J.と書いてジョタと読む
先日のノッティンガム・フォレスト戦での活躍はもちろん、怪我はあれども出ればチームを救ってくれるディオゴ・ジョタ。
そんな彼の、名前に関する話。
背中の名前
フルネームはディオゴ・ジョゼ・テイシェイラ・ダ・シルヴァ/Diogo José Teixeira da Silvaであり、ポルトガル語の人名の慣習に従って言えばテイシェイラが母方の姓、ダ・シルヴァが父方の姓。
即ち、テイシェイラさんとダ・シルヴァさんの子供のディオゴ・ジョゼくんということに。
ユニフォームの背中にはDIOGO J.と表記されているのは、幼い頃のチームメイトに他にもディオゴという名前の選手がいたため。
ユナイテッドのダロト、ポルトのコスタ、レアル・ソルトレイクのゴンサルヴェスなど、ディオゴはポルトガルに多く見られる名前であり、同様にシルヴァやテイシェイラもポルトガルには多く見られる姓であることから、他のディオゴと区別する必要があった。
2016年1月10日付のポルトガルメディアTRIBUNA Expressoは、こう書いた。
なぜジョタなのか
先に書いた通り、DIOGO J.は他のディオゴと区別するために呼ばれ始めたもので、Jはディオゴ・ジョゼのJoseの頭文字を取ったもの。
日本でも名字が同じ方を区別するために、姓の後に括弧を付けて名前の漢字や平仮名を一文字追加することがあるが、似たイメージかと思う。
では、なぜディオゴ・ジェイではなくディオゴ・ジョタなのかと言えば、ポルトガル語でJはジョタと発音するため。
DIOGO J.と書いてディオゴ・ジョタと読み、ジョタという発音を文字に起こすならJotaとなる。
グアディアナ川を国境として並び、似ている、互いに理解できると言われるスペイン語とポルトガル語でも発音に違いはある。
ポルトガル語ではジョタと読み、母音が続けばジャ・ジ・ジュ・ジェ・ジョに近い音。
スペイン語でJはホタと読み、母音が続くとハ行を少し力を込めて読んだような音。
全てそうであるとは言い切れないかもしれないが、ノッティンガム・フォレストのJota Silvaはポルトガル人なのでジョタ・シルヴァ、バーミンガムやヴィラでプレーしたJotaはスペイン人なのでホタ。
同じ理由で、ジョタの本名であるDiogo Joseはディオゴ・ジョゼだが、リバプールなどでプレーしたスペイン人レフトバックJose Enrigueはホセ・エンリケ。
シルヴァだった理由
17-18シーズンにアトレティコ・マドリーからウルヴスにローン移籍したが、DIOGO J.ではなくSILVAとの表記でプレーしていた。
これは、当時のウルヴスはプレミアリーグではなくチャンピオンシップ所属であり、チャンピオンシップを含むEFL(English Football League)が定めた『ユニフォームの名前に姓を用いること』というルールによるもの。
ウルヴスは、17-18シーズンに向けた背番号や登録名について下記の通りにポストしていた。
その17-18シーズンは44試合で17ゴールを挙げてプレミアリーグ復帰に貢献し、18-19シーズンからは再びDIOGO J.を背負っている。