力で効果的なヒューリスティクスを導き出す事が出来る:

  1. ボードと共通のカードを持つペアを使う;

  2. Aハイを使う。

コミュニティーカードを使ったペアをブラフに使うことで、自分のカードの少なくとも1枚が相手の自動的にフォールドする領域に干渉しないことが保証される。なぜなら、相手がペアでブラフしている可能性は非常に低いからである。同時に、2ペアやセットなどのハンドをブロックすることで、相手の自動的にコンティニューする領域を除去することもできる。

Aハイを使う理屈もこれと似ている。相手がAハイのハンドでブラフをする可能性は非常に低く、そのようなハンドは通常ショーダウンバリューがあり、パッシブにプレイされるべきだからである。自分がAハイを持つことで、自分のカードの少なくとも1枚が相手の自動的にフォールドする領域に影響しないことを保証する。

これらのヒューリスティクスは、ほとんどのリバーレイズレンジで観察することができる。BTNvsBBの場面で、BTNがフロップをチェックバックし、BBが75%を2回ベットした後の例を見てみよう:

K75T2

BTNはQ7s(3rdペア)、QT(2ndペア)、そしてローキッカーのKx(K3sやK4s)といったハンドをブラフレイズすることになっている。

次の例を見てみよう。SB vs BBのSRPで、SBはスモールサイズのトリプルバレルを狙う:

Q53Q2

BBは3xのコンボ、2xのコンボ(A2、42s、32s)、Aハイハンド(A8-AJo)のようなハンドでブラフレイズすべきである。

同様の構図は、SB vs BTNの3bpでも見られる。SBはBXBラインを狙い、BTNはそれに応える:

Q852T

BTNはA5s、65s、54sのようなハンドでブラフレイズを行い、K8s、ATs、T9sのようなTxハンドもレイズしている。Aハイの場合、IPは一部のA4sを使用している。

様々なハンドクラスでのブラフレイズのEVは全く異なる可能性があるため,このような状況でのレンジダイナミクスの理解は非常に重要である.

最後の例のQ85の例では、AhJhのようなハンドをブラフレイズすると、均衡で6bbを失う事になり、ベットに対しては常にフォールドすべきである。一方、Ah4hのようなハンドはレイズとフォールドでインディファレントであり、25%の確率でブラフジャムすべきである。その理由は、オールインレイズに対するOOPのフォールドレンジにはJxのハンドが多く含まれるため、Jを持つことはブラフに非常に不利になるからである:

ブラフレイズに適したハンドを選ぶ確率を最大化したいのであれば、常に相手があなたのレイズに対してフォールドするハンドがどれかをイメージし、それらの領域と干渉しないハンドを選ぼう。同時に、相手の「自動的にコールする領域」をイメージし、その領域とカードを共有するブラフハンドを優先的に使用するようにしよう。


どの頻度でブラフを行うのか


ブラフハンドでどれくらいの頻度でレイズすべきかについては、以下の2つの要素に依存する:

  1. あなたのバリュー領域の大きさ;

  2. 似たような候補がいくつあるか;

1つ目のロジックは非常にシンプルで、レイズできるバリューハンドが多ければ多いほど、全体的にブラフレイズを増やすべきである。

2つ目の項目は、あなたのレンジに似たようなブラフハンドがあるかどうかです。似たような性質を持つハンドをたくさん持っている場合、特定のハンドを高い頻度で使うのではなく、ソルバーはそれらすべてを低頻度で使用することが多い。なぜならこれらのハンドの価値は等しいからである。これはまさに上の2番目の例(BvB SRP)で起こっていることである。

Q53Q2のボードで、2回のベットをコールし、リバーで3回目のベットに直面した後、BBは3xの組み合わせとAハイをたくさん持っている。これらのコンボはすべて似たような性質を持っており、このボードでは大きなブロッカー効果はないため、ソルバーは3xコンボを低頻度で全て使用し、ほとんどのAxのコンボも低頻度で使用することがわかる。

したがって、頻度を決定する良い方法は、自問自答することだ: 「似たような候補がいくつあるか?」もしその答えが、ブロッカーとしての特性という点で非常によく似たハンドを沢山持っているということであれば、低い頻度でそれらすべてを使用すべきである。逆に候補となりうるハンドが少なければ、それを高頻度で使うことになる。ブラフレイズ候補が「たくさん」あるのか「少量」なのかを判断するには、自分のバリュー領域(上記1)を視覚化する必要がある。ブラフ候補の数は、常に自分のバリュー領域の大きさと相対的に解釈すべきである。

例えばブラフ候補が3コンボあっても、自分のバリュー領域が1コンボしかなければ、3コンボは多すぎるため、バランスを取るためにそれらを低頻度で使う必要がある。しかし、バリューが6コンボある場合、ブラフハンドの3コンボはまさにポットサイズのベットとバランスを取るのに必要な量なので、常にブラフをするべきになる。


まとめ


この記事の内容をまとめると、リバーでのブラフレイズを上達したいのであれば、以下のことを実行しよう:

  • テーブルでの思考プロセスに、レンジトラッキングを習慣化すること、つまり、自分のレンジ構成を常に意識すること。

  • ブラフに最適なレイズサイズを選ぶには、バリューハンドをどのくらいのサイズでレイズするかを考え、それと同じサイズをブロフにも使用しよう。

  • 一般的に、ボードのペアとAハイは、ブロッカーの性質からブラフレイズ候補として適しています;

  • 自分のレンジを構築する前に、相手のオートフォールドの領域とオートコンティニューの領域を視覚化すること。オートフォールド領域に干渉するハンドはブラフは選ばず、干渉しないブラフハンドの中でオートコンティニュー領域に干渉するハンドをブラフ候補に優先させる;

  • ブラフの頻度を決定するときは、自分のバリューレンジの大きさと、同様なブラフ候補のハンドがどれだけあるかを考慮する。あなたのバリューレンジが大きいほど、ブラフを多用すべきである。また、似たようなブラフ候補が多ければ多いほど、ブラフの頻度を減らすべきだ。


これらのヒントを参考に、次にリバーでベットに直面した時に、自信を持ってブラフレイズが出来ていることを願っています。幸運を!



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記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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