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サウナ小説 ~サウナ音頭~ 第2話 サウナは人生における句読点(両国湯屋 江戸遊)

久しぶりに両国の地に降り立った。目的は相撲観戦…ではなくサウナ。
両国湯屋 江戸遊
領域展開しそうな名前はさておき、私のお気に入りサウナの1つだ。
仕事が忙しく最近ご無沙汰だった。
今回は贅沢にも、平日昼からお邪魔させていただいた。

入口でふと気付いた。仕事がうまくいっていない時によく来ている気がする。
1年前の冬。恥ずかしながら、洗い場で涙が止まらなくなってしまったことがあったなあ。
そして今も似た状況に置かれている、が、それは後ほど…

受付でコースを聞かれる。3時間コースなんて前に来た時はなかったような…ただし今回はフリーで堪能させていただく。
階段を上がって右へ。のれんをくぐると、和風テイストで統一されたロッカールームが待ち構えている。
ここはいつも清潔感が段違いなんだよなあ。女性にもオススメのサウナだ。

さて早速大浴場へ。
まずは洗い場で全身を洗う。
この洗い場で泣いてしまった事を少しだけ思い出してみる。
(興味ない方は次の段落まで飛ばしてください…!)
当時、仕事の調子は良かった。何なら上からの評価が良く、優秀だと言われていた。
しかし、仕事の意義や目的、やりがいなどを全く感じられず、無駄な時間を過ごしている気になり悩んでいた。
さらに追い討ちをかけるように突然、上司と先輩がメンタルの問題で辞めた。とても信頼させていただいていたお二方。ショックだったなあ…
そういったものが積み重なった状態で江戸遊の温かいシャワーに触れた時、ダムが決壊したかのように涙が溢れた。シャワー浴びながら泣いていたので周囲の方には分からないはずだが、
あいつシャワー長くね?
とは思われていたかもですね!!
当時そんな状態ではあったのだが、サウナに入る事で心身ともにリセットでき、何とか立ち直ることができた。

そんなことを思い出していると体を清め終わった。
一旦ジェットバスへ。ちょうど良い温度のお湯がちょうど良い水圧で体をほぐしてくれる。
控えめにいって極楽…

十分体が温まったところで水分を拭きとり、フィンランドサウナへ。
ここのサウナは、とにかく身体の芯から温まる。温度は90〜95℃程度だが、蒸気がしっかりと身体を包み込んでくれる。最上段である3段目のベンチに腰をかけ、時が過ぎるのをじっくり待つ。
次第に汗が皮膚から噴き出してきた。
頬を伝い顎から、
肩を伝い指先から、
腿を伝い足先から、
汗が滴り落ちる。

8分ほどの熱を堪能した後は、サウナから出てすぐに右へターン。
桶シャワーで豪快に水を浴びる。さながら滝行のようだが、これが良い。
その後すぐ水風呂に浸って1分弱、身体の火照りを冷ましていく。気道が徐々に冷え始め、呼吸が涼しくなるのを感じた。水風呂から出る合図だ。

そのまま外気浴へ。和風の椅子にどかっと腰をかけ、眠るように休む。
すると、体中の細胞が活性化されつつもリラックスする、という不思議な感覚に襲われる。
一体最初にサウナを考えついた人は誰なんだろう。その子孫に課金したいな〜、なんて溶けかけの脳で考える。気づくとあっという間に10分ほど経っていた。

水分補給をしてすぐさま2セット目へ。
次は中温サウナ。75℃程度のサウナだが、ここにしかない雰囲気がある。
薄暗い照明、音のない空間、少し低めの天井。
冬山にひっそりと佇むログハウスのようだ。
部屋の奥はより天井が低くなっており、中温でもしっかりとした熱を体感できる。
ここで15分弱、じっくりと自分と向き合う。

さて、なぜ平日昼にサウナに来れているか。
答えは単純、現在休職中のためだ。
仕事が忙しすぎた。精神・体力ともに限界を迎え、適応障害なう、である。
色々と内省はしている。
とどのつまりコミュニケーションって難しい、というところに落ち着く。
もっと自分のことを大切にしなければ。
と同時にこれまでよくがんばった。
という事で、自然と江戸遊に足が向かっていた。
ここで再び心身共に回復を、という訳である。

中温サウナを15分ほど味わった後は、秒で水風呂からの秒で内気浴。眠ってしまいそうなほどに深くリラックスして休む、休む。ただただ…

3セット目は再びフィンランドサウナへと向かう。
時刻は15:43。計画通り…!(by新世界の神)
江戸遊のフィンランドサウナは毎時15,45分ごとにオートロウリュがあり、この勢いが凄まじい。
このオートロウリュに間に合うように扉を開けるとそこには、、、めっちゃ人がいた…!!
そんなことは知っていると言わんばかりの圧倒的鎮座…!ギリギリ1人分席が空いていたので、何とかお邪魔させていただいた。
程なくして、サウナストーンがライトアップ!
と同時に、大量のアロマ水がサウナストーンへ…!
次の瞬間には、生まれたての蒸気が全員の身体を襲っていた。最上段に座っていたがために、耐えられずに退出する人も。私は空いた最上段へと移動し、全身で蒸気を受け止めるように頂戴する。まさに3セット目に相応しい体感。至福の瞬間である。

そのまま9分ほど蒸されに蒸された後は、ノータイムで水風呂へ。(もちろんかけ湯はしてますよ!)
思ったよりも外が冷えていたので、今回は水風呂の時間をやや短めに調整する。

外気浴スペースでは、寝転び椅子が何と空いていた。
音速で体の水気を拭き取り、光速で椅子にかけ湯する。次の瞬間私は、溶け込むかのように椅子に背中を預け、今日一番の休息を謳歌した。
とりあえず明日を懸命に頑張ろう。そんな気持ちになった。

その後は 湯work という、コワーキングスペースに腰を落ち着けた。ここもお気に入りの場所だ。ホットコーヒー片手に当記事を執筆中である。サウナで心身をリセットさせた後にここでタスクに取り組む。何と素晴らしい時間だろうか。

3種の岩盤浴も看板の1つ。じっくりと時を過ごすにはぴったりの場所だ。
また、レストランも湯上がりにぴったりのメニューが揃っている。個人的には唐揚げカレーと天ざるうどんがオススメだ。
どちらも今回は行けなかったが、次こそは堪能させていただくと心に決めている。

熱い!冷たい!気持ちいい!というように、サウナはとにかく思考を 今 に集中させてくれる。
今 を懸命に生きさせてくれる。
だからこそ気持ちを 未来 に向かわせてくれるのではないか。そんな思考にぼんやりと耽りながら、私は湯workの席をを立つ。
とりあえず明日に向かってみるか。
そう思わせてくれた両国湯屋江戸遊。
人生という長編小説に句読点を打ちたくなった時、またお邪魔させていただきます。






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