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ゴッホが描いた月はいつの月?

《麦束のある月の出の風景》はヴァン・ゴッホの晩年の傑作キュイ🎨✨

「この絵を描いたのは一体いつだろう?」

「描かれた場所を実際に見に行って、月の位置を正確に測かれば、描いた月がいつのものか、計算出来るのでは?」

作品を見たテキサス州立大学の天文学者は、そう思ったキュイ

この絵は1889年の夏頃にフランスで描かれたことは既に知られてたので、月の満ち欠けの周期を考えると、描かれている満月は、5月16日か、7月13日のものになるキュイ🌕✨ 
さて,どっちキュイ?

絵に描かれた麦畑は、刈り入れが終わっていて、ところどころに黄色に光る麦わらが積みあげられているキュイ。よって、7月13日だキュイ!

では、何時頃の月キュイか?

「丘の形や赤い屋根の家の方向などから、正確な縮尺が求められたら、この月が地平線から上空に向かって、何度の角度に位置しているかが分かるはず。」

そう考え、研究チームはゴッホが晩年に滞在していた南フランスのサン=レミへと、この風景が描かれた地点を探し出す調査旅行へ出たキュイ。今から20年前の、2002年6月のことだキュイ。

研究チームは、この地方をくまなく歩き回り、作品が描かれた地点を突きとめることができたキュイ。驚くことに、麦畑とその後方に連なっている丘も、そして小さな赤い屋根の家も、100年以上経っても当時とまったく変わらない形のままで残っていたそうだキュイ。

一行は、様々なデータを収集し(ついでにフランスワインも堪能して)、帰国したキュイ🍷

そしてコンピュータ解析により、ついに時間が判明したキュイ!

ゴッホがこの絵を描いたのは、1889年7月13日21時8分だ!
(もちろん秒数も特定できたが、輪郭を描く時間を考慮してそこは省いたキュイ)

調査旅行に出てから1年後の6月、研究チームはこの結果を、天文学会と“美術界”に対して、発表したキュイ

研究責任者のドナルド・オルソンは、2003年6月13日の《ネイチャー》誌のなかで「我々が最初に天文学的な証明を行なった」と言って自画自賛だったが、美術史家からは、この結果に疑問の声が上がったキュイ

「従来、事実の観察に基づいてゴッホは制作を行ってきたが、この作品は、畑を描いた他の作品とは異なり、観察に基づいては描かれていない。エミール・ベルナールやポール・ゴーガンといった友人たちから刺激を受け、記憶や想像力を用いて描き出した作品である。」と言うのだキュイ

しかし、天文学者たちが計算によって求めたのは、ゴッホが“自分の見た風景”として、この作品を描いた時刻なのだから、あながち間違ってはいないと言えるキュイ

それに、芸術や文学の分野に、科学者が貢献できる可能性があると考えるのは、なかなかロマンチックだと思わないかキュイ?

2022年の7月の満月も13日の夜キュイ🌕✨
スーパームーンと言われる2022年で一番地球に近い満月なので、大きく見えるそうだキュイ

133年前にゴッホが描こうとした、月の神秘性や月光の深淵なる幻想性を感じながら、お月見するのはオツだキュイ〜❤️


出典『変な学術研究1』早川書房

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