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【お出かけ】2つの美術展;ぎゅうぎゅうの神戸

ぎゅうぎゅうの神戸。
と言っても神戸牛ではありませんよ。
ぎゅうぎゅう詰めの1日のお話です。

展覧会が2つ同時期に、それも神戸で重なったので、ちょっと大変かと思いましたが、両方一度に観にいくことにしました。
私の好み「東郷青児 特別展」と夫の好み「デ・キリコ展」です。
が、夫は帰省できず、私1人で。

今回人生で初めてやったこと、それは「下調べ」です。
東郷青児は、持っている本で、略歴や主な作品をチェック。SOMPO美術館のサイトから貸し出しリストをコピー。
デ・キリコは、山田五郎さんのYouTubeで、今回の展覧会に沿った動画を視聴。

東郷青児の展示は、時代を追って流れていくので、作風と興味の対象の変化がわかりやすい。
デ・キリコの展示は、時代別よりもテーマ別にやや比重が。同じモチーフを長い間描き続けているので、時代による作風の違いを比較しやすい。
ピカソ調の東郷青児、ルノアール調のキリコの絵もありました。
1人の芸術家の特集展示は、人生の履歴書を見ているようで楽しいです。

最初は「東郷青児 特別展」から。
図録を買うつもりでしたが、撮影OKだったので、写真も撮ってみました(会場で撮ったので光が反射しています)。

シンプルに見える絵ですが、良くみると細かい部分が丁寧に描かれ、質感を描き分ける筆使いが素晴らしい。

実物を見るとよくわかる、髪の毛のうねり具合


スカートの部分。ひだの陰影と一つずつ色が違う、整列する水玉模様
奈良でインスピレーションを得た「舞」は観音菩薩のよう。


戦後の作品「漁村」は、三島由紀夫の「潮騒」の文庫本の表紙にしたい

今回のメインは、「望郷」
“誰にでも心の中に潜んでいる望郷がある。“(東郷青児)

細くて硬そうな指と丸くて柔らかい首と肩

1960年代の作品が可愛い。
だんだんと女性から少女へと対象が移っていくところ。

背景にお花が描かれている。赤い服も新鮮


珍しく着物姿。宮沢りえさんがモデル、な訳ない。1955年作だもの

ここは小磯良平記念館。アトリエが移築されている。
高い天井に、上まで届く大きな広い窓。絵の具のついた床。油絵の具が山盛りのパレット。椅子に小道具。

小磯良平の絵を最初に知ったのは記念切手だったと思う


小磯良平も好きで展示もゆっくり見たいけど、今日は勿体無くもサッとみるだけ。

ショップで買ったもの。
・図録
・絵葉書
・A5のクリアフォルダー
・クッキー缶(を買うと、もれなくクッキーが付いてくる。笑)

時間があまりないので、中華街でファスト・フード。
北京ダックのクレープ包み(?)。
ダックは入っていたのかな、というくらい少なかったが、芸術的に細かいキャベツときゅうりの千切りが入っていて、タレが美味しかった。

「デ・キリコ展」へ。
秋の午後、トリノで広場を眺めていた時に啓示を受け、それまでの古風な絵から画風が変わったらしい。
見ているものが、今まで見ていたものとは違って見えたそう。
漢字が、漢字に見えない感覚みたいな。。
秋の午後のトリノに行ってみたい。
神殿、椅子、室内、など同じモチーフを長い時代にわたって使っているのが面白かった。


不思議な絵。マヌカン(マネキン)は無能な人間?
伝統的手法。この絵の方が上の絵より後に描かれた、というところが面白い
そして新しいバージョンの形而上の絵。昔使ったモチーフとともに

ショップで買ったもの
・絵葉書
・イタリア・フィレンツェROSSI社の装飾紙。


必要なのは一枚だけど、この美しさを見ると、それは無理

もう日が暮れかかっていた。
でも、少しだけ港の方へ歩いてみよう。
そしたら、とっても綺麗な光景が広がっていた。
これが私にとっての「トリノの秋の午後」か「望郷」かもしれない。

久しぶりに海を見た。広い空。綺麗な雲。なぜか懐かしい

さて、甘いものでもとって休憩することにしましょう。
ちょうどいいところにスターバックス。
トリプルエスプレッソラッテのお供は、ホワイトチョコレート・マカデミア・ドーナッツ。

スターバックスのドーナッツは私の好み。大きくてずっしり重い

さあ、日も暮れてきました。
でも、まだ終わりませんよ。
せっかく神戸に来たのだから、せめて行きたいリストにあるお店にひとつくらい寄ってみたい。

1003(センサン、と読むみたい)」という本屋さん。
昭和を感じる雑居ビルの5階。
新刊、古本、自費出版の本、ZINEなど、
大手の書店とは違う品揃えで知らない本だらけ。
次々に手に取ってみる。

購入した本
・「いかれた慕情」(僕のマリ)=どこかで聞いた作家さんの名前だったので
・「ideallife with plants 〜植物はたのしい〜14号」(ideallife)=今回は「飾る」をテーマにしたZINE
・「The QUEEN OF CRIME」(fragola & NINE STORIES)=
アガサ・クリスティー好きの日本人お二人が作った、クリスティの小説を楽しむ本


「The QUEEN …」は、表紙、古いペーパーバックス風の中も好み

今日はまるで海外旅行に行った気分でよく動き回りました。
たまにはこういう「ぎゅうぎゅう詰め」の1日も楽しいです。
また企画しようと思います。

あ、今。
神戸という漢字をじーっと見ていたら、漢字に見えなくなりました。
ただの記憶力の低下(笑)。


ネ 口 ー I   ー 口 ノ (何だろう?)

番外編
クッキー缶を開けました〜。

昔懐かしい手作りクッキーの詰め合わせ(タカセ洋菓子

長々とご覧いただき、ありがとうございました。

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