体験的直観
「何か、ヤバいと思った。スマホが普及し始めて… これはちょっとやり過ぎですよ、と感じた。
これは素晴らしい、世界に発信ができる! それはインターネットがパソコンでしか出来なかった頃の感慨。
それが歩きながら、電車に揺られながら、職場で学校で、どこでも出来る!── キケン、キケン! ほとんど本能的に感得された…
スマホがないと生きづらい世の中になった… それでも持とうとは思わない。
「自分にわからないのは、X?… SNSというのが何なのかもおぼろげだ… 自己発信というやつだ。自己?…『今何してます』… そんなことを、なぜ発信… そしてイイネ!だか何だかをもらい、せんずりこいてわけのわからぬ相互フォローをし… 何なんだ?
「一億総白痴化どころじゃない、一億総テレビ化、コマーシャル化、広告化だ… 一匹一匹が商品! 『ワタシ・ワタシ・ワタシ』! ワタシを見て! イイネくださーい! 評価してちょうだい! まるで豚の群れだ… 豚は肉にもなる! この群れは肉にもなれない… 数だけを集めたい数だけお化け!
いいねを貰わにゃ満足できない、それだけのために、発信発信! 何だっていいんだ、自分が注目されりゃ… 何という卑しさ!
「みんながそうしてるんだもーん! それがお前のバックボーンか。笑止! ポチッ♡がお前を立たせているのかい? お前がポチだよ… お手! おすわり! いいね稼ぎ、数集めのためにゃ何だってする… 芸達者な従順なだけの犬だ… それが自己だと? 恥を知る頭、脳も焼かれたか?」
──「いいね稼ぎの乞食どもへ」
R・F・フィルディナン
「もしもし、先生! ダメですよこんなこと書いちゃ! まだセリーヌの影響受けてるんですか? また読者を失くしますよ… もういなくなってる? ああ、それならいいですけど… 」