「生きてる意味や価値」なんてあるの?

今、「 生きている意味が分からない」とか 「生きていることに何の価値があるんだろう」と真剣に 思い悩んでいる若者が増えている。
でも、生きていることそのものと、意味とか 価値というものとは、そもそもあまり関係ないことだと思う。
もし、そこに意味や価値があるとしたら、それは自分で作っているものだし、感じ取って行くものでしかないんじゃないかな。

ある年配の著述家が、若いころサマセット・モームの『人間の絆』を読んでいて、登場人物が「生きていることには何の意味もない」っていうことを言ってるのを読んで ハッとして気が楽になったっていう風に書いてた。
多分その当時は、生きる意味とか目的っていうのは社会や 周りから与えられるもんだと思い込んでいたんでしょうね。いや、その当時だけじゃなく、長い歴史を通じて ほとんどの人が 信じ込み続けてきた幻想といっていいでしょうね。
そして、時代の変わり目なんかにはその幻想が 壊れてしまったり、消えてしまったりする。そこで ほっとする人もいれば、呆然とする人や、絶望する人もいる。で、今の若年層の人たちは、この後の方の反応を示しがちなのかもしれない。


私は心理カウンセラーとして愛情関連の問題の 相談を よく受けますが、 若い母親の中には子供が愛せないっていう悩みを持っている人が意外なほど多い。 そういう人には まず「そもそも子供って愛さなきゃいけないもんなんですか?」って問い返してみる。すると、一瞬沈黙した後、笑い出す人が多い。

精神分析系の人なんかは、よく 子供時の愛情を 必要不可欠のものという風に 力説しがちだけど、私は ああいうのも世の中が与えてくれる価値観妄想の一種だと思う。
逆に言えば <十分に愛情が与えられていなと、その後の人生が狂ってしまう>などとという思い込みが その人の人生を狂わせているのかもしれない。


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