28. 今日の日課26 2030年に実現!ー次世代のスマート構想IWONとはー

はじめに

 今日の日課26日目です。今日はNTTが中心に進めているIWON構想についてまとめていきたいと思います。
 調べた限り、かなり画期的な構想で実現すれば今よりもさらにスマートな社会の実現されると思います。ワクワクします!

1.IWON構想とは

 まずはIWON構想とは何なのかから始めたいと思います。IWONとは、

 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。

NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON
https://www.rd.ntt/iown/

IWON構想の目的

 なぜIWON構想は生まれたのか、その背景にはさらなるスマート化に伴うインターネットの限界があります。
 それは、日本のインターネット内の1秒当りの通信量が2006年から約20年間で190倍(637 Gbit/sから121 Tbit/sへ)になるという推計や、世界全体のデータ量が2010年から15年間で90倍(2ZBから175 ZBへ)に増加するという推計があります。
 これらの推計通りに通信量が増加するなら、現行のシステムのままだとどこかで通信の遅延やネットワークのさらなる複雑化などの重大な問題に直面することになります。
 これらの未来を回避するために、IWON構想は生まれました。

2.IWON構想の主要技術

 IWONは三つの主要技術分野から構成されています。

 では、これらの三つの技術について深堀していきましょう。

1.1 オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network)とは?

 最初はオールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network)からです。オールフォトニクス・ネットワークとは、

オールフォトニクス・ネットワークは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、これにより現在のエレクトロニクス(電子)ベースの技術では困難な、圧倒的な低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送を実現します。このネットワークの光化とエンド・ツー・エンドでの光技術の活用が、 IOWN構想を実現するうえできわめて重要な役割を果たすことになるのです。

NTT 研究開発,
NTT R&D Website > 特集 > IWON > オールフォトニクス・ネットワークとはなにか
https://www.rd.ntt/iown/0002.html

 オールフォトニクス・ネットワークはいま私たちが使っている電子機器を光機器に変えることで、電力消費を抑え、高速で大容量の通信を少ない遅延で実現する技術のようです。
 また、オールフォトニクス・ネットワークには3つの性能目標があります。

  • 「電力効率を100倍に」
    ネットワークから端末まで、できるだけ光のままで伝送する技術や、光電融合素子という新しいデバイスの導入を検討

  • 「伝送容量を125倍に」
    マルチコアファイバなどの新しい光ファイバを用いた大容量光伝送システム・デバイス技術の導入を検討

  • 「エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に」
    情報を圧縮することなく伝送するなど、さまざまな新技術の導入を検討

 以上の目標性能を実現するには、新たな技術が必要です。それらの技術については次回以降でまとめていきたいと思います。(書くとめっちゃ長くなりそうです。)

1.2 デジタルツインコンピューティング(DTC: Digital Twin Computing)とは?

 デジタルツインコンピューティングとは、

 NTTが提唱するデジタルツインコンピューティングでは、従来のデジタルツインの概念を発展させて、多様な産業やモノとヒトのデジタルツインを自在に掛け合わせて演算を行うことにより、都市におけるヒトと自動車など、これまで総合的に扱うことができなかった組合せを高精度に再現し、さらに未来の予測ができるようになります。

NTT 研究開発,
NTT R&D Website > 特集 > IWON > デジタルツインコンピューティングとはなにか
https://www.rd.ntt/iown/0003.html

 デジタルツインとは、リアルに存在する人やモノをデジタルに再現することです。デジタルツインコンピューティングでは、それらのデジタルツインをオールフォトニクス・ネットワークで高速化されたデータとして様々なインフラに活用することが目的であるといえます。
 これが本当に実現すれば、映画「サマーウォーズ」のようなデジタル空間で多くの人が交流する世界が本当に来そうです。ここにAIがコンバージェンス(融合)するとスゴイことになりそう。
 まさにデジタルネイチャー!
 (例えば、ヒトのデジタルツインは過去のネットワーク上での行動が材料となってできるので、個人の性格や趣味などに合わせた、パーソナライズされたサービスがデジタルでもリアルでも常に受けられるようになる。)

1.3 コグニティブ・ファウンデーション(CF: Cognitive Foundation®)とは?

 コグニティブ・ファウンデーションとは、

 IOWN構想のなかで、コグニティブ・ファウンデーションは、あらゆるICTリソースを全体最適に調和させて、必要な情報をネットワーク内に流通させる機能を担っています。
 具体的にはマルチオーケストレータが、クラウドやエッジをはじめ、ネットワーク、端末まで含めて様々なICTリソースを最適に制御することで、ニーズにこたえるオーバーレイソリューションの迅速な提供をめざすものです。

NTT 研究開発,
NTT R&D Website > 特集 > IWON >コグニティブ・ファウンデーションとはなにか
https://www.rd.ntt/iown/0004.html

 簡単にまとめると、コグニティブ・ファウンデーションは様々な階層間のネットワークのスムーズな管理・運用をする仕組みといえます。
 今より多くの情報がネットワークに流れたときに、その情報やネットワークにつながったソフトウェア・ハードウェアを最適に管理・運用できるようにすることはとても重要なことだと思います。

3.IWON構想のロードマップ

 では、IWON構想はどのようにして実現に向けて動いているのかですが、

 NTTは2024年の仕様確定、2030年の実現を目指しています。日本では2020年に5Gが始まりました。スマホキャリアの5G通信や光回線が普及してきている最中にもう6Gが2030年からはじまるかもしれません。

まとめ

 今日はIWON構想についてまとめました。IWON構想dでは、NTT, SONY, Intelが新たな業界フォーラムであるIOWN Global Forum, Inc. (以下「IOWN GF」)を設立しています。
 2030年からの実用化と世界的な普及が見込まれます。次のインターネットをリードする企業としてNTTに頑張ってほしいです。

参考資料

(1)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON 

(2)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON > IWON構想とは?その社会的背景と目的

(3)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON >オールフォトニクス・ネットワークとはなにか

(4)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON >デジタルツインコンピューティングとはなにか

(5)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON >コグニティブ・ファウンデーションとはなにか

(6)NTT 研究開発, NTT R&D Website > 特集 > IWON >IOWN構想の実現に向けた技術開発ロードマップ

(7)Hatena Blog, ゆとりSEですがなにか, IWON構想の用語をまとめてみた, 2020/06/30, 

(8)docomo business, TOP>特集>ICTネットワーク改善特集>6G通信とは?いつから何が実現するのかを解説, 


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