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You know 'GENDA'?
この記事は具体的な企業名が登場しますが、売買の推奨ではありません。
記事の中で提供した情報や、その他から得た情報に基づき自身で投資判断なさって頂くようお願いします。
他先進国と比較して、我が国では株式投資家が軽視されている。
東証が「資本コストや株価を意識した経営」をプライム・スタンダード市場に上場する凡そ3300社に対して要請してから、間も無く2年が経つが、未だに何の反応もない企業が41.3%。
その中にはファストリやIHIも含まれている。
だが、この失望的な市場にも、注目する価値のある企業は少なからず存在している。
9166 GENDAはそのひとつ。
イチから紹介したいところだが、今月はやや慌ただしくなりそうだから、控えている3つのイベントについての情報をお届けしたい。
ロックアップ解除
GENDAは昨年、M&A用待機資金として、欧州とアジア向けPO(公募増資)を実施した。
当時の適時開示資料には次のような言及がなされている。
受渡期日の翌日から起算して "180日目の日に終了" するロックアップ
受渡期日は8月1日(木)だった。
その翌日8月2日(金)から起算すると、180日目にあたるのは今月28日(火)である。
1/25追記
180日目に終了=181日目に売却可能かもしれない
このPOで発行した新株は518万株で、足元の発行株数の6.75%に相当する量である。
空売り残のボリューム感を掴むために、出来高で除して Day to Cover(買い戻しに要する日数)を算出するが、今回のケースでも同じことができるはず。
異様に売買が細った12月2日以前を省いた直近25営業日の出来高(中央値)は176万株だから、518 ÷ 176で Day to Cover ならぬ Day to Sell を求めることができる。
518万株全てが売却されると仮定したあくまで推計値という前提を理解しておく必要があるが、計算の結果は約3日間だった。
それこそ、今もかなりの高水準にある売り建玉の Day to Cover は約2日であり、これを上回る518万株のボリューム感はそれなりのものと想像がつくだろう。
とはいえ、10日終値で売出価格よりも約30%の上昇となっており、今の水準を維持できれば、狼狽売りのような事態は避けられそうだ。
27日終値の水準に注目しつつ、約350万株の空売り残がロックアップ解除の売りを吸収してくれることを願うところ。
初の株主優待
続いて、今月29日(水)は初の優待権利日を迎える。
株主名簿に2度継続して名を連ねた投資家が対象で、今回は昨年7月から保有していると優待の対象になる。
100株の保有で、グループ店舗で利用できる2000円相当のクーポンとなっている。
ただ、優待権利を得るということは、翌日の優待落ちに晒されることにもなる。
1株当たりの金額が明確な配当落ちと違って、優待落ちは読みづらい。
こういう場面でヘッジができないのは非常に不便ではあるが、利用している証券会社によっては、1日信用売りをあえて持ち越してしまうという荒技を使いたくなる場面ではある。
(リスクは相当高い)
貸借銘柄選定最終日
ロックアップ解除・優待落ちを経て、いよいよ25年1月期の最終日を迎える。
しかし、今月は最後まで気を抜けない。
優待落ちのところで少し触れたが、9166は貸借銘柄ではないので、制度信用取引の売りができない。
証券会社によっては一般信用取引で売り戦略が可能だが、多くは1日限りの制約があって持ち越しはできないはずだ。
売りで安定的に利益を上げるのは、買いと比較して遥かに難しく、国内機関投資家も売りに回ることを考慮すると、買いも売りも可能な貸借銘柄入りするのと、売りができない貸借融資銘柄とでは、どちらが良いとは簡単には言えないが、特定の状況において戦略が限られるというのはやっぱり不便であることも確かだろう。
GENDAが貸借銘柄に選定されないのは選定基準を満たしていないからであるが、実は残す基準はあとひとつだけとなっており、それは「貸株調達可能量から見て適当ではない」という点。
つまり、制度信用取引の「売り」のために、日証金は相当量のGENDA株を確保しておく必要があるが、まだその量に達していないわけだ。
選定はまさに今も行われているが、GENDAの場合、選定作業は今月末を持って一旦終了し、6月まで再開しない。
つまり、当分の間、貸借銘柄入りは免れることになる。
日証金は今月中の選定を既に見送っている可能性もあるが、そうでなければ血眼になって買い集めているかもしれない。
貸借銘柄選定の最終日が迫る中、一般的には売り圧力として捉えられるロックアップ解除と優待落ちを控えているのだから、なかなか痺れる展開になることも想定しておくほうが良いだろう。