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【頭の中】薦められた本から;前世の自分を想像してみる

アメリカにいた頃、友人から「これ面白いかも。もう読んだから」と本をもらった。
本をもらうなんて、そう滅多にないことだ、それも英語の本なんて。
京都の芸妓さんが「自分の若い頃を回想する風」に書かれた小説。
‘Memoirs of a Geisha’ (メモワー ズ・オブ・ゲイシャ)。
翻訳本では「さゆり」映画では「SAYURI」となっている。
日本人が語り、舞台が祇園なら、と読み始めたら、意外と場面が想像できて、ぼんやりとでも、だいたいストーリーの把握ができた。
なぜか、わかっちゃうんだよね、という感じ。
前世で、そういう経験でもあるのかなぁと思ってしまいました。


コロナ禍で誰もいない祇園。映画の撮影中かと焦りました。京都は引き寄せられた?



映画や本の中に、自分が過去に経験したことがあるような、懐かしい気持ちになる場所を見つけることがあります。
私の場合は、鎌倉でした。
顔で笑って」という、山口百恵が宇津井健の娘役で出ていたテレビドラマ。
内容より、その撮影場所が気になって仕方がない、当時11歳の私。
「ここ、どこ?」
未知の世界なのになぜか懐かしかったんです。
後で、鎌倉と知り、実際に住むことまでできた幸せ。
今でも鎌倉が舞台の話は大好きです。
ちなみに写っていたのは、鶴岡八幡宮だったみたいです。

旧大佛次郎茶亭にて新緑をバックに琥珀寒を(今カフェは閉店)

自分自身でなくても、時々「この人、こんな場所、こんな時代に住んでたような気がする」みたいな場合もあります。

夫の場合、いつもの服装ではないにも関わらず、ワイシャツは青か白のみで、革靴が好き。
ピザやパスタは、晩ごはんでも毎日でもオッケー(楽ちん、助かる)。
元イタリア人街やイタリア系の人が多いところにすっと馴染む。
そんなことが重なり、私は夫にイタリアっぽいニックネームをつけました。
「〇〇チーノ」
イタリアを旅行した時、地図も見ずに勘で歩き回るわ、すっと立ち飲みワインバーに入るわ、道ゆくおじさんに「この辺にお薦めのレストランない?」なんて臆面もなく話しかけるわ、、このあたりで確信しました。
あなた、イタリア系だわ。


オリーブ大好きな猫までイタリア系でした

甥っ子もしかり。
大学は、京都が似合いそうだなぁ、と思っていたらそこへ進学することになり。
アメリカでもフランスでもないな、ドイツっぽいかも。
と思っていたら、いずれドイツに留学したい、と。

アメリカは、私には特に憧れもなく、流れで住むことになっただけですが、
知人には大のニューヨーク好きがいて、私よりも詳しい情報を日本から教えてくれていました。
ドラマも映画も食べ物もニューヨーク。
入れ替わってあげたいくらい、NYへの愛情を感じました。
私の鎌倉、みたいなものなんだなぁと思いつつ。
もう1人の知人は、ニューヨークで開眼?
来た当初は日本人でしたが、帰る頃には、ゴスペルやマンハッタンのハーレムに住む人と気が合いそうな雰囲気になってました。
以前、この辺りだったんじゃない?みたいな。


巣箱のかかった窓(New York)

というわけで、私が京都に4年間住んでいたのも、さっきの本を読むのに役立ちました。
子供の頃、小さな田舎の生活圏にいた私にとって、地名や場所が出てくる本が苦手だったのもそれなりに理解できます。
銀座が、丸の内が、と言われても全くイメージできませんでしたから。
京都に住んでる人、日本史できそう、と思ったり。

ちなみに「SAYURI」という映画、渡辺謙さんや役所広司さんが出てるのに、どうして中国系の女優さんが選ばれるのだろう、と思っていましたが、あれはハリウッドのファンタジー入りですから、着付けが変とか、実際はこうじゃないでしょ、とか細かいことを言ってはいけないんだ、と後になって思いました。
実際には結構力を入れて作られた映画のようです。
そういう目でこの映画を観る方が楽しめます。

「メイキング・オブ..」を観るとちょっと見る目が変わります。

知り合いから薦められる本や映画には、いい加減にできない何かが潜んでいるなあと、思ったことです。

ニューヨークが好きになったのは例外で、後付け。

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