日本の教育費は安い!!!だけど・・・

 アメリカに「大学信頼感指数」というのがあるのをご存じだろうか?簡単に言えば大学に行って損はないと考える割合である。これが56%から37%に下落したのである。これを聞いてやはりそうかと思った。
何故ならば、学費が安いと言われている州立大学でも年間2万ドル。4-5年前の話だがMITの学費は理科系が年間7万ドル文科系が年間4万ドルであった。
アメリカにも進学率が高い私立高校はあって学費は高いが、公立高校から有名大学にもかなり進学しているので公立私立の差は大きいとは言えない。そして公立学校はタダなので学費の問題は大学だけである。
それでもMITの理科系に行った場合は、年間7万ドル*4年間*150円=4200万円がかかる。これを全部奨学金で賄った場合は就職する前から4200万円の借金を抱えることになる。
仮に高給の職にありついてもその後教育費を完済して生活をしていけるかはまさにギャンブルと言えるだろう。
 イギリスに行くとまた別の話になる。イギリスの大学の学費は9000ポンド(162万円)と日本の私立大学と大差はないが、高校の学費が高い。
イギリスでは有名大学に入るにはパブリックスクールに入らないと難しい。
無論公立高校もあり有名大学への進学は不可能ではない。鉄の女サッチャー首相は公立高校からオックスフォード大学に進学している。しかし、そのことが首相就任時に話題となるほどまれである。
パブリックスクールの学費は年間500万円以上かかると言われており、イギリスの中産階級はパブリックスクールに子供を通わせるために年収の半分以上を支払い残りで細々と暮らさねばならないと言われている。
さらに兄弟が多い場合は全員を行かせられないので兄弟の中から選抜してパブリックスクールに通わせるケースも多いようだ。
 そういった事情を考えると日本の事情は費用の上での機会均等はまだましな状況かもしれないが、ここで教育そのものを考える必要があるのではないだろうか?
 北海道にパインランドデーリィという酪農の会社がある。社長は酪農学園大学の卒業で北洋銀行に勤務の後実家の100頭の牧場を継いだのだが当時の酪農が生産性があまりに低いので、生産性を上げるべく世界中から資料を集め少しづつ合理化を進め現在は2000頭の北海道最大の牧場兼乳製品の生産会社になっている。
 教育とはこのような人間を育てることではないだろうか?
そして、果たして今の日本の大学はこういった人間を育てているのだろうか?




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