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#2 笹川真生

世の中がおかしくなっている感覚が、ある。

誰に言うべきでもないけれど、僕は昔から人と馴染めなくて、高校時代から本格的に人、というか大衆というものが嫌いだ。だから、大衆が作ったこの時代も嫌いで、おそらく、僕は一生世の中というものに馴染めないんだと思う。そうやって、世の中の意地の悪い角度で俯瞰して生きるのも、案外面白いのだけど。

でも、最近はコロナウイルスとかいう病気が蔓延して、僕らの生活がぐちゃぐちゃになってしまった。Twitterを眺めているだけでも悲鳴や怒声が聞こえてきて、不快な感情がインターネットをうろついているような、そんな感じがする。皆、大概何かに怒っている。何人かが銃を手にしていれば、おそらく誰かが誰かを撃っているなんて、想像してる。

去年の京アニの事件や、嫌な事件が多発した時も、確かこんな様相だった。僕はいま、その時と同じぐらい気持ちが暗い。だけど、世の中からしたら今は去年なんかとは比べ物にならないくらい危機的で、時代が崩れているんだと思う。もしコロナウイルスが消えても、その後のことを考えると暗澹としてるし。

でも、まぁ、こんな世の中だけど、ひたすら下を向いていても仕方ないし、だから、僕の好きなものでも紹介して気を紛らわせようと、筆を執りました。

このnoteを読んでくれたあなたが、この歌手を好きかどうかは、分かりません。会ったこともない誰かに「あなたはこれが好き嫌い」なんて言えませんし。そこは、自分で聴いて確かめてください。どうせ、外出もできないから暇だろうしね。

というわけで、笹川真生について。耳が不安になる程の爆音で聴いてみてください。ではでは。


幻想的と破滅的って同居すると思うんです。例えば、フィクションの世界のお話で、島の中で平穏に暮らしていて、そこからどんどん誰かが壊れたり無くなってしまうお話とか。僕のイメージでは宝石の国が近いですが。アニメしか見たことないので、明後日バイト前に買います。欲しいので。

笹川真生のキャロルは、まさにこの二つの言葉が詰まったような曲だと僕は思います。付け加えるなら、儚さと救いようのなさという言葉でしょうか。心地よさの裏側に、ガラスをハンマーで叩き割るような震えがあると言いますか。赤子が子宮の中で感じる産まれることへの不安も、こんな感じなのかもしれない。救済を求めているだけ、そんな感じもする。

このままいつかきっとわたしは 何も言えずに育っていく
怖がらなくても大丈夫だよ

少なからず、他にこんな曲を歌える歌手はこの世にはいないと思います。作曲とか編曲とか僕はあまり詳しくないけど、この壊れそうで儚い世界観は唯一無二かと。多分、聞いたことない人は「ナニコレェ」ってなるのではないでしょうか。この音楽あなたの珍百景にえらばれますように。これ景色じゃないけど。

どこかで他人が死んでても わたしの心はちっとも動かないの  そういうとこだよ わかってる

キャロルが宇宙のような、どこか曖昧で感じられることもないぐらい遠くにある曲だと評するなら、この曲はまだニュースで流れる殺人事件のような、「身近さ」がある。殺人事件も宇宙も、どちらも僕にとって関りが遠くにあることは変わりないけど。

でも、実態がないような、関係しているはずなのに薄いと感じるような、そういう現実への希薄さと言いますか、この曲にはそういうのが詰まっている。彼のささやくような歌声も、それを形成しているのかなと。

去年までは、傘も差さずに裸で泳いでいられたのにな 謚懊¢蜃コ縺励※ 見て、地球が、

最新曲の、産声。100日目に死ぬワニの命日に投稿された曲ですね。ちまみに、僕は100日目に死ぬワニの漫画、買うつもりです。ワニ、好きだったので……。

アルバム、あたらしいからだの収録曲とはまた違った感じのある曲です。僕の感覚にはSoundCloudに上げられている「やめてよ」に近い感じがします。

僕はこの曲は、良く分からなくて、なんて形容したらいいか悩みます。曲としては柔らかいのだけど、ほのかな温度しかなく、サビに入るにつれて強い感情が入り込んでいくような、そんな感じでしょうか。

産声という名前から、母親の中にいた、羊水に浸っていた(泳いでいた?溺れていた?)頃とか、生まれてきた時のことを考えてしまいます。だけど、僕にとって、この曲にはその記憶に合うような、合わないような、曖昧さがあります。生まれて来た時のことなんて、僕は全く覚えていないのですけど。

でも、何度も聞いてしまうのだから、僕はこの曲を気に入っているんだと思います。不思議と言う程、優しくはないけど、狂気と呼べるほど、壊れてもいないといいますか。単純に、狂気という言葉が僕にとって薄っぺらく感じられるから、そう感じるだけなのかもしれません。

だけど、僕にとってはいい曲なのです。誰かも、聞いてみてほしい。

ちなみに、この今日書いた人のワンマンライブが、コロナウイルスで延期になってしまって、僕は結構かなしい思いをしました。元々チケット逃してたから行けなかったんだけどね。誰かに感化されやすい性格だから、誰かが無念そうにしてるとこちまで無念になってしまうのです。こちこち。

それに、まぁ、ライブハウスの箱代とかも、色々なバンドとか含めてかなり気になるし、でも僕には関係できないので状況が書かれた文字列を眺めることしかできません。署名したりとかは、出来るんだけど。

だけど、まぁ、とりあえずなんとか生きてほしいなぁと。僕が金持ちで、ポポンと、困ってる人にお金を上げれたらいいんだけどね。預金残高見たら4万しか入ってなかったので無理です。政府さんおかねください。

というわけで、笹川真生についてでした。暇だったら、聞いてみてくださいね。

それでは。ではでは。

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