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079. 二人で一描き
一日一描。
今日は娘と二人で一つの作品を作ることにした。最近ずっと、できていなかったから。
娘はとても薄桃色の混色が上手。まるでプロバンスの大気のような、淡い素敵な色。
子供と何かを作ると計画通りな工程を辿れない。イレギュラーと途中下車の連発。制作途中で何度もキャンパスをぐるぐると回転させられるような感じがする。
でもそれをノイズと捉えて壊されたと思うか、違う方向からの視点として招き入れてみて、即興として楽しんでみるかで全然違うものが出来上がります。
最初、空と雲を描こうと言っていたのに、山を描き出して、太陽を描き出して、最終的には雲なんて描かない、という・・(笑)。
でも、最近、私がやりたかったことって、こういうことだったんだなと改めて思った。
この「一日一描」は100日で完結と決めているので、いよいよ終盤に差し掛かる。描くことが日常化する、という当初の目標はすでにかなっていて、毎日描きたいモチーフも日々バンバン出てきてしまうし、もっと集中して、時間をとって、一つの絵を作り込みたい、というモチベーションも湧き上がる。嬉しいことだ。
でも、なぜかモヤモヤする。すごくモヤモヤする。
「今の私のすること、そこじゃないんじゃない?そんなの独身時代に散々やったでしょう?」という声が聞こえる。
「〝子ども〟という存在を含みながら作っていく、というのが今私がやりたいことなんじゃないの?」という声が聞こえる。
「違うよ、そんなことない。やりたいことなんじゃなくて、今は制約があってそうせざるを得ないだけで・・」とずっと思っていたが、そうじゃないんだと思う。
固まりかけた線をほぐしてまた固めて、そして崩して。
そうやっていつも新しいアングルから世界を眺めて一緒に何かを作っていく、という環境が欲しい。私は幼心にそんなことを夢見ていて、今娘を通してそれを実践しているのだと思う。
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