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ライバーが知っておきたい確定申告の基礎知識!申告が必要なケースと注意点

コロナ禍をきっかけに、ライブ配信で収益を得る「ライバー」として活動する人が爆発的に増えてきました。また、SNSやライブ配信アプリの普及により、個人でも簡単に収益化が可能になったことで、副業や本業として取り組む方も少なくありません。しかし、「配信で得た収入に確定申告は必要なのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、ライバーが確定申告を行うべきケースや、申告の際に注意するべきポイントについて、ライバー初心者の方でもわかりやすく解説します!

※確定申告時期に多くなるお問い合せについては国税庁ホームページをご覧ください。また、具体的な税務相談は最寄りの税務署やお近くの税理士にお問い合わせいただくことをお勧めいたします。




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そもそも確定申告とは?

確定申告とは、前年の1年間(1月1日から12月31日)に得た所得を申告し、納税するための手続きです。一般的には、自営業者や個人事業主が行うものとして知られていますが、副業で一定額以上の収益がある場合、会社員やアルバイトの方も申告が必要です。

特にライバーとして活動する場合、配信収益は「雑所得」や「事業所得」に該当するため、一定額を超える収入があると申告が求められます。


確定申告が必要なケースと流れ

ライバーが確定申告を行う必要があるかどうかは、収入額や事務所所属の有無によって異なります。以下に具体的なケースとその流れをまとめました。

収益が一定額を超える場合

  • 副業ライバーの場合:収益が年間20万円を超えると確定申告が必要です。

  • 専業ライバーの場合:収益が年間48万円を超えると申告対象です。

配信アプリによっては確定申告のサポートやセミナーを行っていることもあるため、確定申告の時期(1月〜3月頃)にはアプリ内のお知らせもチェックしておくと良いでしょう!

事務所所属ライバーの場合

事務所に所属するライバーでも、以下のような場合には確定申告が必要になることがあります。

  • 副業や他の収益がある場合
    事務所以外で個人案件を受けたり、別のプラットフォームで収益を得たりする場合、年間で副業収入が20万円以上あると申告が必要です。

  • 源泉徴収がされていない場合
    一部の事務所では、収益に対して源泉徴収がされないことがあります。源泉徴収がされていない場合、年間で48万円を超えると申告が求められます。

  • 経費控除をしたい場合
    事務所が源泉徴収していても、経費がかかっている場合には、確定申告で経費を計上することにより納税額を軽減できます。経費申請を行いたい方は、自主的に確定申告を行うと良いでしょう。

なお、所属事務所との契約内容や収益の支払い方法により対応が異なるため、不安があれば税理士や事務所に確認することをおすすめします。


配信収益は「雑所得」か「事業所得」か?

ライバーの収益は「雑所得」または「事業所得」として申告することが一般的です。どちらに該当するかは、収入の安定性や活動の規模によって判断されます。

  • 雑所得:趣味または副業感覚で配信している場合や、収益が不定期である場合。

  • 事業所得:専業ライバーとして活動し、機材や衣装などに多額の費用を費やしている場合。

どちらの区分で申告するかは、収益の規模や活動内容を踏まえて慎重に判断しましょう。税理士に相談することで、最適な区分を見極められます。


経費として認められるものと認められないもの

経費として認められるもの

ライバーが申告時に経費として計上できるものには、配信活動に直接関わる支出が含まれます。経費計上をすることで、所得額を減らし納税額を軽減できます。

主な経費例

  • 撮影機材(PC、スマホ、ライト、スマホスタンドなど)

  • 衣装やメイク用品(ただし、ライブ配信用のものに限る)

  • 小道具やインテリアなど(ただし、ライブ配信用のものに限る)

  • ライブ配信に関する会議費・飲食費

  • 野外配信時の旅費交通費

  • ライブ配信に使用したゲーム機やソフト代、サブスク代

  • ライバー事務所へのマネジメント料

  • 税理士への報酬

  • リスナーへのプレゼント代

  • グッズ作成費用や在庫を置くトランクスペース代など

  • 他ライバーへの投げ銭代(視聴者獲得につなげるなど事業に関連するもの)

  • 電気、水道・光熱費、家賃、通信費など家事按分(ライバーの場合、配信時間で按分の計算?)

  • 喉を守るための加湿器や、のど飴など

  • 集客のための広告宣伝費や、ライブ配信スペースの会場費など

ライブ配信活動で発生する経費は様々なため、一見経費に該当するか悩む場合でも、領収書などは取っておくようにしましょう。また、日々の支出記録と領収書を合わせて保管しておくと、申告の際にスムーズに対応できます。

経費として認められないもの

確定申告で経費として認められない例もあります。これを誤って経費として計上すると、ペナルティを受けるリスクがあるため注意が必要です。

主な非経費例

  • 衣食住に関わる支出
    日常生活に必要な家賃や食費、光熱費などは基本的に経費として計上できません。ただし、配信用に特別に借りたスタジオの利用料や、配信用の特別な衣装代などは、明確な用途がある場合に限り経費として認められる可能性があります。

  • 個人的な美容・健康管理費
    ライバーとしての見た目を維持するために美容院やエステ、フィットネスジムの利用費を経費にしたいと考える人もいるかもしれませんが、これらは基本的に経費にはなりません。ただし、撮影や配信が目的の特定のメイクや衣装レンタル費は、経費として認められることがありますが、個人的な範囲にとどまるものは認められません。

  • プライベートな旅行や娯楽費
    イベントや出張先での宿泊費や交通費は事業関連であれば経費に計上できますが、家族旅行や個人的なレジャー目的の支出は経費として認められません。ライバー活動の一環としての出張や撮影目的の旅行であっても、観光を主目的とする場合は、経費として扱えないことが多いです。

  • 日常的な生活用品や家具の購入費
    生活用品や一般的なインテリア、家電製品などは基本的に経費とは見なされません。例えば、配信環境の改善のために購入したデスクや椅子でも、普段の生活でも使用する場合は経費として認められない可能性が高いです。ただし、完全に配信専用のスペースに設置しているものや、特別な配信用機材は条件によっては経費に含められることもあります。

経費に計上できるか迷う場合は、「本当に配信活動のために必要な支出か?」を意識し、専門家に確認しましょう。


確定申告の流れと必要な書類

確定申告は毎年2月16日から3月15日までに行います。必要な書類をそろえ、申告書を作成して提出することで、適切な納税ができます。

確定申告に必要な書類

  • 収益の証明(振込明細書やアプリの収益レポートなど)

  • 経費の領収書やレシート(パソコン購入費用、通信費など)

  • 確定申告書類(申告書AまたはB)


確定申告をしなかった場合のペナルティ

確定申告をしなかったり、遅れたりすると、以下のようなペナルティが課されることがあります。

  1. 無申告加算税
    確定申告の期限(通常は毎年3月15日)までに申告をしなかった場合、無申告加算税が課されます。無申告加算税は、納税額の最大20%に相当する追加課税です。期限内に申告していれば課されることのない税額を追加で支払う必要が生じるため、大きな負担となります。

    • 例:通常の納税額が50万円の場合、無申告加算税が10%かかると、5万円の追加納税が発生します。

  2. 延滞税
    確定申告をしなかった場合、納税期限を過ぎた分について「延滞税」が課されます。延滞税は日割りで計算され、申告が遅れた日数分だけ増えていきます。特に申告を数か月以上放置してしまうと、延滞税が積み重なり、多額の負担となることがあります。

    • 延滞税の割合は年利14.6%(年度によって変動あり)で計算されるため、長期間の延滞は負担が大きくなります。

  3. 重加算税
    申告漏れが悪質と判断された場合には「重加算税」が課されます。故意に収入を隠していたり、虚偽の申告を行っていた場合、納税額の35%~40%が追加で課税されることもあります。悪質な申告漏れは、ライバーとしての信頼も損なうリスクがあるため注意が必要です。

  4. 過少申告加算税
    申告をしていても、実際の収入より少ない額を申告していた場合には「過少申告加算税」がかかります。これは、申告後に税務署の調査で収入の不足が発覚した場合に課されるもので、修正申告が必要になります。納税額の10%が過少申告加算税として上乗せされるため、早期に適正な申告を行うことが重要です。

確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税などの追加の税負担が増えるだけでなく、ライバー活動における信頼を損なう恐れもあります。確定申告は、正確な収入と経費を報告することで、ライバーとしての健全な活動を支える基盤です。ペナルティを避けるためにも、収益が発生している場合は必ず期限内に申告を行いましょう!


まとめ:確定申告はライバー活動の一環と考えよう

ライバーとして収益を得るなら、確定申告を適切に行うことは義務であり、リスク管理にもつながります。特に、収益が増えてきた場合や副業収入が20万円を超える場合は、確定申告を避けて通れません。確定申告は難しいと感じる方もいるかもしれませんが、今ではアプリから確定申告ができるサービスも登場しており、想像よりも手軽にできます。

ただし、確定申告を漏れなく行うためには、日頃から収支管理を行い、経費を把握しておくことが大切です。手続き期限直前になって焦らないよう、余裕を持った対応を心がけてください。また、一人で判断するのではなく、必要に応じて税理士や税務署の方に相談し、正しい手続きで適正な納税を行いましょう!


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