日本神話・伝説時代 その4 ~古代豪族~大和朝廷の成立まで つづき
<天ノ太玉の五伴>
「大物主」の五臣とも。「大物主」は何世代かに継承された尊称のようです。
天ノ 日鷲(アメノ ヒワシ) ・翔矢。天ノ背男の息。天ノ太玉の五伴。息に大麻比古、天白羽鳥、天羽雷雄。孫に由布津主(阿八別彦)、天物知。義理の兄弟に天ノ太玉、「事代主」、天ノ児屋根。
<太玉の一族か。><天ノ日別と混同される場合があるようです。>
天ノ 櫛明 「玉」(アメノ クシ アキ「タマ」) 天ノ太玉の五伴。天ノ背男の息。兄弟に天ノ日鷲。義理の兄弟に天ノ太玉、「事代主」、天ノ児屋根。
<出雲玉祖宿禰の祖。>
天ノ 「彦」 狭知(アメノ 「ヒコ」 サチ) 天ノ御鳥・(咋知・佐知)。天ノ手力雄の孫。天ノ太玉の五伴。大玉の孫・天ノ富命に直仕。
<神魂命の息とも。婚姻関係による相続などの義理の親子関係か。>
▽天ノ 手置帆負(アメノ タオキホイ) 天ノ御鳥(彦狭知)の息。天ノ太玉の五伴。大玉の孫・天ノ富命に直仕。息に天ノ越根。孫に比古麻。曾孫に天ノ道根。
⇔天ノ 目一(アメノ メヒトツ) (天津)・一箇神・天之麻比止都禰「命」・天久斯麻比止都「命」・めい。出雲の天津日子根(天津彦根)の子孫。天ノ太玉の五伴。製鉄を司る。即位式に月の使者役。孫(婚姻による?)に神武の側近・阿多振命(アタフルネ)。
<ツクヨミの系統と縁があるのでしょうか。山背国造の祖。忌部氏の祖(越前剣神社・織田家に通じる?)。><天津国玉の系統は、阿遅鋤高日子根に完全に滅ぼされたわけではないようです。愛友関係だった天ノ稚彦の方の子孫かもしれませんね。><凡河内国造の祖・彦ノ己蘇根は一門ということでしょうか。><元祖『独眼竜』といえる人物かも。>
《個人的感想》 「太玉」に従う五伴の氏族がいたとすれば、「玉」を冠する王家があって、のちその後裔の物部氏に従っていた氏族ということにならないでしょうか。
<天(大伴)ノ香語山の東征>
神武期の北陸の豪族?、香語山と神武は世代があわないようなので別の時代の伝承でしょう。
▽越ノ 安麻背(アマセ) ・国津ノ安麻背。土蜘蛛・国津神。越ノ国の間瀬の豪族。天ノ香語山に降伏臣従。
▽越ノ 九鵙(クモズ) ・国津ノ九鵙。土蜘蛛・国津神。越ノ国の刈谷田川の豪族。天ノ香語山に降伏臣従。
<大山津見国>
北・南九州? <豊後あたりでしょうか。>
大山津 見(オホヤマツミ) 海神・国津神、笠沙御前の神。邇邇藝を出迎える。<大山津見=大山津 耳の意味だったりしないのでしょうか。>
木花之佐久夜 (毘賣)・[神阿多都 (比賣)](カムアタツ) ・(咋夜姫)。大山津見神の娘。邇邇藝を出迎え妻となる。息に火照命(海幸彦)、火須勢理命、火遠理命(山幸彦)。
⑦▽天津日高 「日子」(アマツヒダカ 「ヒコ」) 穂穂手見(ホオテミ)・彦火火出見・火遠理(ホオリ)・「山幸彦」・虚空津日高。 邇邇藝ノ命と神阿多都比賣の息。綿津見神(ワタツミ)の娘・豊玉毘賣(トヨタマ)・八尋和邇と結婚し兄の火照命を倒す。<穂穂手見=虚空津日高(ソラツヒコ)とも。コカラツ彦とも読めそうです。><穂穂手見= 穂穂手 耳の意味だったりしないのでしょうか。>
<大山津国>
南九州? 九州にオオヤマツコク。
<オオヤマツ→オオヤマトへ変化するか> <南肥後・北肥前へと一本の軸があったかもしれませんね。>
▽天ノ 火照(ホテリ) ・(物部)・「海幸彦」・海佐知 毘古・火照(ヒテリ)。穂穂手見の兄。隼人(熊襲)の王。昼夜守護人として弟に出仕する。息に饒速日・ニギハヤヒ。<海の支配をめぐり弟に敗北するか。><王家の守護人となる物部氏の祖か。><火明命とまぎらわしい関係。照と明で表記を分けたいところです。><弟の「山幸彦」が隆盛を極める前に、天津国と結んで「ニギハヤヒ」と登美ノ長髄彦の「縁結び同盟」が成立していたのでしょうか。>
「速」を冠する王、後裔「物部氏」
大船団ぶりから推測される人物は秦帝国・斉国人方士徐福・・
↓⑧▽天ノ 饒「速」日(ニギハヤヒ) ・(物部)・に はひ・櫛玉・饒速日・国照(クテリ)。邇邇藝の息・天火照ノ命「海幸彦」一門。長髄彦の婿。登美夜須毘売(三炊屋媛)の婿。天磐船にのりニニギに先行して降臨。登美ノ長髄彦に畿内の王として擁立される。のち先祖が近いことから「神武東征」に降伏。物部氏の祖。息に宇摩志麻遅命。
<ニニギの兄、天火明命(アメノホアカリ)の別系統。><ニギハヤヒと天火明が混同されることにより、大伴氏と物部氏、尾張氏との関係がややこしくなっていると推測されます。><天火明、彦火明、天火照、とにかく似てるので混同され、同一神とされてしまうのでしょう。婚姻により各氏族の子孫が結びつくことにより同一化した事でしょう。><「櫛玉」の名乗りは畿内入りして長脛彦に擁立され、伊勢の「玉」王家を継承していたのでしょうか。三輪でも宇佐でも出雲でもなく「なぜ伊勢神宮なのか」の意味は、玉王家にあるのかもしれません。>
【登美ノ夜須毘売】 三炊屋姫・(登美ノ安姫)。登美ノ長髄彦の娘。天ノ饒速日の室。息に宇摩志麻遅命。
↓▽天ノ宇摩志麻遅命 登美ノ宇摩志麻遅命・可美真手命・味間見命・(ウマシマチ)。天ノ饒速日の息。母は三炊屋姫。登美ノ長髄彦の孫。息に彦湯支命。<後裔に穂積・物部氏。>
天火照 防衛32人 『旧事』
(防衛三十二人)
⇔▽天香語山命 ・饒速日尊の息。饒速日に従う32人の豪族筆頭。 <後裔に尾張連等>
▽天鈿売命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族2番。<後裔に猿女君等>
⇔▽天太王命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族3番。<後裔に忌部首等>
▽天児屋命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族4番。<後裔に中臣連等>
▽天櫛玉命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族5番。<後裔に鴨県主等>
▽天道根命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族6番。<後裔に川瀬造等>
▽天神玉命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族7番。<後裔に三嶋県主等>
▽天椹野命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族8番。<後裔に中跡直等>
▽天糠戸命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族9番。<後裔に鏡作連等>
▽天明王命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族10番。<後裔に玉作連等>
▽天牟良雲命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族11番。<後裔に度会神主等>
▽天背男命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族12番。<後裔に山背久我直等 >
▽天御陰命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族13番。<後裔に凡河内直等>
▽天造日女命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族14番。<後裔に阿曇連等>
▽天世平命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族15番。<後裔に久我直等>
▽天斗麻彌命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族16番。<後裔に額田部湯坐連等>
▽天背斗女命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族17番。<後裔に尾張中嶋海部直等>
▽天玉櫛彦命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族18番。<後裔に間人連等>
▽天湯津彦命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族19番。<後裔に安芸国造等>
▽天神魂命 ・三統彦命。饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族20番。<後裔に葛野鴨県主等>
▽天三降命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族21番。<後裔に豊田宇佐国造等>
▽天日神命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族22番。<後裔に対馬県主等>
▽乳速日命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族23番。<後裔に広湍神麻続連等>
▽八坂彦命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族24番。<後裔に伊勢神麻続連等>
▽伊佐布魂命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族25番。<後裔に倭久連等>
▽伊岐志邇保命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族26番。<後裔に山代国造等>
▽活玉命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族27番。<後裔に新田部直等>
▽少彦根命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族28番。<後裔に鳥取連等>
▽事湯彦命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族29番。<後裔に取尾連等>
▽表春命 ・八意思兼神の息。饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族30番。<後裔に信乃阿智祝部等>
▽天下春命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族31番。<後裔に武蔵秩父国造等>
▽月神命 ・饒速日防衛32人のひとり。饒速日に従う32人の豪族32番。<後裔に壱岐県主等。月神から推測されることは、海洋の月支国の辰王の系譜か。壱岐国王=月支国だったのか・・。>
(五部人、饒速日側近)
↓▽天津麻良 五部人のひとり、筆頭。船団の梶取でもある。<後裔に物部造等>
▽天ノ勇蘇 五部人のひとり、2番。<後裔に笠縫部等>
▽天津赤占 五部人のひとり、3番。<後裔に為奈部等>
▽富々侶 五部人のひとり、4番。<後裔に十市部首等>
↓▽天津赤星 五部人のひとり、5番。船団の船子でもある。<後裔に筑紫弦田物部等>
(兵杖 五部造伴領)
▽二田造 五部造のひとり、筆頭。25部人を指揮する。
▽大庭造 五部造のひとり、2番。25部人を指揮する。
▽舎人造 五部造のひとり、3番。25部人を指揮する。
▽勇蘇造 五部造のひとり、4番。25部人を指揮する。
▽坂戸造 五部造のひとり、5番。25部人を指揮する。
(兵杖 二十五部人)
▽二田物部 天物部等二十五部人のひとり、筆頭。
▽須尺物部 天物部等二十五部人のひとり、2番。
▽芹田物部 天物部等二十五部人のひとり、3番。
▽赤間物部 天物部等二十五部人のひとり、4番。
▽横田物部 天物部等二十五部人のひとり、5番。
▽狭竹物部 天物部等二十五部人のひとり、6番。
▽浮田物部 天物部等二十五部人のひとり、7番。
▽肩野物部 天物部等二十五部人のひとり、8番。
▽足田物部 天物部等二十五部人のひとり、9番。
▽尋津物部 天物部等二十五部人のひとり、10番。
▽田尻物部 天物部等二十五部人のひとり、11番。
▽住跡物部 天物部等二十五部人のひとり、12番。
▽久米物部 天物部等二十五部人のひとり、13番。
▽讃岐三野物部 天物部等二十五部人のひとり、14番。
▽大豆物部 天物部等二十五部人のひとり、15番。
▽筑紫聞物部 天物部等二十五部人のひとり、16番。
▽羽東物部 天物部等二十五部人のひとり、17番。
▽相槻物部 天物部等二十五部人のひとり、18番。
▽布都留物部 天物部等二十五部人のひとり、19番。
▽播麻物部 天物部等二十五部人のひとり、20番。
▽当麻物部 天物部等二十五部人のひとり、21番。
▽鳥見物部 天物部等二十五部人のひとり、22番。
▽嶋戸物部 天物部等二十五部人のひとり、23番。
▽筑紫贄田物部 天物部等二十五部人のひとり、24番。
▽巷宜物部 天物部等二十五部人のひとり、25番。
(天ノ磐舟船団)
▽天津羽原 船長。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。<後裔に跡部首等>
↑▽▽天津麻良 梶取。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。側近5部人のひとり。<後裔に阿刀造等>
▽▽天津真浦 船子。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。<後裔に倭鍛師等>
▽▽天津麻占 船子。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。<後裔に笠経等>
▽▽天都赤麻良 船子。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。<後裔に曾曾笠縫等>
↑▽▽天津赤星 船子。天ノ磐舟船団、船方(船乗り)一団。饒速日に従う。側近5部人のひとり。<後裔に為奈部等の祖 >
但馬故事記(磐船初期メンバー)
【天道姫命】 天ノ饒速日の最初の室。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。息に天ノ香具山命。孫に天ノ村雲命。
坂戸天物部命 ・天ノ饒速日の随従(筆頭)。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
二田天物部命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
嶋戸天物部命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
両槻天物部命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
垂樋天物部命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
天磐船長命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
天船山命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
天楫取部命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
稲年饒穂命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
長饒穂命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
佐久津彦命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
佐々宇良毘売命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
佐々宇良毘古命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
佐伎津彦命 ・天ノ饒速日の随従。天ノ饒速日とともに天磐舟で降臨。
《個人的感想》 饒速日=禰宜(ネギ)の速日(ハヤヒ)の意味だったりしないでしょうか。番能邇 邇藝(ハノネ ネギ) → 天ノ 火照(アメノ ヒテラス)→ 饒速日(ネギ ハヤヒ)で、ネギに挟まれる、照らす=タラス(タラシ)=天下を統べるに通じる、王の名なのでは。天皇のことを、アマタラシという呼び方に通じるものだと思います。ニギが禰宜を現しその間に(大伴・物部)などの姓が抜け、速日という名か。大伴ノ忍日など「日」のつく近い名の子孫がいるのでは。
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