僕の信仰と宗教について amazarashi
ここ数年、無性に宗教や信仰という言葉に執着している。
僕は仏教徒でもキリスト教徒でも無い。神様を信仰したことなど、神社で5円とご縁を合わせて神頼みをした程度で、言うなれば都合の良い利用に近い。
まぁ、半年ぐらい前に創価学会企画のフットサル大会にノリで参加してMVP取ったことはあるんだけどさ。この時点で、宗教とか信仰とかそういう類のものを舐め腐ってるんよな。
つまり、宗教や信仰というワードに執着はあれど、その対象は神様ではない。僕にとって、それは好きな漫画や好きな音楽家に対する好意としての意味だ。
皆にもあるでしょう。好きなバンドや好きな漫画、例えばチェンソーマンやさよなら絵梨を読んでおもしれ〜ってなって、藤本タツキの些細なセリフや表現を取り憑かれたように考察したり、新刊が出たら必ず買ったりすること。それは『この人なら私を楽しませてくれる』という信仰の元の行動だ。そこまでいけば、僕らも立派な教徒なのかもしれません。
というわけで、今回は僕にとっての宗教、信仰の対象であるamazarashiについて語っていければと。
ちなみに、宗教とは神や神聖なものに対しての教えや信仰のことを指すので、上記は言葉の意味としては成してはない。でも他に上手い言葉が見当たらないんだよな。なのでこのまま続ける。
ひとまず、聞いて欲しい曲を上げてくので良ければ聞いてみてね♪
1 季節は次々死んでいく
僕がamazarashiというバンドを本格的に知るに至ったきっかけの曲です。もう8年前の作品らしいですよ、これ。東京喰種√Aの主題歌で、MVのモデルも東京喰種の登場人物、リゼが元になっている。MVの初めには、谷川俊太郎の恐竜人間の一節が流れる。
さて、東京喰種。僕が高校生の頃にやっていた作品で、漫画も全部揃えた。僕の持論のひとつに、主人公が一番好きなキャラの作品はその作品も面白いというものがあるんだけど、その最たるがこれです。ヤングジャンプの中でもかぐや様は告らせたいと双璧を成すぐらい好き。次点は少年のアビス。
まぁ、東京喰種の話は語ると長くなるから今はいい。季節は次々死んでいく。今聴いてもアニメ主題歌としては異質な曲だなと思います。アニメソングにありがちな明るい歌詞やメロディとは一線を離れ、ネガティブで現実逃避を許さない陰鬱な歌詞と悲哀のある曲調。
歌詞もこれですからね。個人的にamazarashiほど社会問題や個人の困難、しかしそれでもの部分を詩的に書ける歌手は存在しないと思っている。だからこそ僕の信仰の対象になりうるわけだけど。
人生は勝ち負けじゃないと言いますが、勝ち負けで言ってしまえば僕の人生は紛れもなく負けで、そんな僕の薄暗い高校時代を支えてくれた曲なのかもしれない。
2 スワイプ
amazarashiの最新曲で、映画、ヴィレッジの主題歌である。映画は見たかったんですけど機会を逃しました。配信されたら観ます。必ず。
他人事の日々の事件、景気後退の記事や凄惨なニュースに対しての風刺のような曲で、amazarashiの中でも結構重たい曲。だけど、amazarashiにしか書けないよな、という曲だとも思う。MVも必見で、横浜流星の追い詰められていく演技が圧巻。高校時代、バスケ部にバカにされてカッターナイフ取り出した無口なあの子もあんな心境だったんかね。
現世を地獄か何かと勘違いしているように重たい歌詞、これが3回もサビで繰り返されます。なので、1回聞くだけでサビの歌詞は大体覚えられるという。出社前に聴くと現実に飼い慣らされてる感じがして、嫌な気分になるのでオススメです。どんだけ他人に不幸があろうが、僕らは僕らの日常から抜け出せないのだ。
ただ、日々の事件やらを観てても、明るいニュースなんて稀で、大抵はろくでもない出来事の集合体だ。広末涼子の不倫問題とかさ。いくらなんでも恋文を公開するのはひどい。僕だったら泣いちゃう。
そんな現世を取り巻く環境が「生きにくい」なんて言葉で済ませるだけでいいのか? 「amazarashiは現実を歌っている」なんてファンは言うけど、amazarashiの歌詞が現実だなんて、現実は凄惨だって言ってるようなものですからね。まぁ、凄惨なんですけど。
社会の中に暗澹とした空気が流れてるとして、それを形成しているのは紛れもなく僕らなのだ。なら、少しは光差すように生きるべきなんだろうけどねと、最近少し思うようになりました。皆も僕を見習え。
だからワイ、ごちうさみたいな人生目指しとる!皆もオープニングで一緒にきららジャンプ!!ココアお姉ちゃんだいしゅき!
3 性善説
個人的にamazarashiで一番好きな曲かもしれない。自虐家のアリーやカルマ、前述のスワイプなどと比べたら些か地味な曲ではあるけどね。
インタビューによれば、この光景を伝えたかった為にできた曲らしい。性善説、1ミリでも信じてんのか……?
この曲も、立ち位置はスワイプと少し似ていて、世間を取り巻くニュースや満員電車、要するに現世の憂いが題材のひとつにあると思う。結局、僕らはどう足掻いたところで社会的動物で、この世で生きている奴らの大半が何らかの不満を覚えている。
その不満が、怠惰が理由の事故や自殺、殺人に結びついている。僕らはそれをネットニュースぐらいでしかそれらと関係を持てないけど、僕が込めた悪意や失態が誰かに影響を与え、またその誰かの悪意や失態が誰かに影響を与えの繰り返しは間違いなく存在している。それが積み重なれば誰か一人ぐらいは死んでてもおかしくはないわな。
だから僕は、生まれたばかりの赤子以外、全員一人ぐらいは人を殺して生きているんじゃないかなと思うようにしています。まぁ、この考えは極端すぎるんだけど。
そんな各々の社会への積みあがった不満だとか、そういうのをすくい上げて歌にする才覚がとにかく高いのがamazarashi。
4 日曜日
漫画、月曜日の友達の書き下ろし主題歌。漫画も名作なら主題歌も名曲。両者とも読んだり聴いたりすると、学生時代の閉鎖的な空間を思い出して胸が痛くなる。高校時代とか、思い出したくなさ過ぎて普通に吐き気するもんな。せめて何者かに、そう憧れてた高校時代の僕、結局お前は未だに何物にもなれてないよ。
背中越しのクラスメイトの笑い声。閉鎖的な教室、クラス間の上下関係、教科書の落書き、筆箱のカッターナイフ。テストの順位。劣等感、都合の良い妄想……etc。何となく、そういうのの積み重ねだった記憶がある。思い出した最悪。
だけど、友達同士でふざけて帰った帰り道とか、紛れもなく楽しいこともあって、その板挟みで真面目に生きるのにも、全て諦めて自死を選択するのもできず、だらしなくこの人生を続けて僕はこうなった。
そもそも、amazarashiの音楽を聴く人って、絶望し切ってる人というより、明るい人生というものに渇望があったり、社会や学校生活に対する不安への共感をしたい人が多いと思うんですよね。
僕が今生きている理由も、今までの人生に訪れた楽しかった出来事、その積み重ねによって生まれた『いつか幸せになれるという空虚な妄想』を叶えるため。多分、それだけです。友達が結婚するたびに、僕には何もないのに金を稼ぐ意味ある?ってなりますからね。無いよ。
無いけど、まぁ多分僕みたいな人間は多分少なくはない。で、そういう人間が人付き合いで誰かに救ってもらえるなんて、きっと絵空事だからせめて僕らは漫画や小説、音楽という芸術で救われるべき。サブカルチャーって言うのは本来僕らみたいな人間のためにある。
つまり、何が言いたいかというと、陰キャはロックをやる前に、amazarahsiを聴け。
5 帰ってこいよ
最後に紹介する曲です。この5曲を聴けば、あなたがamazarahsiにはまるか大体、分かります!
アルバム、ボイコット収録曲で秋田ひろむの出身地、青森県について書いた曲ですね。もっとざっくり言うと、就職、進学などの県外転出の歌というべきかもしれない。太宰治と秋田ひろむを産んだ青森県の治安、純粋にヤバそう。
端的に言ってしまえば、若者たちへの応援歌。ただ、進学で東京に向かう学生は全国見渡してもかなりいるはずだから、そういった人々にとって当てはまるところが多いのではないか。僕は埼玉生まれ埼玉育ちなので全く関係ないですが。
ただ、この言葉の圧力で背中を押されると、さすがに「がんばるぞい!!」とはなります。amazarahsiがここまで売れた理由、それはamazarasiにしか書けない言葉、産めない思想があったからで、それを共感できる形で届けられる音楽がここにあると思うと、シンプルにすごい。駄目人間すぎて、説教されないとがんばるぞいってなんないですからね。
今日も一日、がんばるぞい!!
まとめ
amazarashiは明るい曲以外だったら、何でも書ける。
つーわけで、いかがだったでしょうか。皆さんにも好きな音楽家、好きな漫画家、たくさんいると思います。僕も好きな作品、いっぱいあるし、他にも語れる音楽家や漫画はたくさんある。
人生は、そういうのをたくさん見つけて、苦痛を受け流ていくものなのかもしれません。皆さんも自分の人生にかけがえのないもの、それがアニメのキャラでもアイドルでもなんでもいいけど、そういう信仰の対象、好きという対象は絶対あると思う。
僕が今日信仰の対象として紹介したのはamazarashiで、そういう祈りが、何か少しでも皆の共感という形で結びつけられたなら、いいなぁって思います。
ではでは。
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