妻を亡くしたのび太君の恋のキューピッド
私の職歴
突然だが、私は2度転職をしている。
今の会社は3つ目。
1つ目は中小企業の営業、後に事務員。
三十路の転職を決意。
2つ目は、葬儀会社。
お仕事自体は好きだったけど、1年弱で退職。
色々ありまして。
この葬儀会社での経験はわりと大きく影響してる、と思う。1人の人物の人生を大きく変えたしね。(得意気)
3つ目の今の会社は家族経営。(私との血縁はない。役員のみ親族)
さて、3つの会社を経験してる私だが今の会社に就職したことはとても良かったと思っている。
不妊治療もお仕事と並行して頑張れたし。
そして、“恋のキューピッド”をできたこと。
この恋について書いていこうかと思う。
最終的には明るい話だよ~。
奥様を亡くした“のび太君”な男性社員
3つ目の現在の会社でいつの間やら、とある男性社員と話すようになる。
いつもニコニコ穏やかでゆったり口調。
正直、頼りない“のび太君”のような人だ(笑)
のび太君(仮名)は私の10歳年上。
その時は43~44歳くらいだったかな?
何をきっかけに話すようになったんだっけ?
まあ、従業員はパートさんいれて20人いるかいないかくらいの小さな規模の会社だから、自然と話す間柄になったのだろう。
当時独身だった私は結婚したくてたまらなかった。
ついでに、事務員と仲良くなりたかったが仲良くなるタイミングを失い、コミュ障な私は話すこともわからなかったので、「結婚したいです~」をしょっちゅうネタにしていた。
このネタは会社の誰にでも話していた。
多分その延長線上で、のび太君にも「私独身なんで結婚したい」と話していたと思う。
のび太君は彼女がいなくて、結婚したがっていた。
後に、事務員さんから「のび太君は奥様をご病気で亡くされている」と聞いた。
私はひとまず“デリケートなことなので聞かなかったことにします”と答えた。
のび太君と話す機会があった。確か、会社の新年会。
その時、私は2ヶ月強でスピード結婚をして会社の人を驚かせた。
のび太君もしかり。
「かぼちゃさん、彼氏いないって言ってたのに?どうやってすぐ結婚したの?」とのび太君が聞いてきた。
私と夫は“結婚相談所”で知り合ったと伝えた。
そんな話をしていると自然と「数年前に奥さんをすい臓がんで亡くした」と本人の口から聞いた。
私は初めて聞いたようなふりをした。
「嫁がずっと下腹部痛い痛いって言ってて、◯◯病院(市で1番大きな病院)で検査したら、癌でステージ4だった」と。
「帰りの車で嫁が“のび太君がひとりぼっちになっちゃう”とずっと泣いてて、俺も“いいんだよ”って泣きながら答えた」と。
奥様と共に2年間闘病生活を頑張ったそうだ。
同居していたのび太君の母親は「あなた(のび太君)に好い人ができたら、家を出て私は老人ホームに入る!」と言っていたそうだ。
私は葬儀会社で勤めていたこともあってか?、よりいっそう同情?共感?した。
お母様の決意と息子の幸せを願う気持ちを聞くと、涙ぐんだ私が「私!誰か良い人探す!!」「のび太君には幸せになってもらいたい!」と意気込んだ。
のび太君なりの婚カツ
私も数年間婚カツしていてわかるのだが、地方の都心部とはいえ、出会いはそうそうない。
ましてや、誰かの紹介など滅多に良い人はいない。しかも良い人だとしても馬が合わない場合のお断りは仲介してくれた人に申し訳ないし言いにくい。
私も何度か人様の紹介があったけど…ろくな目にあわなかった。
のび太君もそうだった。
新年会の時に小さな声で2人で話していたのだが、のび太君なりに婚カツは頑張っていたようだ。
過去にお客様の紹介で何人か女性を紹介してもらったそうだが、“借金を背負わされそうになった”そうだ。
「結婚相談所だと独身証明書も提出するから身元がしっかり分かるし、お互いに紹介所の人を介するから相談所入ったらどうかな?なにかと早いよ」と紹介した。
のび太君は2ヶ月後に入会した。
…まるで、相談所の回し者みたいだな、私(笑)
違いますよ~(笑)
相談所に入会したのび太君の恋模様
のび太君は結婚相談所ではある1人の女性は「のび太さんすっごく良い人!!」と好感を持っていたが、その恋は終わったそうだ。
聞くところによると、のび太君はあまりメールやLINE、電話をしないそう…マメじゃなかったそうだ。それだけが原因じゃないだろうけど。
何人か会ったそうだが、上手くいかず…。
私も恋愛経験は少ないけど…のび太君結婚してたのに、かなり恋愛は奥手というかヘタッピだった。
のび太君から何度か相談は受けたが、とにかく焦るのび太君。
「うちの夫は入会して2~3年は頑張ってたんだし、入会だけはしておいたら?焦らず焦らず。私だって、数年間婚カツしてたんだし」とアドバイスしたのだけれど、今すぐにでも結婚したがっていたので焦るのび太君は相談所を辞めてしまった。
「相談所辞めてどうするんだろ?のび太君、ずっとひとりぼっちかも…」と私が心配になった。
とても長くなったので、続く。