さくらのおじさん
おまえの顔なんて見たくもない、出て行ってくれ!
ソレヲイッチャア オシメエヨー🧳
って、それは 男はつらいよ のおいちゃん。
じゃなくて、わたくしが小学校にあがる前だったかな?親に連れて行ってもらったんですよ、夜のサーカス公演に。
グレかノシタか、どっちか忘れたけど名前に木のつく大サーカスでした。
事細かには覚えておりませんが、バク宙やバク転の入った演目で興奮しておりましたわ。花形の空中ブランコで特にね、綱渡りとかはあんまり(苦笑)
トランポリンのコーナー?でも派手な回転技が披露されとりまして。中には歴が浅いのか、今にして思えばフリだったのか、回転無しで跳んでる女性もおりました。
3人くらいの団員がひとしきり跳び終わったところでマイクが投入。
「お客さんの中で誰か跳んでみたいっていう人いらっしゃいますか〜?」
うおお!思わず、
ハイッハイッ、ハイーーーッ!!
わたくしのみならず、会場中のチビっ子が声を振り絞って叫びました。
残念ながら、ステージに比較的近かったチビっ子が3人ほど選ばれてました。
ビビって跳ぼうとせずにグダったのが1人いたくらいで、他の子は勝気に挑み2・3回跳ねたあと団員に受け止められ、とくに誰も怪我することなく拍手とともに客いじり?は終了。
かと思いきや、
「あと1人やりたい人いませんか、はい!そこのお父さん!」
と客席半ほどに居た成人男性が手早く指名されました。
ビートたけしの元気が出るテレビ に出ていた相沢会長みたいなビジュアルのおじさんでした。
チビっ子らの落胆の声の中をぬってステージに上がったおじさん。
素人のはずだが、おどおどしながら跳ねてトランポリンに顔から落ちたり、布と外側の枠の連結スプリング部分に落ちて股間を強打して悶絶し、会場を爆笑の渦に巻き込む。
すると母親のみならず、周りの大人がくちぐちに
『あー、あれサクラだ。』
『サクラだね、サクラ。』
と言うではありませんか。
さくら… 樹の桜じゃなくて、❝サクラ❞?
初めて聞く言葉に「なあにそれ?」と訊ねると、
「あの人は客じゃなくてサーカスの人、わざとああしてるの。」
との返答。
あまりピンとは来ませんでしたが新しい語彙がアップデートされた瞬間でした。
のちに、男はつらいよ で秋野太作の役どころを目にしてようやくサクラの合点がいきましたわ(苦笑)
やめてください兄さん、社長もそう興奮しないで
それはさくらの旦那の 博。
おやーまゆーえーんちー
それは金造さん。 どこ行った。