くまのヨット暮らし①:船が手狭になってきた
時は2012年、春になってくまは1歳になりヨットで暮らす季節がやってきました。
初めてのヘアカット
大きくなったくまは毛が伸び放題のもしゃもしゃワンコになりました。前髪はそのままにしておくと目が隠れてしまうほどのボーボーぶり。くまのコートは完全防水性なので雪が降る山の家では最高なのですが、ヨット生活で頻繁に海で泳ぐ毎日だと毛が長すぎて洗うのも乾かすのも大変。しかも防水のセーターを着ているのと同じなので夏には暑すぎます。なので初めてペットショップでヘアカットをしてもらいました。
このヘアカット、実はくまが絶賛大暴れであやうくペットショップから返品されそうになったのですが、夫と私で押さえつけてトリマーさんがバリカンでヘアカットしてなんとかミッション達成。でもこれ以降は毎年初夏になると私がハサミでチョキチョキと手切りするヘアカットになりました。どうやらバリカンがとても嫌だったみたいです。
大きくなって船内の移動は自由自在に
成長したくまは船のどこへでも自由に行ったりきたりできるようになりました。キャビンのカウチにひょいっと飛び乗って夫の食事のおともをしたり、スクラフィ兄ちゃんとお昼寝したり。
梯子も上がったり下りたりできるようになったので、キャビンとコックピットの間を自由に出たり入ったりするようになりました。もちろんコックピットからベンチへも上がれるようになったので、ベンチに寝そべってお昼寝したり潮風を浴びたりしていました。
デッキから海に落ちた事件
心配だったのはコックピットから出てデッキにいる時でした。船のサイドはとても細くなっていて、寝そべってるくまが寝返りうったら海に落ちそうな広さしかありませんでした。
実はデッキから海へ落ちたことがあるのです。キャビンにいたらバッシャーンと大きな音がして、なんだろうと外に出たらデッキにいたはずのくまがボートの周りを必死に泳いでいました。慌てて海から引きあげて難を逃れましたが、それ以来くまがデッキにいる時は目を離すことができなくなりました。
くまの海落っこち事件から、船にいる時は常にライフジャケットをつけさせることも考えました。でも嫌がるので断念。動きにくいし多分暑いのだと思います。ただしセーリングに出る時は有無を言わさずにライフジャケット着用です。
くまはマストベースのところが大好きでスクラフィ兄ちゃんと一緒によく寝そべっていました。船を停泊させているときは日よけのためのタープを覆っていたので涼しくて気持ちがよかったのだと思います。
大好きな梯子の下に入れなくなったよ
パピーの時に大好きでよく寝ていた梯子の下。大きくなってからもやはり大好きみたいで何とか潜り込もうとするのですが、1歳になったら無理やり体を押し込んでそれでもはみ出してしまうサイズになりました。そして2歳になったらさらに大きくなったので頭だけ入れて無理やり寝ていました。
この船でワンコ2と人間2は狭いかも
くまは2歳になるまでに30キロの大型ワンコに成長。さすがに29フィートの小さな船に30キロと12キロのワンコ(スクラフィ兄ちゃん)と人間2人で夏を過ごすには無理があるかなと感じるようになりました。
もともとヨットで生活なんて本当にできるのかとりあえず小さな船で試してみようと購入した船でした。試してみるつもりがすでに4年もこの小さな船で夏を過ごしてしまいました。船の狭さがあまり気にならないくらい船での生活が楽しかったのだと思います。
くまにとっても大きな体には窮屈だったんじゃないかなと思うのですが、本人はこちらの心配をよそに楽しそうにしていました。
家族が増えてワンコ3に
そんなことを考えながら2011年の夏が終わり山の家に戻る生活が始まりました。ところが翌年の2012年の2月に思いがけないことが起こりました。ワンコがもう一匹増えてワンコ3匹家族になったのです。
うちの子になってしまったぺぴはもともとはフォスターをする予定で南カリフォルニアのキルシェルター(殺処分をするシェルター)からレスキューしてきたワンコでした。里親探しはメキシコ旅行でレスキューしたパピーを世話してくれたシェルターが引き受けるという段取りもついていたのです。
レスキューしてきてとりあえずと里親が決まるまでうちで面倒を見ようと一緒に暮らし始めたもののすぐに情が移って手放せなくなってしまいました。私たちのような夫婦にはフォスターは向いていないということがよく分かった経験となりました。
ワンコ2でも狭すぎると思っていたヨット生活。ワンコ3になったら29フィートの船ではもう絶対無理だということで、2012年の春にヨット探しが始まりました。
つづく。