今は1970年代のスタグフレーションに近い?金、銀が暴騰後に暴落した理由。
ご存知のように日銀の利上げ後株価下落したのに続き、米国雇用統計が予想より遥かに悪かったのが原因で米国株、日本株同時に大きく下落しました。
まずはここ最近の流れをおさらいしていきます。
1,今の状況をおさらい。景気後退の前触れ?
日本では株価が6%以上急落。2016年6月24日以来最大の下落となり、東証グロース250先物 ででは2回のサーキットブレーカーが発動されました。
サーキットブレーカーとは?
サーキットブレーカーとは、先物市場において、価格が短時間で急激に変動した場合に、取引を一時的に中断する仕組み。
2020年3月 コロナショックによりS&P 500指数が7%下落し、サーキットブレーカーが発動して取引が15分間停止されました。
これはあくまでも取引時間内であって、時間外取引では米国株下落もあり、更に下落してます。
ナスダック100指数は正式に調整領域に入り、現在、過去最高値から10%以上下落し、S& ;P 500の時価総額は7月16日以来3兆ドル減少しました。
https://Twitter.com/KobeissiLetter/status/1819397650602492064
下落幅が大きいですが、米国株も日本株もそれ以前の上昇が大きかったのもあって、現時点ではただの調整の可能性もあります。
とはいえ、雇用統計の数値が予想よりもかなり悪化しているのをみて、JPモルガンやシティグループはFRBが9月に50ベーシスポイント、11月に50ベーシスポイント、12月に25ベーシスポイントの利下げを行うと予測しています。
また、大手銀行だけでなく市場予測は9月0.5ポイント利下げの可能性が28.5%⇛58.5%雇用データ発表後に跳ね上がっています。
それだけにとどまらず、エコノミストの間では9月のFOMCを待たずして、緊急利下げが実施されるのでは?という予測も出ていたりします。
個人的には緊急利下げは今のところ無いと予想しています。
というのも7月31日にFOMCで利下げなしが決定しましたが、パウエル議長らはこれらの雇用統計データを全く知らないとは思えません。
今後の市場の下落を観測次第ではありえそうですが、現時点での下落ではまだ様子見するのではないでしょうか。
とはいえ、緊急利下げの可能性が全く無いわけでもないですし、いずれにしろ9月の利下げは決定的です。
そして、「現在のインフレと景気後退が1970年代のスタグフレーションに似ている状況である」と予測する方もいます。
これに関して私も以前から言い続けてますが同意見です。
2,1970年代のスタグフレーションに近い
まず現在の状況を整理するとインフレ率が9%まで急上昇したのをうけて、政策金利を5.25~5.5%を維持しています。
インフレ率は9%⇛3%台まで下落しましたが、3%から下には下落せず高止まりの状態が続いてます。
これは物価上昇率が下がってきているだけであって、物価が下がっているわけではありません。
あくまでも、物価上昇するペースが9%⇛3%に減速しているということです。
またインフレ率が下がってきているとはいえ、FEDのインフレ目標が2%ですのでまだこの数値には程遠いのが現状です。
(そもそもこの2%のインフレ目標に意味があるかはおいといて)
目標インフレまで下がっていないにも関わらず、遂に失業率が4.3%まで上昇し景気後退の入口が見え始めてしまったのが現況です。
1970年代もこれと似たような状況でした。以下は1970年当時の米国インフレ率(赤)政策金利(青)
※米国インフレ率(赤)政策金利(青)縦の灰色は景気後退期
インフレ上昇⇛政策金利上昇⇛インフレ低下⇛政策金利低下⇛インフレ再燃⇛政策金利上昇
を繰り返ししてますが、徐々に金利上昇してもインフレが収まらなくなってきています。
2024年現在はインフレ率が3%台で高止まりしているにも関わらず、
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