ヘール•ボップ騒動
概要
1997年4月1日に近日点を通過するヘール•ボップ彗星が、徐々に地球に接近してきている1996年11月ごろ、ある噂が広まっていたキュイ。
ヘール・ボップ彗星を撮影した写真に、謎の物体が映っているというんだキュイ。
そして、カリフォルニア州ビバリーヒルズに本拠を置く霊能力研究センター「サイ・テック」の所長エド・デイムスが、ヘール•ボップ彗星の後についてくる巨大な宇宙船を遠隔視(時空を越えて遠隔地の事物を認識することができるという超能力の一種)によって発見したと発表するキュイ🛸
このデイムズの主張は、デイムスの弟子であるエモリー大学准教授のコートニー・ブラウン博士がアトランタに開設した「ファーサイト(遠隔視)研究所」にいる3人の霊能力者によって "確認"されたキュイ👀✨
その宇宙船は、結局地球に降り立つことはなかったキュイが、霊能者たちのこの主張は、「天国の門(ヘヴンズ・ゲート)教団」の恐ろしい集団自殺事件の決定的な役割を果たすことになったキュイ。
経緯と真実
噂の元になった写真は、アマチュア天文学者のチャック・シュラメックがインターネットに投稿したもので、彗星のあとに従う、地球より4倍も大きな、明るく輝く"土星のような物体〟が写っていたキュイ🪐
シュラメックはこの事を、”奇人・変人"とのインタビューを売りにしているアート・ベルが司会を務める深夜ラジオ番組に電話で売り込んだキュイ。これを受けて、ベルの頭にはとっぴなアイデアが浮かんだキュイ。
「ひょっとすると、これは巨大な宇宙船ではないだろうか......〔ってことにしよう〕(๑✧◡ ✧๑)」
このラジオ放送にデイムスはよく出演していて、人類を壊滅寸前に追いやる終末予言なんかを頻繁にしてたキュイ。ブラウンもその流れで、自著『コズミック・ヴォエージ』の宣伝などのためベルの番組に2度度出演したことがあるキュイ。この繋がりによって、それぞれがこの騒動に一枚噛むことになるキュイ。
ブラウン博士は、ファーサイト研究所の“頭がおかしいくらい優秀”な3人の霊能者とともに、その不思議な物体を遠隔視したキュイ。
霊能力者の一人は、その物体は「大きく、密度が高く、磁気を帯び、強力で、不気味で、遠心力をもつ」ように見えたと言ったキュイ。
第二の霊能力者は、その物体が周囲の気象を調節することによって動く宇宙船であることを見抜いたキュイ。
三人目はそれを追認したのち、その船を「硬く、なめらかで、丸い」と形容しているキュイ。
ブラウン博士がどう透視したのかは、こちらをご参照キュイ👇
彗星について来た宇宙船はヘール・ボップ・コンパニオンと呼ばれ、この話はベルのラジオ深夜放送で流れたキュイ。
しかし、1997年2月、彗星の発見者の一人であるアラン・ヘールがシュラメックの写真をよく調べてみると、宇宙船の正体は大気屈折によってゆがんで写った星「SAO141894」だったキュイ。
宇宙船の話は空想だったようだが、近日点間近の1997年の3月2日〜3月23日にフロリダ州で開催された第5回「ガルフ・ブリーズUFO年次大会」でブラウン博士は、「ヘールボップ彗星を最近遠隔視した結果によると、もはや宇宙船はそこにはいないことがわかった」と発表したキュイ。宇宙船は、太陽の背後のある地点へ移動してしまっていたそうキュイww
ブラウン博士は透視の失敗を認めず、1999年の自著『コズミック・エクスプローラーズ』でも語る語るキュイ。
「“ヘールボップ・コンパニオン"として知られた物体が、彗星の伴星でないことは明らかである。しかし、それが今どこにいるのか、私にはわからない。これまでの情報によれば、大きなドーム状建造物を備えたある政府関係施設が、その物体を監視、ないし追跡中である。施設の職員たちは、その地球外物体のことをよく知っているようだ。球形で、明るく輝いていて、金色なのだが…。その政府施設は、合衆国の北部か北西部の可能性が高いが、気候の厳しい寒冷な土地にあるようである。この条件にいちばんぴったりなのは、おそらくダコタ州かもしれない。この物体のモニタリング責任者である上級職員は、その存在理由をあれこれ思い悩み、すっかり参っている様子だった。…」
とかなんとか、以下省略キュイ!
エド•デイムスってどんな人?
※国防省諜報局遠隔透視部隊
冷戦時代、ソ連が超能力者を雇ってスパイ活動を行っている、という疑いを持つようになった米軍の上層部は超能力戦争の可能性を真剣に考え始めた。遠隔透視は偵察手段として米国陸軍で注視され、超能力スパイ養成作戦「スターゲート計画」へと発展。1972年、遠隔透視の研究を行っており、当時大きな研究成果をあげていたスタンフォード大学付属の研究機関SRIのインゴ•スワンに目をつけ、彼の指揮のもと陸軍などから派遣された情報将校や科学者が加わり、「国防省諜報局遠隔透視部隊」が結成された。エド•デイムスは、インゴ・スワンによって訓練された5人の遠隔透視能力者の一人。日本でも有名になったジョー・マクモニーグルも在籍していた。
ちなみにSRI はエセ超能力者のユリ・ゲラーを完全に信用しちゃうくらい実験管理体制が甘く、スワンがSRIで行った水星・木星透視実験においても実際の信憑性は薄いと言われている。そのため、スターゲート計画も科学的な正確性、客観性を欠き、厳密な実験管理がまったく行われていなかったので、信頼の置けるものではないと判断されたキュイ。税金の無駄遣いという声もあり、計画は1995年に「成果無し」で終結したキュイ。
🔳こぼれ話🔳
元々ソ連の超常現象研究は、“アメリカがテレパシー通信を成功させた”という誤った情報がもとで過熱したキュイ。アメリカに触発され超能力研究に勤しんだソ連だったが、実際にはいい加減な実験管理と、ごく少数のデータに基づいており、その成果は信憑性の薄いものだったキュイ。でもアメリカには、ソ連の研究は優秀な成績を収めていると伝わって、アメリカの超能力研究はますます活発になったんだキュイ。逸話的な誤情報が重なって、超能力開発合戦のボールは転がっていったキュイ。
デイムスは1990年代からメディアに現れ、遠隔透視をしている最中に見えたという未来の恐ろしい惨事について語り始めるキュイ。
時速300マイル(約480キロ)の暴風がアメリカを破壊するとか、地球に接近していたヘール・ボップ彗星には宇宙人によって植物性病原体の入った缶が取り付けられているとか、テロリストが生物兵器をばらまくであろうとなどと言い、お騒がせ予言で有名になったキュイ。彼は〝悪魔との心霊戦争に巻き込まれ“てもいるそうキュイww
デイムスの最近の遠隔視には、北朝鮮による日本への核攻撃というものがあるキュイ😨
彼は派手な予言でビビらせて、詳しい情報を得たいとワザと人に思わせるキュイ。そして、動揺した人を自社の遠隔視コースに勧誘するという、悪どい商売をしてるキュイ。だから、すでに彼の目はカネで曇っていて正確な遠隔視は出来ないハズだと信じたいキュイ。
なお、デイムズは、ブラウン博士の『宇宙の旅』執筆における助言者だったのに、続編の『コズミック・エキスプローラーズ』の中には一言も出てこないキュイ。2人はそれぞれの遠隔視研究所の長としてライバル同士なので、現在はあるいは仲たがいしてるのかもキュイ。
コートニー・ブラウンって何者?
経歴からわかるように、ブラウン博士はかなりのスピおたくキュイ。また、デイムスの弟子になる前から、進化した宇宙船で銀河系を放浪する宇宙人の組織“銀河連合”の熱烈な信者であり、なかなかのヤバい奴キュイ。
彼はいまでも、ニューメキシコ州に火星人が住んでいること、月に宇宙人の遺跡が存在すること、火星の石の〝顔”は火星文明の彫刻であることを信じてるキュイww
博士の著書『コズミック・ヴォエージ』にはSRVによって火星の人面岩やピラミッドの探査が行なわれ、火星人がグレイによって救われたことなど、驚愕すべき事実がたくさん書かれているキュイ。西暦2000年には、地球人がプレアデス星団へと移住し、普段着で星の上を歩き回っているとか(いつ移住したキュイよ?)、米国のSF番組『スタートレック』は、グレイがテレパシーで作らせたとか、エキサイティングな内容豊富なので、ぜひご一読をキュイ!
実は、SRVは“科学的”RVなどと自称しているけど、ブラウン博士が行っていた実験は、科学的でもなんでもなかった、と内部から暴露されてるキュイ。
暴露したのは、プルーデンス・C・キャラブリーズ女史。 ファーサイト研究所の副所長として、 ブラウン博士の片腕を務めていた人物キュイ。
キャラブリーズの告白によれば、ブラウン博士は、SRVの結果を分析する際に、自分が当たったと思ったものだけを選び出し、外れたものは捨てていたんだと。そのうえ博士は、それでいいとも思っていたらしいキュイ。
ブラウン博士の研究はデタラメだと思ったからか、彼女は現在は独立して、新たなるRV訓練企業「もっと大きな宇宙」 社を運営しているキュイ。
ちなみに、彼女はアブダクション(宇宙人による誘拐)の経験者で、自分の家のシャワー室にはしょっちゅう男のグレイが立っている、などと公言しちゃうお方キュイ。
それでもブラウン博士のうぬぼれと自己欺瞞は、とどまるところを知らないようキュイ。彼は初期の遠隔視によって、いったん宇宙人に関する途方もないSFの物語をでっちあげて以来、その後の遠隔視では、その結果を後追い確認しているだけだったキュイ。
ブラウン博士がこんな感じなので、エモリー大学は、彼が学部の一員であることを恥ずかしいと思っていただろうキュイ。しかし、終身在職権のために、彼をお払い箱にすることはできないキュイ。学生新聞『エモリー・ホイール 』の編集者は、〝大学の名声を傷つけている"として、ブラウンへの反対運動を起こしたキュイが、学長ウィリアム・チェースは、彼の“大学にふさわしくない活動"には賛成しないが、それらの研究を行う権利は認めると述べてるキュイ。権利はもちろんあるかもしれないが、ブラウン博士がエモリー大学の信用に与えた害ははかりしれないキュイ🥹
最近のブラウン博士のSRVによる重大発表は、インターネット上で予告をして、内容は秘密のままヒントを大量に与えほのめかし、発表を延期。さんざん焦らし期待させたのちに………アレ?………またか!みたいな感じキュイww気になる方は、HPからリンクするYouTubeやSNSを覗いてみるキュイ〜🔎✨
”天国の門(ヘヴンズ・ゲート)教団“への影響
1997年3月、カリフォルニア州ランチョ・サンタフェで、洗脳され、自分たちを幸福であると信じ込んだ純真な人たちと一人の狂った指導者合わせて39人が、集団自殺をはかったキュイ。
この事件は、アメリカ国民に大きなショックを与えるとともに、2種類の反応を引き起こすキュイ。一つは、カリスマ的な教祖が信者たちに対してふるう強大な影響力についての再認識であり、もう一つは、宇宙船神話がこの現代に、多くの人々の心をつかむほど巨大な妄想になっていることへの驚きだったキュイ。
このカルト集団の教祖はアップルホワイトとネットルズの2名。お互いを“Do“と”Ti“と呼んでいて、集団の目的は「人間よりもはるか高度に進化したレベルの慈悲深い”スーパービーイング(上位者)“たちが操縦する宇宙船にテレポートされ、天国の門へ連れていってもらうこと」だったキュイ。人間の肉体から船への乗り換えは、死により行われるキュイ。
彼らには、天空にしるしが出たら集団自殺をする計画が練られていたキュイ。ヘール•ボップ彗星のあとについてきた巨大な宇宙船こそ、そのしるしであると、Doは断定したキュイ。ブラウン博士たち霊能者の話を聞いて、宇宙船が地球に近づいてきていると信じ込んじゃったんだキュイ😂 同年3月23日の月食も、そのしるしへの確信を強めたのかもしれないキュイ。
Doが敬愛したTiは、1985年には癌で亡くなっていたけど、Tiとはテレパシーで連絡をとり合っていると、Doは言っていたキュイ。だから、たぶんTiにも聞いてしるしを確かめていたはずキュイ。彼らは最愛のTiもスーパービーイングであり、“へール•ボップ号”に乗っていると信じていたんだキュイ🛸
しかし、「宇宙船は太陽の背後へ移動してしまって、もはや彗星の後ろにはいない」という、ブラウン博士の最新の遠隔視の結果は、Doたちには届かなかったようキュイ。もし、Doが宇宙船にいたTiと連絡をとっていたら、宇宙船は移動してしまったことを聞けたはずなのにキュイ🥹
これ以上にひどい思いちがいってあるキュイ?深夜ラジオの与太話を真に受けて、集団自殺を実行するなんて…。無責任な予言が悲惨な事件を引き起こすということを、予言者たちは真剣に受け止める必要があるキュイ。
しかし、事件に責任を持つべきデイムスもブラウン博士も、あいかわらず予言パフォーマンスを行っているし、ベルもその後も番組を続けていたキュイ。そしてブラウン博士たちは、ベルの番組に出演したことについても、また、彼らの遠隔視が「天国の門」の集団自殺事件で果たした役割についても、口を固く閉ざしたままキュイ。
エセスピ•エセ医療•エセ科学などを世間に信じ込ませるのは、カルトの洗脳と違わないキュイ。直接的に被害を与えるだけでなく、間接的にも害になるということを、きちんと考えるべきだキュイ(๑•̀ㅂ•́)و💢