【閲覧注意!】カルト集団 ヘブンズ・ゲート
恐ろしい事件発生!
1997年3月下旬、カリフォルニア州サンディエゴ郡北西部の高級住宅地、ランチョ・サンタフェの豪邸内で、洗脳され自分たちを幸福であると信じ込んだ純真な人たちと一人の狂った指導者合わせて39人が、集団自殺をはかったキュイ。
このアメリカ史上最大規模の集団自殺は、地元コミュニティーはもとよりアメリカ社会を震撼させたキュイ。事件発生時点では、集団の実態について当局もマスコミもほとんど把握していなかったキュイ。数日後に判明したのは、彼らが実は70年代から活動していたUFO教団で、一時はテレビドラマになるほどメディアにも知られていたという事実であったキュイ。しかも社会学者による長期間の参与観察が行われていたというキュイ。
最初に警察官が現場に立ち入ったのは3月26日。第一発見者の911通報により駆けつけたキュイ。
通報者は、約6週間前にこの教団を脱退した男性信者であり「教団から、手紙とビデオが送られてきた。手紙に書かれている住所へ行ったら、遺体を発見した」と証言してるキュイ。
到着した警察は、まずは毒ガスを疑ったそうキュイ。彼らは腐敗がすすんでいて、臭気があまりに強烈だったんだキュイ。そして、きれいに掃除された広々とした家の中に点々と置かれたマットレスやベッドの上に横たわる39人の遺体を発見したキュイ。邸宅内には物がほとんどなく、所々に宇宙人の絵が蝋燭と共に飾られていたそうキュイ。
検死の結果、18人の男と2人の女は、フェノバルビタール(長時間型睡眠剤)をプディングかアップルソースにまぜて、ウォッカで飲みくだしていたキュイ。全員、頭からビニール袋をしっかり被り、睡眠中に窒息死するようにしていたキュイ。争った形跡や外傷は一切なかったキュイ。
死装束は黒いシャツと黒のスウェットパンツ、新品のDecade(NIKEの黒の運動靴)というお揃いの格好で、最後に亡くなったと思われる2人の女性以外は、紫色の布が顔と上半身にかけられていたキュイ。腕には“ヘヴンズ・ゲート上陸班”の名が記されたアームバンドをつけてたキュイ。また、指導者と7人の信者は、去勢手術を受けていた※キュイ。
この事件を受けて、NIKEの「Decade」は生産中止になったキュイ。
どうやら、メンバーは複数のグループに分かれていて、3月22日~26日にかけて決められた順番通りに自殺し、次のグループが前のグループの後始末をするという段取りが決められていたようキュイ。なので、最後の女性2人は紫の布がかけられていなかったキュイ。
この死の儀式でもっとも不思議なのは、きちんと荷づくりしたトランクが一人ひとりのわきに置かれ、全員のポケットに5ドル紙幣といくつかの25セント硬貨が入っていたことキュイ。
お金は何に使おうとしたんだキュイ?
(マーク・トウェインの小説に描かれている、宇宙を旅するために必要な交通費を参考にしたものと考えられている)
カバンを携えて旅立てると思っていたのキュイ?
事件現場は、プールとテニスコート付きの、だだっ広いスペイン風別荘。ここで彼らは共同生活をしていたキュイ。家賃は、月7,000ドル。かなりの額だが、教団が設立したハイヤー・ソースというウェブサイト構築会社への顧客からの報酬で、教団の運営は賄われてたキュイ。
事件後、忌まわしい記憶の残る邸宅は、地元の開発者であるウィリアムストロングにより格安で購入されて取り壊されたキュイ。現在は新しい家が建ち、この地域の住民は通りの名前を変更したため、カルト活動の名残はもうないキュイ。
この、恐ろしい事件を引き起こした張本人はだれキュイ?なぜ彼らは、集団で自殺をすることになったんだキュイ?
イカれたオカルト教祖さま
集団自殺をしたのは、“ヘヴンズ・ゲート(天国の門)”と呼ばれるカルト集団だったキュイ。教祖はマーシャル・ハーフ・アップルホワイトと彼の精神的な同志、ボニー・ルー・トラウズデール・ネットルズの2人キュイ。この2人が辿ったのは、まさに質の悪いSF小説そのものだったキュイ。
(教団の名称は何度も変わり、ギニーピッグ→HIM 〈人間の個人的な変態〉→TOA(無名の完全勝利者〉を経て、ヘヴンズ・ゲートに落ち着くキュイ)
1972年、アップルホワイトの人生を運命的に変えたのは、この病院での担当看護師ネットルズだったキュイ。彼女は44歳、彼は40歳だったキュイ。(アップルホワイトは、病院に彼の友人を訪ねたときにネットルズに会ったという情報源もある。ネットルズの娘は「2人は演劇学校で出会った」と言ってもおり、初対面がいつなのかは実際は不明だキュイ)
2人はすぐに、精神医学者が“2人の狂気”と呼ぶ強い絆で結ばれていくキュイ。その狂気は、2人の神経症患者が一緒に生活し、互いの妄想を増幅し合う場合に生じるものだキュイ。彼らはお互いを〝The Two“と呼び始めるキュイ。
アップルホワイトは「彼女はソウルメイトであり、前世でも知り合いだった」と言い、ネットルズは「自分たちが出会ったのは地球外生命体によって予言されていた。あなたには神から職位が与えられている。」と彼に主張したキュイ。
2人は、自分たちはより高次の世界からやって来た宇宙人であり、地上の前世では互いに知り合いであったと信じ込んでいくキュイ。
神秘主義について延々と語り合い、自分たちは神の遣わした使者であると結論付けたキュイ。
程なくして彼らは、共に生活し始めるキュイ。同棲していたものの、そこに性的関係はなかったキュイ。このプラトニックな関係による深い愛はアップルホワイトが長年望んでいたもので、それは彼を満たすことになったキュイ。ネットルズの方は、アップルホワイトと親密になったことから、離婚することになり子供の親権を失ったキュイ。
伝道活動開始
間もなく2人は、「世界の破滅からできるだけ多くの人を救え」という神の命に鼓舞されて、伝道活動に乗り出すキュイ。活動は、ヒューストンでオカルト専門の書店を開くことから始まったキュイ。名前は「ザ・クリスチャン・アーツ・センター 」。様々な精神的背景から選ばれた本が陳列されたキュイ。更に、「ノー・プレイス」として知られる神秘主義や神智学を教える教室を開くが、ともに失敗。短期間で廃業したキュイ。
1973年2月、彼らは自分たちの思想を広めるため、アメリカ南西部から西部へ霊的な旅に出ることにしたキュイ。少額の金銭しか持っていなかったため、必要な支払いのために、時折血を売ったり、短期労働に従事したキュイ。食事はロールパンだけだったり、しばしば野宿するなどお金は苦しかったキュイよ。時には宿泊費を踏み倒したりもしたらしいキュイ∑(゚Д゚)
この旅の間、2人はフランチェスコの創設者として知られるカトリック修道士の“アッシジのフランチェスコ”の生涯について熟考し、神智学や反精神医学を含む様々な作者の著作を読んだキュイ(アップルホワイトはSF作品も多数読んでいたキュイ)。特に、キリスト論や禁欲主義、キリスト教終末論に関する教えに注力していたキュイ。
こうして2人は、神智学とキリスト教終末思想とニューエイジ運動にSFの要素を取り込んだ奇怪な宗教をつくりあげていくキュイ。
彼らの教えをより多くの人々に届けるのが旅の目的ではあったが、信者の獲得は難しかったキュイ。1年以上の道のりを経て、彼らはテキサス州ヒューストンに戻ったが、途中で獲得できた信者は1人もいなかったキュイ。ヒューストンにいた彼らの友人の一人、シャロン・モーガンは、彼らと文通しており、教えを受け入れることに同意してくれたキュイ。1974年5月、2人はその友人を訪ね、彼女は最初の信者になったキュイ。なお、教祖さまたちは、時々彼女のクレジットカードを使用していて、彼女の夫は最終的にクレジットカード詐欺として警察に通報してるキュイ(起訴は取り下げられたが)。
1974年6月までには、2人の信条は必要最小限の概要に固まったキュイ。
彼らは自分たちを、ヨハネ黙示録第11章に出てくる ”二人の証人“であると信じていたキュイ。「自分たちは、人類崩壊の危機を世界に警告するために特別な使命をもって地球に送り込まれた」と。
聖書が“雲”と呼んだのは宇宙船だというんだキュイ。ヨハネ黙示録第11章に預言された "明示" はかならず実現されるとし、2人はいったん殺されたあと復活し、宇宙船で天の国へ行くんだってキュイ。
神は人間性を高めるために、教祖さまたちの前に魂を既に5回地球へ送っていると説いたキュイ。それらの魂とは、次の通りだキュイ。(1) アダム、(2) エノク、(3) モーゼ、(4) エリヤ、(5) イエス。
彼らのパンフレットには、テキサス人としてのイエスの生まれ変わりが、アップルホワイトであると、ぼかされながらも言及されているキュイ。
また、ネットルズは娘への手紙でこう書いてるキュイ。
「私は、私たち2人がイエスであると言っているのではありません。……2人は、もちろんイエスのように立派ではありませんが、大切さではほとんどイエスと同じくらいなのです。……いいですか、私たちはこの世に生まれる以前から、この使命を託されていることを知っていました。……それは聖書の黙示録の中に書かれているのです」。
何度も神が魂を送り込んだのに地球上の人間が堕落した背後には、”天の王国“から脱落した”ルシファー“教徒の策略があり、人間を高次元のレベルに覚醒させないように、現代の宗教倫理をつくりあげたためだそうキュイ。
彼らは、「自分たちは将来殺され、人生を復興させる」言い換えると、「宇宙船にテレポートする」と信じていたキュイ。“天の王国”は広大な宇宙そのものであり、宇宙人は王国の使いだからだキュイ。時折教会や別の霊的グループを訪れてはその教義を語ったが、この考えはほとんど受け入れられることはなく、2人を狼狽させたキュイ。
最初のUFO現れず・・・
1975年、アップルホワイトは、ミズーリ州で借りたレンタカーを返却しなかったことから逮捕され、6か月間の服役に処されるキュイ(金がらみの問題起こしすぎキュイ💢)。この服役中に彼は神学を更に発展させ、刑務所から信念の声明を出したりしたキュイ。
アップルホワイトの釈放後、教祖さまたちはカリフォルニア州とオレゴン州へ布教の旅に出るキュイ。1975年9月にはオレゴン州ウォールドポートの海辺の村人20人に、昔の生活を捨てて自分たちに従うように説得したキュイ。この旅で、遂に彼らの思想に賛同する信者を増やすことが出来たキュイ。最初のころの入信者は、主として、ほかのカルトに幻滅したあげく何を信じ何をなすべきかを知りたいと切実に願っていた若いヒッピーや浮浪者、ニューエイジ主義者だったキュイ。
初期の集会(大学キャンパスで開かれることが多かった)に参加したことのある人の証言によると、この2人の説教はなかなか説得力があったらしいキュイ。教祖さまたちは信者に対し、新しい体を与える地球外生命体がやって来ると説いていたキュイ。その宇宙船に乗り込み、そこで新たな体に作り替えられると。
1975年のある日、教祖さまたちは信者約20人をコロラド州東部に連れて行ったキュイ。
“上のレベル”へ運ばれるため、そこで空飛ぶ円盤に乗り込む予定なんだキュイ。上のレベルとは、偉大な“エネルギー神”が支配する目に見えない世界のことキュイよ。
宇宙船には“身体もろとも”テレポートすると説いており、プロテスタントのファンダメンタリストがいうように“天国へ召される ”のではないんだキュイ(伝統的教義はルシファーが作ったと信じていたので、それに代わる説を説いたキュイ)。
しかし、一晩中待っても宇宙船は出現しなかったキュイ(-。-;)痛い一撃を受けた教祖さまたちは、その後の17年間“その日”をはっきり予言することをさし控えるキュイww
アップルホワイトはこの件について1976年『ニューヨーク・タイムズ』の記者にこう語っているキュイ。
「そういう機会は、ひと雨でオクラホマ中の赤土がきれいに洗い流されてしまうのと同じくらい、めったにないことなのだ」。
もっとも、そのインタビューのせいで、彼はヒューストンのマルコ聖公会コーラス隊の指揮者の職を解任されたキュイ。
メディア露出で本格カルト集団に!
そのころには、彼らはあちこちを放浪して歩く約50人の集団になっていて、野外でキャンプするか、モーテルに泊まったりしていたキュイ。数年間、 ワイオミング州ララミー近くのキャンプ場で暮らしていたこともあるキュイ。資金は、金持ちの入信者からの寄付や臨時雇いの仕事、ときに物乞いによってまかなわれたキュイ。
1970年代後半、彼らはメディアの注目を集めるようになるキュイ。一般の知名度は低かったが、UFOサークルなどでは名が知られ、SF・オカルト好きな若者を中心に人気を集めるようになったキュイ。そして、本格的なカルト教団に成長していくキュイ。
初期の頃は、心身共に宇宙船にテレポートすると説いていて、教義的にも自殺は禁止していたが、後には霊魂の救済が問題であるかのように語られてくるキュイ。
2人の教祖さまは全米各地で演説を開始し、
「聖母マリアは処女でイエスを身籠ったわけではない。実はUFOによって地球外に連れ出され、妊娠させられて地球に戻って来たのだ」
「肉体は魂が運転する車に過ぎない。修行を積めば魂は次のレベルへ、地球を出て我々がやって来た場所に、天国へ行けるようになるのだ」と独自の説を展開。1度の公演で500人以上が出席するまでになるキュイ。
信じられないことキュイが、『神秘な二人』というテレビ・シリーズまで企画されたキュイ。実際に1982年には、ジョン・フォーサイスとプリシラ・ポインターを“二人"として主演させたパイロット・ビデオが放映されてるキュイ。
メディアの話題にのぼることをアップルホワイトは嫌い、水面下で活動することを決定するキュイ。80年代前半はほとんど外部への積極的な布教活動を行っておらず、BBCがドキュメンタリー番組の為に教団に接触しようとしたが、修行の妨げになるとして取材を断られてるキュイ。
教団の教義によれば、人間はより高次元の意識に進化しなければならないものであり、地球はいわば修行の場だキュイ。一部の選ばれた人間は”次のレベル“への帰還を願うようになるが、そのためには人間関係や感情といった人間的な未熟な部分を克服し、霊的成長しなければならないキュイ。魂の救済は、一切の執着を捨て去る必要があるので、「親や兄弟、友人全ての連絡を絶つ」という厳しい規則を敷き、その教えについて来れる者だけを集めたキュイ。
信者たちの事は「クラスの者たち」と呼び、それぞれの信者に”ネクスト・レベルの子供“であることの証として「オディ」がついた新しい名前を与えたキュイ。
次のレベルへ向けての”卒業“の修行のため、信者たちには沢山の書籍を読ませ、プロセスと呼ばれるいくつもの命令を下していたキュイ。その命令をきちんとこなしているかどうかは、厳しく見張られたキュイ。祈りとともに午前3時に起き、食事は1日2度だけ。軍隊よりも規律正しく厳しい管理下の窮屈な生活だったが、信者は自分たちを〝修道僧"と呼び、皆喜んでこなしていたそうキュイ。教団は、好きなときに出ていってよいといつも言っていたが(実際、出ていった人もたくさんいる)、残った人たちは完全にマインド・コントロールされていたんだろうキュイ。物質的なものを捨て去り、全てのものを共有することで教団は強く連結していったキュイ。また、政府軍の攻撃に備え、銃も保管していたキュイ。
1979年8月27日号の『タイム』誌 は、「そのころ信者たちは、頭巾と手袋を着け、〝何千もある"規則に従い、熱心に聖書を研究し、月経のあいだは、お互いに書くことだけで意思を伝え合っている」と報じているキュイ。
教団の教義は、”卒業“、つまり次のレベルの宇宙人になるということなので、人間臭さを捨てるのを求められたキュイ。
宇宙人には性別はないとされており、メンバーは頭髪は短く刈り、男女がわからないようにだぶだぶの衣服を着て、顔と上半身は紫色の布できちんと覆っていたキュイ。化粧は禁じられており、性交渉も人間臭い行為だとして禁止したキュイ。
魂の入れ物である体は、定期的にメンテナンスが必要とされ、“マスター・クレンザー”という名の飲み物(レモンとカイエンペッパー、メイプルシロップを混ぜた物)による腸洗浄を行っていたキュイ。食事も様々な方法を試し、絶食することも多々あったキュイ。もちろん、アルコール・たばこ・マリファナはタブーだキュイ。
ネットルズの病死
ネットルズは肝臓がんの診断を受けた数年後の1983年に片目の摘出手術を受け、その2年後の1985年に宇宙船がまだ現れていないにもかかわらず、がんで死去したキュイ。
このネットルズの死が、教団の大きな転機となるキュイ。
アップルホワイトは彼女の死について、「彼女の内には地球に留まるには多すぎるエネルギーがあったため、肉体を捨ててネクスト・レベルに向けて旅立った」と、信者達に説明し、「彼女は天使の身体を手に入れ、後日、信者たちを迎えに来る」と説いたキュイ。
この説明は教団の教義に沿った内容だったので、多くの信者はこの時教団にとどまったものの、1組のカップルが脱退したキュイ。
ソウルメイトを失って深い抑うつ状態となったアップルホワイトを、信者たちは支え、大いに元気づけていたキュイ。
1人残った教祖さまは、「ネットルズは未だ自分とコミュニケーションをとっており、自分だけが彼女のメッセージを受け取る事が出来る」と主張し、信者たちと象徴的に結婚する儀式を執り行うようになったキュイ。これは団結を確実にする試みであり、信者たちはアップルホワイトを教祖というよりかは、メシア (救世主) として崇めるようになってくキュイ。
しかし一方で、入信から10〜15年経った古参信者の中には、教えに疑問を抱く者も出て来ていて、教団を去る者も現れたキュイ。
そんな信者に教祖さまは、「きっと、君はそうデザインされたのだね」と言って理解を示し、脱退を受け入れてきたキュイ。しかし、相次ぐ脱退者に焦りを感じるようになったアップルホワイトは、「次のレベルにいく時が早まった」と頻繁に口にするようになるキュイ。
新しい信者の獲得に苦労した教祖さまは教義を変更し、信者が普通の仕事を得てその稼ぎを寄付できるようにしたキュイ。その頃にはインターネットが普及し始めており、たまたまコンピューター知識の豊富な信者が多かったため、1990年代に入ってプログラミングの価値が高まると、ウェブサイト構築会社「ハイヤー・ソース」を立ち上げて多くの収益を手に入れたキュイ。そして、教団の資金はこれで賄えるようになったキュイ。
1993年教団は、一般大衆誌USA Todayに『UFOカルト、最終提供を持って再浮上』と題する一面広告を出すキュイ(UFOカルトは用語化されていて“UFO教”くらいの意味キュイ)。
この広告では霊と身体の分離、 世界の終末といったモチーフが明確になり、悪の存在が大きなものとなっているキュイ。聖書の父なる神とイエスは、それぞれネットルズとアップルホワイトの身体を借りて地球に出現したんだキュイ。 いまこそ、ハルマゲドンとルシファーの破滅後に来る新しい文明に入れ替わる時であると、再び終末論へ向かって傾斜していくキュイ。
一般向けの講演会も開始したキュイが、最終的にはそれほど信者数に変化はなかったようキュイ(教団は一番多い時でも200人を超えなかったと思われてるキュイ)。
やっと待望のUFOが来てくれる!
1996年に、教団はサンディエゴの事件現場に移り住むキュイ。この直後からアップルホワイトは「もうすぐ地球がリサイクルされる。その前に次のレベルに行かなければならない。これは最後のチャンスだ」と言うようになるキュイ。
そして教祖さまは、翌年4月1日に近日点を通過するヘール・ボップ彗星に付随して宇宙船が到来するという流言を知ると、それこそが待ち望んでいた天空の上位者からのしるしだと断言するキュイ。
目前に迫る終末に対し備えをするよう、教団は集中的に信者勧誘を行うようになるキュイ。アップルホワイトのメッセージを広め、新メンバーを獲得するための教団サイトを開設し、それを見て入信する者も多数存在したキュイ。
1996年10月、教団は50人の信者一人ひとりに100万ドルの保険をかけたキュイ。掛け金は1000ドルだったキュイ。なんの保険かというと、“宇宙人による攻撃・誘拐・妊娠”に対する保険キュイ👽これで準備は万端キュイ!
(この保険は、宇宙人とUFOの実在を信じる人たちが世界的に増えてきたのでロンドンのある保険会社が売り出したものだったキュイ。約4000人のイギリス人やアメリカ人などが保険証券を買っていたが、彼らの集団自殺後、この保険会社は、宇宙人に対する保険の廃止を決めてるキュイ。)
さよならビデオ
自殺した信者たちは、最期のさよならビデオを録っていて、「この日の為に皆頑張ってきた。とても嬉しい」「アップルホワイトの導きがあるから安心して次のレベルへいける」「我々は死ぬのではなく元の場所に帰るだけ」と、穏やかな表情で嬉しそうに語っているキュイ。そこに映っている、ほほえみを浮かべた幸せいっぱいの表情から、信者たちが肉体という〝乗りもの"から自由になり、破滅の運命にある惑星から逃れることをいかに楽しみに待っているかが伝わってきて、なんとも切ない気持ちになるキュイ。
「われわれは、よろこんで"この世界"を去り、Ti(ネットルズの呼称)の仲間の乗組員と共に行く準備ができている」と彼らはウェブサイトに書いてもいるキュイ。
その信じられないようなビデオテープが証明しているように、彼らは自分たちの行為に対して揺るぎない信念を抱いていたキュイ。でもそれは、マインドコントロールされた結果だと思うと、とてもやり切れないキュイ。「信者たちは、それぞれの自由意志で自殺したのだ」と言われても、遺族にとっては「アップルホワイト1人の自殺に、38人の信者が巻き込まれた」「洗脳され強制的に自殺させられた」ようなものだろうキュイ。
事件の数日前 、3月19日に収録されたアップルホワイトの最後のビデオ『Do's Final Exit』では、「時が来た」と繰り返し地球の終末が説かれている。彼は、自分は癌で死にかけていると言っていたが、検死では癌どころか命にかかわるような病気の徴候はまったく見つからなかったキュイ。目を見開き、何かにとりつかれた表情は、病気ではなく狂気をあらわしているキュイ。
アップルホワイトと38人の信者は、教団近所のレストランで最後の食事を摂ったキュイ。
この時の様子を店のウェイターは、「みんな同じ服を着て皆同じ物を食べていた。サラダ、ターキーパイ、チーズケーキにアイスティーとありきたりなメニューだった」「とても礼儀正しく、皆ニコニコしていた。とても集団自殺をするようには思えなかった」と証言しているキュイ。
事件が残したもの
1997年4月初旬、AP通信はやりきれない話をニュースに流したキュイ。
この事件のあと、それをまねた自殺や自殺未遂事件がいくつか起こってるキュイ。
(集団自殺の人数には入っていないが、この事件の数日前にも3人が自殺しているキュイ)
集団自殺事件があったにもかかわらず、始末に負えない残党の活動は続いているキュイ。
1997年7月、シカゴのイリノイ大学の教室で、 ヘヴンズ・ゲートの熱心な信者5人が演説したキュイ。彼らは2時間にわたり、教わった教義を語り続け、40人ほどの学生聴衆を退屈させたキュイ。
新約聖書の教義とニューエイジ主義者のナンセンスな考えとがまざり合ってできた教理(どれも似たり寄ったりキュイ)は、キリスト教のバックグラウンドをもつ転向者に呼びかける多くのカルト教団の母体となってるキュイ。
アメリカの主だったキリスト再臨論者(安息日再臨派、エホバの証人、モルモン教)の運動は、イエスの再臨がずっと延びのびになっているにもかかわらず、いまだ盛んだキュイ。キリスト再臨論の教義で、自殺をすすめているものはないが、孤独でだまされやすい人間の心を確実につかみそうな、怪しい小カルト教団による自殺は、もっとたくさんあるかもしれないキュイね。
日本においてもキリスト再臨論者は存在するし、コロナ禍で不安にかられ、孤独に過ごす人たちが多い現在、簡単にカルトに取り込まれる可能性が特に高くなってるキュイ。四六時中インターネットにアクセスでき、限られた空間でのフィルター・バブル効果に気づかないまま特定の思想に染められたとしても、ヘヴンズ・ゲートの信者のように自分の意志で決定していると勘違いしてしまうのは、誰にでもあり得ることなんだキュイ。
オウム真理教事件が日本でも実際あったということを、忘れてはならないキュイ!