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強い米雇用統計でも金,銀は急上昇した理由は?1970年代スタグフレーションに近づいているのか?

1,米国雇用は強い数字

8月に80万人以上の雇用統計修正があったので、9月も大幅に下落するのではないか?このまま景気後退に陥るのではないか?という懸念が市場にはありました。

ただ、そのような市場の不安とは逆に9月の米雇用統計は予想よりもかなり強い数字が出ています。

9月米雇用統計
21:30発表
🇺🇸非農業部門雇用者数
結果:+25.4万人
予想:+14.0万人
前回:+14.2万人
🇺🇸失業率
結果:4.1%
予想:4.2%
前回:4.2%
🇺🇸平均時給(前月比)
結果:0.4%
予想:0.3%
前回:0.4%
平均時給(前年比)
結果:4.0%
予想:3.8%
前回:3.8%

https://x.com/Min_FX/status/1842180542684700674

予想よりもかなり強い数字で、この数字をそのまま受け取るのであれば、ソフトランディング達成に近づいているように見えます。

ただ米雇用統計は良い数値が発表された後に、悪い数値に修正されることが当たり前になって来ています。

経済は強い!と見せかけておいて、あとで悪い数値を修正して発表するのが常態化しているのです。

2023年の雇用統計は全て下方修正されてます。

先日話題になりましたが、23年4月ー24年3月の1年間の81.8万人の下方修正されています。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-21/SIKOLAT0G1KW00?srnd=cojp-v2

そして、今回の雇用統計に関しても、雇用統計のデータに反映されるサンプル企業のうち62%しか回答できてないので、正しい数値が出ていない可能性があるとしているエコノミストもいるようです。

9月の米国雇用統計は、下方修正される可能性があります。
パンセオン・マクロエコノミクスの英国担当チーフエコノミストであるサミュエル・トゥームズ氏は、「今日発表された254,000の雇用増加は、下方修正される可能性が高い」と述べています。
この数字は、8月の159,000からの増加で、予想の150,000を上回る結果となりました。トゥームズ氏は、「この急増は、雇用が引き締まっていることを示す多くの指標と逆行している」と指摘し、調査対象の企業の62%しか、予測のための回答を時間通りに提出していないことを指摘しました。
これは、昨年の68%からの減少です。彼は「特に小規模企業が回答の遅れが目立ち、大企業よりも雇用を削減していると考えています」と述べています。



もはや、米雇用統計の数値をそのまま信じている人はあまりいないですが、怪しいと思いつつも発表されたデータに従って、市場は動かざるを得ません。

10年債の金利を見ると急激に上昇してます。つまり、経済は強い(とFRBは見ている)ので、金利引下げ予想が後退しているということです。

雇用が強い=経済が強い→インフレ予想→金利引下げの予想後退→米国債金利上昇

市場の11月の金利予想は50 bpsの利下げが行われる可能性が雇用統計前は53%だったのが、雇用統計後は0% になっています。

https://x.com/Barchart/status/1842382380952437080

本来であれば、FRBが市場に合わせて金融政策を決定するのが自然ですが、市場が米国政府のデータに合わせ動かざるを得ません。

いくらデータが疑わしいと感じていても、そのデータを元にFRBは金融政策を決定します。

ただ、本来であれば金利の上昇は金や銀価格の下落要因になりますが、金利が急騰したにも関わらず、金や銀価格も一時急騰しています。

2,ドル高にも関わらず、金、銀価格は一時上昇

まずはDXYの数値ですが雇用統計発表後に急上昇しています。DXYとはドルの強さを表す指標です。

金利が上昇すれば、ドルの需要が高くなりドルも強くなる傾向があります。

急激に148.6円まで円安になっているのを見れば分かるとおりドル高です。

そして、ドルが強くなるということは相対的に金や銀などの資産は下落する傾向があります。

金や銀は利息を生まない資産であるため、利回りが高いドル建ての資産に投資する魅力が増し、金や銀への需要を減少するのです。

しかしながら、今回の場合は動きが違いました。雇用統計発表直後こそ下落しているものの、その後大きく反発。

反発後に下落しているものの、底値2636ドルから2653ドルまで回復しています。

そして、もっと面白いのが銀です。同じく雇用統計直後は下落しているものの…

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