模範としてしまった気の強いマイコちゃん

幼稚園の頃、気の強いマイコちゃんとよく遊んだ。
マイコちゃんは私に対して厳しかった。
マイコちゃんの人形を、私は触ってもないのに、「かぼちゃちゃんが壊した!」と何度も怒られた。
私が「私触ってないよ」と言ってもしつこく「壊したくせに!」と言うような子だった。
もっと優しい女の子とお友達になればよかったのだが、家で姉にいじめられていた私は姉のような意地悪な子に不思議と吸い寄せられるように近づいていた。多分、いじめられたり必要以上に我慢する環境だったので、普通の感覚がなかったんだと思う…。
なぜか、自分からいじめられに行っていたようなものだった。
私は親から人との接し方を学んでいなかったので、自力で同世代との付き合いを学ぶしかなかった。
幼稚園の仲良くなったマイコちゃんを模範としてしまった。
マイコちゃんは気が強く「私むかついたら、“まーみーーめーもー!”“ーきーくーけーこー!”“たーちーーてーとー!”“かーきーーけーこー!”って言ってるの!」「“あなたのことじゃないんだけど”って先に言っておいて、その子本人にむかつくことを言うの!」などと本性は私だけに見せてきた。
マイコちゃんはお友達Aちゃんに「超美人!」と過剰にはやしたてるけれど、Aちゃんに腹が立った時マイコちゃんは私に「最初からブスだと思ってた!」と言った。マイコちゃんはお友達をナチュラルに無視したり、パッと見わからないように仲間はずれにするのが得意だった。気が強く性格の良くない子だった。
残念なことに私はそれを模範としてしまった…。
もちろん、そんな子と仲良くなった自分が悪いのだが…搾取子は自然と搾取してくる人を選んでしまうし、搾取する方も搾取しやすい子を狙う嗅覚に優れているのだと思う。
これが悲しい人間の性かもしれない。
私はマイコちゃんの言動を“お友達との付き合い方”として見よう見まねで真似してしまった。
これが十数年ほど私の基盤となってしまった。
なので、私も悪口三昧。
しかも、家では相変わらず次女里芋から毎日陰湿ないじめを受けていた。
次女里芋は独自の異様なこだわりの強い人だった。
里芋が「今時、名前に◯◯子って“子”がつく名前はダサい」と言った。
私は姉の良いものは良い、姉の悪いものは悪いと思い込んでいたので、私は考えもなしにそれをマイコちゃんに言ってしまった。
マイコちゃんに「名前に“子”ってつく名前はダサい!」と言ってしまい、マイコちゃんはさらに私に対して当たりが厳しくなってしまった。
私の、自業自得とはわかっている。
わかっているのだが、普通でない環境に抑圧されて育っている私には“人に優しく接する”というのは不可能に近かった。
私自身優しくされたことがないので、“優しい”という言動や振る舞いを見たことも聞いたこともなかったからだ。
人付き合いが下手すぎて、30数年ずっとどんな環境になっても自然と敵を作ってしまう性分な私…。
とても苦労した上に、多少良くなったとはいえ、今も人との付き合い方は小学生以下だと思う。
とても生きづらい。

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