拝啓 ○○保育所の職員の皆様(仮)
この手紙を読む前に
この手紙は私が勤めていた保育所宛てに送ることを仮定した手紙です。現在休職中であり、その期間がもうすぐ終了します。その前に自分の気持ちを職員に伝えるために書いたものであることをご理解ください。
拝啓 ○○保育所の職員の皆様
いかがお過ごしでしょうか。私は12月に体調を崩してから気分が良くないです。体調も崩したときよりマシにはなりましたが、元に戻すことができません。
ここに、私が〇〇保育所で勤務してから思うことを時系列に合わせて綴っていきます。
私は4月1日に配属されました。配属されてから感じていたことがあります。
「この仕事はもって10年だろうな」
そのように思った理由は分かりませんが、長続きはしないだろうと思っていました。勤務中も、「5年は続けよう」「3年は頑張れる」「1年はなんとかしよう」と考えを巡らせることがありました。
実際に勤務して、慣れないながらもできることをしていったつもりです。その多くが失敗に終わり、「またやってしまった…」と思う日々が続きました。その中でいろんなことを教えていただきました。身に付いたかと言われると分かりません。
体調に異変が起きたのは7月です。朝、起きるのが難しくなりました。8時になっても布団から出ることが難しくなりました。ですが、早番の出勤は苦痛ではなかったです。それでも、朝ご飯を食べて、出勤することが少しずつできなくなっていきました。8月からは朝ご飯を食べることができませんでした。1日の初めてのご飯が給食の毎日でした。帰ってからのご飯は「しっかりしたもの」を食べることも難しくなりました。
8月に頭痛が起きて休んだ時は、すぐ治さないと思いました。ちょっと無茶したので3日ほど休んでしまう結末になってしまいました。
「分からないことがあったら聞きに来てね」と多くの先生たちから言っていただきました。私にも分からないことがたくさんありました。それをどのように聞けばいいのか分かりませんでした。聞き方を間違えれば怒られる、そんな感覚がどこかにありました。それで、聞くのをためらい、失敗して、怒られる。嫌になります。
12月になって、コロナウイルスの陽性反応が出ました。数日は意識が朦朧としていました。自宅療養期間は落ち着いて過ごしました。外に出ることができないと思っているかと思いますが、生活に必要なものを買いに行くという大義名分があれば陽性であろうと外にでれます。毎日、夜の時間になって値引きされた惣菜でやりくりしました。それ以外の外出はしていません。夕食を買いに外へ出たこともあり、体調を拗らせたかもしれないです。
自宅療養期間が終わり、出勤できるようになった日から、朝に頭痛のくる毎日です。とりあえず1週間のうちの1日でもいいから保育所に行こう、早退してもいいから行こう、そう思いました。そう思うほど頭痛は酷くなり、吐き気も襲うようになりました。しんどい日々でした。
次の週、心療内科で診断書を書いてもらいました。子ども達にとってこの選択がいいのだろうかと思い、休むのを迷いました。クラスの実態から考え、私がいることでクラスが荒れるのであればいないほうがましです。表面的にはそう思います。休みをとることにしました。
診断書を渡しに保育所に行くのも辛かったです。渡してから解放された気持ちになれたわけでもないです。その後、私の担当する書類の作成をしてほしいと連絡がありました。無理です。書類の作成も10月頃から作れない状態にありました。それでもやると言ってしまった以上、できる範囲でしましたが、下書きの清書だけです。休みの期間なので、仕事を振らないで欲しいです。
年が明けてから、保育所での仕事をしたいと思えなくなりました。辞めて次の仕事をどうしようかとよく考えます。体調が元の状態に近づけば転職活動を始めてもいいのかなと思います。保育所に戻るという選択肢も考える時がありますが、保育士として働くことに執着していません。
全ての思いを綴るのは無理です。これ以上の思いを皆さんの前でさらけ出すことができないのです。どのような選択を私が取ろうと、私が最後に決めることです。
この話に愚痴を言う暇があれば自分と向き合ってください。責任を取りなさいというのなら、それを行動としてとってください。私にも責任をとらなければならない場面もありました。しっかりとれたでしょうか?
そういえば、私が出勤拒否したら無理やりにでも保育所に来させるという話がありましたね。診断書が出る1週間前までの見方を変えれば、私は出勤拒否をしています。無理やりにでも連れていかなかったのはなぜですが?
たとえ冗談であっても、私は真に受けます。出来ないようなことを言わないでください。
子どもの本当の気持ちに気づけなかったのも、言葉で表していることを真に受けてしまうからであることも考えられます。これは反省します。
最後に、この仕事は辞めようと思います。私は集団で子どもを見ていくよりも、少人数で子どもを見るほうが適しているのではと思うからです。じっくり関われる場所はこれから創ろうと考えています。
今までお世話になりました。ありがとうございました。
さようなら
敬具
この手紙を読んでくださってありがとうございます
書いてみたのはいいのですが、この手紙を出すか迷います。もっと尖った言い方をしても良いのかもしれませんし、物腰柔らかな言葉使いでも良いかもしれません。
この手紙に大きな変化をもたらす何かがあるでしょう。何かを急に変えようとするとその反動がでます。その反動が私に来て精神的なダメージを負うのは仕方ないかもしれない。それでも、言い返されても最終的には辞めてしまえば職場の人たちは(表面的には)何とも思われないでしょう。
保育士としての勤務に理想としていたものがありました。それが何であるか忘れてしまいました。でも、働いている保育所にないことだけは分かるのです。理想と現実に違いがあるのは仕方のないことですが、そこには大きな乖離がありました。
それでも、保育士として働いていたことは変わることのない事実なのです。それを今後どのように受け入れるでしょう。流れに身を任せてみようと思います。