モダンでネズミ【MTG モダン】

2023年11月10日 15:43

備忘録なメモ書き。後々大幅な加筆修正ある・・・かも。
部族モダン準拠のデッキですが、作成者はそのまま通常モダンのデッキに挑みますので枷だなぁと思うことがあってもネタとかカジュアルとかのつもりでは作ってないです。某サイとかと殴り合う日々です。
（最終更新：2024年1月22日8：07）

■突然の知らせ

　「ついに黒単ネズミデッキが出てきてしまったね！」
と知り合いからメールが。
何故わざわざそんな連絡を？？？とも思いましたが、
私が何度かモダンでネズミデッキを作って対戦してもらっているし、直近でネズミの群棲を波及して一撃必殺してたので『ネズミ使い』と思われてること？？と思いながらも気にはなったので検索してみました。
しかし、検索してみるも直近のモダンではそれらしいリストが見当たらず？？？。あー、下水野郎が活躍してるって話をパイオニアか何かではチラッと見かけた気がするなぁ・・・ひょっとしてスタンダードかパイオニアでのことなのかな？と聞き返したら

　「マジックオンライン　モダンチャレンジ、」

そんなバカな。見かけてないぞ？？？

　「28位にいたよ！」

・・・気づかないよー、普通。
そんなとこまで英語読まなくない！？。
どんだけチェックしているんだ・・・（苦笑）。
ちなみに会った時にその話したら、
「見つけた時に『これは教えておかねば』と思って！」
とのこと。
まぁ、部族モダン：忍者よりは興味も可能性もあるけども（笑）

■そもそもネズミとは

ネズミ/Ratは、クリーチャー・タイプの1つ。現実世界でもよく見かけるネズミの他、鼠頭の獣人である鼠人/Ratfolkもこのタイプに属する。

初出はリミテッド・エディションの疫病ネズミ/Plague Rats。コンスタントに登場し続け、神河ブロックで黒の中心種族として大幅に強化され、部族デッキも成立した。黒とそれを含む多色にのみ存在する。

現実にも存在する動物であるため比較的イメージが確立している。書物をもかじってしまう雑食さを表現した手札破壊が得意分野のひとつで、特に貪欲なるネズミ/Ravenous Ratsが有名であり、リメイク的カードがしばしば作られている。その他、どこにでも現れる神出鬼没さを回避能力で表現したカード（沼ネズミ/Bog Ratsなど）、「ネズミ算」の語源にもなった繁殖力に注目したカード（疫病ネズミ/Plague Ratsや群れネズミ/Pack Ratなど）、伝染病を媒介する害獣であることに注目したカード（墓所のネズミ/Crypt Ratsやチフス鼠/Typhoid Ratsなど）と言った、かなり「それらしい」カードに恵まれている。

ロードとして、骨齧り/Marrow-Gnawer、オーガの貧王/Ogre Slumlord、群れの笛吹き男/Piper of the Swarm、ネズミの王、カルモニクス/Karumonix, the Rat Kingがあり、昆虫・蜘蛛・リスと兼用で、部族土地の群がりの庭/Swarmyardも存在する。また、それら以外にもネズミを集めるほど強くなるカードは黎明期から存在し、しばしばファンデッキが組まれる。対ネズミカードとして飢えたオオヤマネコ/Hungry Lynxや死者の嘆きの残響/Echo of Death's Wailも存在する。

ネズミ・トークンを生成するカードは複数存在し、いずれも黒の1/1のトークンを生成する。また、群れネズミ/Pack Ratは自身のコピーであるトークンを生成する。

伝説のネズミは反転カードも含めると機械兵団の進軍：決戦の後に現在9体存在する。神河/Kamigawaの鼠人であるものが多い。

MTG Wikiより

過去にモダンでネズミデッキを組んだことは何度かありましたが、個人的に最強のネズミデッキは
①群れネズミ全振り、
②次点で執拗なネズミ or ネズミの群棲による悪だくみ
だと思っていたので、ネズミデッキに関しては探求する意欲が著しく下がっていました。

そんな時、部族モダンではない通常のモダンで実績を作ったネズミデッキとはいったい！？

まずは話題？のデッキリストを。

■ネズミデッキ（モダン）

大会名：MODERN CHALLENGE　10/6/2023
フォーマット：モダン
アーキタイプ：ネズミ
プレイヤー：TULIO_JAUDYさん
タグ：マジックオンライン
成績：28TH PLACE

●メイン：60
【土地：22】
1：汚染された三角州/Polluted Delta
1：湿地の干潟/Marsh Flats
1：新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
1：血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1：草むした墓/Overgrown Tomb
6：沼/Swamp
1：死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death's Storehouse
1：見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
2：ロークスワイン城/Castle Locthwain
2：群がりの庭/Swarmyard
1：ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
4：魂の洞窟/Cavern of Souls

【クリーチャー：26】
4：かじりつく害獣/Gnawing Vermin
4：もつれる群体/Tangled Colony
4：群れネズミ/Pack Rat
2：仮面の蛮人/Masked Vandal
4：ネズミの王、カルモニクス/Karumonix, the Rat King
4：下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King
4：駆け抜け侯の解体屋/Lord Skitter's Butcher

【呪文：12】
4：霊気の薬瓶/Aether Vial
4：名も無き転置/Nameless Inversion
4：発掘/Unearth

【サイドボード：15】
1：宝石の洞窟/Gemstone Caverns
4：思考囲い/Thoughtseize
2：鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber
4：致命的な一押し/Fatal Push
2：突然の布告/Sudden Edict
2：呪われたトーテム像/Cursed Totem

イゼ速でピックアップされてました

おぉ、呪文が殆ど入ってなくて、デッキ内がほぼネズミのみという恐ろしいリスト（笑）。黒単と聞いてましたが、正確には”ほぼ”黒単のデッキですね。

クリーチャー陣で一見すると1人浮いてる仮面の蛮人、

呪文の多相持ちの名も無き転置、

そして霊気の薬瓶と伝説のネズミ：カルモニクス。

これでデッキのコンセプトの一端が何となく分かりますかね。
回してみる前の予想だと

①薬瓶で展開を加速
　　　　⇩
手札が枯れる
　　　　⇩
カルモニクスでドロー（Maxで5枚）
　　　　⇩
しかし、カルモニクスで手札に加えられるのはネズミのみ
　　　　⇩
仮面の蛮人・名も無き転置はそれぞれ多相＝ネズミカウントなので手札に加えられる＝デッキの半分のカードが”ネズミ”。

②仮面の蛮人の能力コストの為にかじりつく害獣で自分のデッキを予め切削。落ちたやつは発掘や竹沼で回収。

③下水王でネズミトークンがじわじわ増える
　　　　⇩
群れネズミが巨大化 or カルモニクスの能力で毒が付くので数の暴力で毒殺。

ざっくり考えるとこんな感じでしょうか？
もつれる群体や下水王から出てくるトークンはブロック出来ないのが不安要素に感じますが、果たして。

■実際に使ってみた感想

・マジ強い。Tier.0の黒赤想起相手でも微不利くらいで、激情が大きくならなければ全然問題ない。特に難しく考えずにカード使って大丈夫（たぶん）。カルモニクスの凶悪ドローがあるので、悲嘆で2枚くらい抜かれても別に、みたいな。

・『薬瓶で展開⇒手札が枯れるのをカルモニクスでカバーする感じ？』どころじゃない。マリガンしてもカルモニクスが何とかしてくれる。
もちろん、0枚もあるが平均2～3枚、上振れると4～5枚ドローは鬼。序盤なら豆の木より全然ドローする。しかも、正確にはドローではないのでオークも刺さらない。
カルモんが場にいる状態で新たなカルモんを出したり、墓地のカルモんを釣ってドローしたり、過労死するレベル。ドロー呪文として使い潰しても全く問題ない。
毒性は正直飾りだが、ライフを大量に得る相手などには（勝手に）刺さる。
ただ、土地が欲しいようなタイミングだと手札には加えられずにデッキボトムに送られてしまうので悲しい思いをすることになる。

・発掘がかなり強い。入ってるクリーチャーは何でも釣れる。
　1ターン目：かじりつく害獣で切削。
　2ターン目：発掘でカルモか駆け抜け候を釣る。
ムーブが嫌らしすぎる。カルモニクスで手札に持ってこれないのが残念極まりない。

・駆け抜け候、トークン出すついでに墓地を綺麗にしていくのが偉すぎる。膠着してもどんどんネズミが増えていくので。

・『群れネズミは終盤にワンパン？。それとも積極的に狙ってく感じ？。起動コストが重いので注意。』と思っていたが、ただただ強い。5/5くらいで十分脅威。強さを忘れてた。避雷針として使っても良さげ。増やすの忘れがちなのは注意（+不要な土地は出さずにコピー増やした方が？）。

・仮面の蛮人、（ほぼ）黒単なのにメインからエンチャント（英雄譚）やらアーティファクトが割れるの偉い。ネズミなので、欲しい時はカルモニクス（複数）で無理やり探しに行くことも可能。

・強いて言うなら駆け抜け侯の解体屋がやや微妙に感じたのと、タフネス4以上のクリーチャー（+1/+1カウンターが乗った激情など）が処理に苦労する（サイド後も突然の布告くらいしかないので）

・3マナが多い印象がある（1ターン目に薬瓶置いても3個載るまで出すものが、みたいな）。2マナ～1マナのクリーチャーを増やしたいが候補が・・・（群れネズミは能力起動できない時に出すと即殺されるくらいヘイト高いので）

■独断と偏見の採用カード個別評価

・汚染された三角州/Polluted Delta、湿地の干潟/Marsh Flats、新緑の地下墓地/Verdant Catacombs、血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
沼系フェッチランド。沼しか持ってこないので散らしても問題ないが、ここまで散らしたリストは珍しいような。根絶されたとか、デッキ製作者によほどのトラウマが？？

・草むした墓/Overgrown Tomb
無くても何とかなりそうだが、フェッチで確定サーチできるので。

・沼/Swamp
エルドレインの森の沼。デザインが良いなと思ったのでまとめ買い。

・死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death's Storehouse
すごい久しぶりに見たｗ。意外といいお値段するので、そういう意味では微妙。

・見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
素の魂力コストは重いが、カルモニクスと駆け抜け侯が出てる状態だと2マナで撃てるの偉い。

・ロークスワイン城/Castle Locthwain
カルモニクスがいるのであんまり出番なさげ。ホントに手札枯れた時くらいしか使わない？

・群がりの庭/Swarmyard
太古のカード。ブロック⇒再生が嫌らしすぎる。

・ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
一見いらなそうな土地その②。

・魂の洞窟/Cavern of Souls
ショックランドによるライフロスを嫌ってのフル投入？

・かじりつく害獣/Gnawing Vermin
思っていたより悪くなかったが、自由なタイミングでサクれると・・・みたいな。

・もつれる群体/Tangled Colony
どうせブロック出来ないので躊躇なく突っ込む特攻隊長。やられるような大きい相手なら寧ろ得なのが思った以上に嫌らしく、ブロックしてもなぁ的な躊躇が相手に生まれやすい。火力じゃない除去に無力なのはご愛嬌。

・群れネズミ/Pack Rat
冒頭に書いていたのに強さをすっかり忘れていた最恐＆最強のネズミ。ネズミーランドが開園すると、もう止まらない止められない。対戦相手からのヘイトは高め。

・仮面の蛮人/Masked Vandal
超優秀ネズミ。黒単だとアーティファクトやエンチャントに悩まされることも多いが、コイツのおかげでストレスなく戦える。魂の洞窟と薬瓶で出すことも多いので、緑土地が無くてもそんなには気にならない。

・ネズミの王、カルモニクス/Karumonix, the Rat King
超凶悪ドロー呪文。相手からすると意味が分からないレベル。ただし、下振れもある。

・下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King
突っ立てるだけで見た目以上に仕事する。評判通りの強さ。ネズミが出る度に墓地追放が誘発するのが作業的に面倒くさいが、忘れないよう注意。

・駆け抜け侯の解体屋/Lord Skitter's Butcher
他のクリーチャーが嫌らしさ強めなので少し微妙に感じるが、場に出た時に全軍威迫フルアタックが魅力なのと、惜しげなくブロック出来る2/3はこのデッキでは貴重。もちろん、自軍クリーチャーへの除去に対応して薬瓶で出して生贄⇒占術＋ドローはかなり良い（特に占術の数字が2なのが偉い）。

・霊気の薬瓶/Aether Vial
1ターン目にかなり置きたい。カルモニクスのドローをアテにして、2～3回マリガンして探しに行っても？

・名も無き転置/Nameless Inversion
ネズミヅラしてる呪文その②。主に除去として使用。かじりつく害獣との合わせ技で-4もあり。ややコストが重いが、カルモニクスが呼んでくれるので仕方ない。クリーチャータイプを失わせる能力は部族シナジーあるデッキだとよく刺さるので忘れないように。

・発掘/Unearth
このデッキ内のクリーチャーは何でも釣れるが、基本的にはカルモか駆け抜け候？。

・ネズミトークン
ただ場に出てきた or 場にいるだけでほぼ仕事してる感じ。無理に生贄に捧げたり増やさなくとも特に問題なさそう。

・宝石の洞窟/Gemstone Caverns
後手の不利をひっくり返すためのカード。高級土地で持っていないので使い心地分からず・・・。

・思考囲い/Thoughtseize
黒ならやっぱり使いたくなるカード。手札確認だけでも意味はある。

・鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber
このデッキを使うまでは使ったことなかったネズミ。反転後の起動コスト重いので、別のカードにしても良いかは悩みどころ（このデッキだとネズミであることのアドバンテージが大きいので）

・致命的な一押し/Fatal Push
つい使いたくはなるカードその②。ただ、刺さらない相手も多いので、個人的にはサイドで問題ない。

・突然の布告/Sudden Edict
久しぶりに見たカードその②。布告除去なので使いどころがあるが、最近は刹那とかあんまり見かけないので、従来以上に刺せる場面はある。

・呪われたトーテム像/Cursed Totem
久しぶりに見たカードその②。ミラージュの頃からしばしば使う嫌がらせカード。

■総評

単体ですごい強いカードはないですが、環境に合致した素晴らしいデッキでした。これ以上は新たなネズミが出てこないと厳しいんじゃないかと思えるほどの完成度ですね。いい加減、ネズミの+1/+1するロードを切望。マーフォークとかスピリットはズルい。

ただ、
・ブロック出来ないことやつらが並んでいることも多い。
・タフネス4以上のクリーチャーの相手に手こずる。
・フライヤーと接触しないので、濁浪などと殴り合いになると厳しい。
みたいな感じがありました。
また、仮面の蛮人のおかげでアーティファクトやエンチャントはメインからでも問題ないですが、逆に黒＆ネズミにありがちな手札破壊がないのがやや戦いにくい感じがありました。（普段黒ばかり使っているので単純に意識の問題かもしれませんが、黒単なら当たり前のように思考囲いや強迫撃つので、今撃って相手の手札確認したいなぁ、みたいなことが時々ありました）

しかし、クリーチャー除去や手札破壊の呪文を入れるとなると、ネズミじゃないカードを入れることになるのでカルモニクスの邪魔になるのが悩ましいところですね。何せ下振れで5枚中0枚を経験してますので、これ以上確率下げるのが怖い・・・。
とりあえず何枚か他のカードを差し替えてみて、

●メイン：60
【土地：22】
1：汚染された三角州/Polluted Delta
1：湿地の干潟/Marsh Flats
1：新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
1：血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1：草むした墓/Overgrown Tomb
2：ロークスワイン城/Castle Locthwain
6：沼/Swamp
1：死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death's Storehouse
1：見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
2：群がりの庭/Swarmyard
1：ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
4：魂の洞窟/Cavern of Souls

【クリーチャー：22】
4：チフス鼠/Typhoid Rats
4：もつれる群体/Tangled Colony
4：群れネズミ/Pack Rat
2：仮面の蛮人/Masked Vandal
4：ネズミの王、カルモニクス/Karumonix, the Rat King
4：下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King

【呪文：16】
4：霊気の薬瓶/Aether Vial
2：名も無き転置/Nameless Inversion
4：発掘/Unearth
2：全軍突撃/Pile On
4：思考囲い/Thoughtseize

こんな感じで試してみてます。

何はともあれ、近代モダンで待望の実績があるネズミデッキですので、皆様是非遊んでみてください！

お安くお試しなら例えば

●メイン：60
【土地：22】
13：沼/Swamp
3：ラノワールの荒原/Llanowar Wastes
2：群がりの庭/Swarmyard
4：閑静な中庭/Secluded Courtyard

【クリーチャー：26】
4：かじりつく害獣/Gnawing Vermin
4：もつれる群体/Tangled Colony
4：群れネズミ/Pack Rat
2：仮面の蛮人/Masked Vandal
4：ネズミの王、カルモニクス/Karumonix, the Rat King
4：下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King
4：駆け抜け侯の解体屋/Lord Skitter's Butcher

【呪文：12】
4：霊気の薬瓶/Aether Vial
4：名も無き転置/Nameless Inversion
4：発掘/Unearth