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松子のフィンランド旅行記DAY3_素直な心だけがあればいい

8.3

☀️
ホテルに日本人が1人もおらず小心者の私はなんとも肩身が狭い。1人でチョロチョロ動けるようになったがママの背中に隠れる。この日のシナモンロールはブルーベリージャムが生地に練り込まれていて最高だった。口の中でフィンランドが建国された。

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ナーンタリスパホテルの敷地が広く、中に湖まである。散歩に最適だ。調子に乗って走る。

これでホテルの敷地だおっかねえ、、


来ったぞきたぞアラレちゃん〜♪キィーンキンキンキンキンテケテケテテってーん♪
小型船の停泊所もあり「いいね裕次郎だね〜結婚相手はやっぱり船持ってる人だよね」とくだらない話をする。私はこの裕次郎話がかなり気にいってしまいこの後フィンランドで船を見る度、「僕の船で葉山に行かない?」と裕次郎のイメージモノマネ(裕次郎を知らないのだ)をかましていた。
絵画の中にいるんじゃないかというくらいの自然豊かな風景を堪能しながら部屋に戻ろうとしたらママがずっこけた。しんじゃうじゃないかというくらいの(大袈裟)出血量だった。痛そう。先が思いやられた。

絵画🖼️みたいじゃなかとですか!(ずっこける10分前)

ムーミンワールドへ

🌿🫧
ナーンタリスパホテルからムーミンワールドまで歩いて15分くらいだろうか。お日柄も良く、この道がとにかく最高だった。幼い頃児童書で夢みた世界観だ。赤い実のなる木々が植わっていて、どっちに進んでも素敵な冒険が待っていそうなY字路があって、湖には小島が浮かんでいて真っ青な空と浮かぶ雲を映し出している。


どうぞ消しゴムマジックでこの白いリボンつけたやつ消しちゃってください

緩やかな坂道も海外舞台のジブリに出てきそうな雰囲気で、もう道すがらムーミン谷だ。(ジブリじゃないな、矛盾)。


もしこんな場所が我が家の近くにできてくれたら、私は二度とジジと喋れなくなっても構わない。 

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ムーミンワールド。とにかくとにかく最高だった。どうせ今年中にもう1回行くだろうが、この時は本気でこう思った。もう行かねえぞ、飯能。ムーミンワールドのすごいとこ。まず、至る所にキャラクターがいる。入り口付近にはエンマがいて気分を盛り上げてくれる。エンマなんて、良デートスポットと嗅ぎつけてやってきた似非ムーミンファンカップルは知らないだろう。ここにはエンマも署長さんもフィリヨンカ夫人もトフスランとヴィフスランもいるのだ。トフスランたちを知らずしてムーミンを語るな!(過激派)
とにかく、ムーミンファンにはたまらない。しかも生身の人間にしろ着ぐるみさんにしろ野放しにされているのだ。「はーいムーミンこっちよ〜」とか「じゃあお姉さんたちはそこに立ってください」とか言うはがし担当のお姉さんはいない。好きなだけ触れ合えるのだ。手始めに署長と写真を撮った。女署長だ。原作は男だが可愛いので気にしない。肩を抱いてくれた。続いてスナフキン。少しぽちゃっとしているが、スナフキンの格好をしているだけで男性はカッコよく見える(当社調べ)。デレデレしながら写真を撮ってもらった。さすがスナフキンはスキンシップが少ない。腕を少し近づけて身体を寄せてくれた。シャイな感じが最高だった。ムーミンパパにはサインだけもらってお次はムーミン。ムーミンは絶対私のことが好きだ。ラブアピールがすごかったのだ。ハグに始まり、ハートマーク作ろうと提案され🫶、投げキッスまでされた。

ど近視ムーミン

明らかな神対応。ムーミン、私のことそんなに好きだったのね。私も大好き。相思相愛の4文字がパッと浮かんだ。フローレンも思い切り抱きついてきてくれた。彼女公認ってことでよろしいかしら。フローレンはペン先を逆に持ってサインを書き始める天然さんだった。彼女がなんというか、1番テンションが高かった。ミイは淡々と仕事をこなしている感じで、スノークはシャイで可愛かった。スニフもハグをしてくれたが着ぐるみの作り上1番人間を感じた。あたたかった。ムーミンママは2ショット写真を撮っている間ずっと背中をさすってくれていた。ママ、私の心の傷が見えたの?優しい大好き。そしてムーミン屋敷。これがまた凄い。飯能は縦長でパッと見原作に近いが中は「こんな部屋あったか?」という感じが強い。しかも流れ作業でムーミン屋敷見学ツアーのような様相なので「こんな部屋あったかあ?」とゆっくり観察する時間もない。しかしこのフィンランドのムーミン屋敷。

ぼてっとムーミン屋敷


見た目はボテッとしていて格好はつかないが中がとにかくアニメに忠実なのだ。そして出入り自由!なにしてもOK!たとえばダイニングで椅子に腰掛けママ特性のブルーベリーパイに齧り付いてもいい、パパのチェアでムーミン谷新聞を読み込んでもいい、フローレンスの部屋で鏡の前でうっとりしてもいいムーミンの部屋で勝手にベッドによっこらせしてもいい、箪笥の中を除いたっていいのだ。


見学じゃない。私も生活しているのだ、ムーミン屋敷で。私も一緒に生きていいのだ、ムーミン一家と。こんなにワクワクするなんて。こんなに楽しい温かい気分に浸れるなんて。ムーミン屋敷だけではない。ヘムレンさんのお家も出入り自由だった。ヘムレンさんの収集した植物やら切手コレクションをヘムレンさんの書斎で眺められる。ヘムレンさんに「松子や、新種を見つけたよ、見においで」と言われてきたみたいだ。すごい、すごいよヘムレンさん!!ヘムレンさんの寝室もアニメ通りだった。

どぎついヘムレンさんの寝室

ヘムレンさんがいい夢を見て新種の花を見つけられるようにムーミンたちがデザインした寝室だった。ヘムレンさんはそのプレッシャーで不調に陥ってしまうのだが。それでもようやく新種をみつけたヘムレンさんにムーミンは「僕信じてたんだ!」と大喜びする。信じてる。プレッシャーをかけているのではない、大好きな人を純粋に信じてるだけだから、気負うことはない。受験生時代に泣きながら見た私的神回だ。私には誰も「気負うな」としか言ってくれなかった。「信じてるよ、大丈夫だよ」と言ってくれたのはムーミンだった。


ムーミンが金儲けを企んだおばけかぼちゃ、魔女のアリサ・クラリッサの家、龍のエドワードに、空飛ぶ船の制作工場。子供の頃も今だってその想像の豊かさに救わられる舞台が、目の前にあった。ムーミンはちっちゃな子供とダンスをしていて、トゥーティッキは編み物を教えていて、ショーに出演していないキャラクターは観客席で私たちと肩を組んで一緒にあーだこーだ言いながら見ていた。たくさんワクワクして、たくさんハグをした。夏しか行けないまさに「夢の世界」。遠ざかるムーミンワールドを背に白鳥さんの歌声が聴こえてくる。「素直な心だけがあればいい」。ムーミンと、素直な心にあってきた。

🍕
多幸感に包まれながらSスーパーマーケットによってスペアリブと飲みものにでかいケーキと消毒液(負傷したママ用)を買ってスパホテルに帰った。ルームサービスのピザも美味しく、私はサンという最高に美味しい缶サイダーを見つけた。このシリーズのマンゴー味が本当に好きだ。たくさん飲んで食べてムーミンたちからかきあつめたサインを眺めながらフィンランドの夏を味わった。22時になっても日は沈まない。ずっと「楽しい」が続いているようで、暗くならないから寂しくならなかった。明るくて眠れなくても構わなかった。でも眠たくなって、ショップで買ったムーミンママに抱きついて寝た。


21時半。

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