素人の考古学ー茨城県ひたちなか市の虎塚古墳見学
虎塚古墳(国史跡)
茨城県ひたちなか市に東日本では珍しい装飾古墳があり、春秋の年2回一般公開されており、春の公開日に行ってきた。
彩色装飾古墳は全国に約600基ありそのほとんどが
熊本、福岡に集中しており、ほかには茨城、福島、宮城に数基あるのみ。
白色粘土で下塗りを施し、その上に赤色顔料のベンガラで描かれた息をのむような素朴な壁画である。
奥壁には、上部から連続三角文、上下三角文、環状文、靭形図文以下武器武具類。
東壁には、連続三角文、靭形図文、円文、楯形図文、
頸玉形図文、さしば形図文その他。
古墳は全長56.5m、高さ38.5mの前方後円墳。7c前半、国史跡。
装飾壁画を保存するため室温・湿度など厳重に管理され、整理券をもらって見学も4名づつ。
虎塚古墳の副葬品は、遺骸一体、漆塗太刀や刀子、やり鉋、鉄鏃、鉄釧、鉄鉾、鉄輪などで予想外に貧相であった。
再葬が行われたようで、その際に整理されたのではないかとのこと。
その中に海老錠があり、埋葬者の邸宅があったことが伺える。
十五郎横穴墓群
虎塚古墳から200ⅿほどのところに、横穴墓群があり、周辺も含めると500基を越す東日本最大級。7c前半~9c初め。
遺物は、金銅製金具付刀子、メノウ製勾玉、水晶製切小玉、須恵器など。
小型の横穴は小児用。
隣接の埋蔵文化センターで近隣の古墳から出土した珍しい「乳飲み子を抱く埴輪」が見られた。古墳時代後期。
上野から勝田まで特急で1時間20分、私鉄ひたちなか海浜鉄道に乗り換えて中根まで9分。単線で一両編成。
中根駅に撮り鉄がうろうろしていた。
北九州の装飾古墳群もほとんど見ているが、壁画は類似性があり、
北九州から何かの事情で集団でこの地に移住してきたのではないか。
一説には、筑紫の大王が筑紫の乱で敗れ、一族が強制移住させられたのではないか。
壁画の意味など謎解きが続いている。
以上
小兵衛
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