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ポコポコ期〜ブルンッ期
お腹が目立ってきた頃、
お腹の中で、何かが動いているかのような、
ポコッ!
としたものを感じるようになった。
あれ?これが胎動なのか……?
と胎動なのか、自分のガス溜まりなのか、よくわからなかった。
しかし
ポコポコ!が増えるにつれて、
これは胎動なのかーーー!!!
と感じるようになった。
初めてエコーで、我が子を見てから、
夫と私での赤ちゃんの呼び名は、
「おまめ」と名付けた。
なんせ、豆のような形をしており、「おまめ」という響きが可愛かったから、私が「おまめ」と呼んでいたら、夫も自然と呼ぶようになった。
夫に
「今、おまめが動いてる!!」
という報告をすると、夫は速攻でお腹に近づき、数分間、顔を密着くさせたまま動かなかった。
夫のデッカい顔が私のお腹に密着し、数分後も動かないなんて、とても邪魔で仕方なかった。しかし、夫にも胎動を感じさせてやりたいと思い、毎回数分間のデカい顔密着は我慢してやった。
しかし、
おまめは夫のデッカい顔が近づくのを察知しているのか、夫が近づくとそれまで動いていたのに、ピタリとして動かないのである。
しかも毎回。
「えー!今までポコポコすごかったんだよ!」
と伝えると、
「きっとパパの偉大さにビックリして、動かないんじゃないか?」
「パパの前では、良い子ちゃんぶってるのかな〜?可愛いやつめ〜」
と自分の都合良いように解釈していた。
まぁ、それで良いだろう。
このポコポコ胎動。
最初のうちは、ポコポコと可愛かったものの、月齢が進むにつれ、
グニュ〜
ブルンッ!
とまるでお腹の中に魚でもいるかのような動きになっていった。
自分の身体の中に別の生命体がいる。
そんな映画があったような気がする。
お腹ではないが、確か右手に「ミギー」という生物が住んでいた。
ミギーはペチャクチャ喋っていた。
しかし、お腹の赤ちゃんは、喋らない。
つまり私の思うがままに行動できる。
これでお腹の中で喋ったりしていたら、大変だ。
「これ以上食べないで!!胃がでっかくなってきてるから、狭いんだよ!!」
→食べたいのに食べるのを我慢する私。
「もうそろそろ下剤でも飲んで、う○こ出してくれ!!窮屈だ!!」
→自然な便意を待っているのに無理矢理下剤を飲む私。
「言う事聞かないなら、蹴ってやる!エイッ!エイッ!」
→膀胱押され、苦しむ私。
こんな事が毎日起きていたら大変すぎる。
そう考えてたら、魚のように
グニュ〜
ブルンッ!
と動くなんて、可愛いじゃないか。
出産までのあと何ヶ月間だけの、特別で不思議な体験を楽しもうと心に決めた。