30 今日の日課28 必須のテクノロジー:蓄電池
はじめに
今日の日課28日目です。今日のテーマは蓄電池についてです。昨今の自動車のEV化や再生可能エネルギーの普及、ゼロカーボンの動きなどを見ていると、数年後にはほとんどの動力が電気になっていてもおかしくありません。そんな未来が来るとしたら、その時に大活躍しているだろう技術が蓄電池です。そんな未来明るい技術に今日はフォーカスしていきたいと思います。
1.蓄電池とは
まずは蓄電池の定義から紹介します。
上記のように、蓄電池とは電池の中でも、充電と放電がどちらもできる電池(二次電池)のことです。
蓄電池が注目される理由
では、なぜ蓄電池が注目されているかというと、大きな理由としてはEVと再生可能エネルギーがあげられます。
まずEV(Electric Vehicle)はその名の通り電気自動車ですので、バッテリーが必須です。バッテリーの性能によって自動車の価格が大きく変わるほどで、蓄電容量や充電速度、バッテリーの価格と耐用年数などバッテリー関連の重要なチェックポイントが多々あります。
次に再生可能エネルギーですが、これに関しては、特に太陽光発電や風力発電などの電力供給が不安定な発電手法に言えることです。これらのような不安定な発電技術では、日が出ていないときや無風の時などの発電ができない状態のときの備えとして、普段の電力の余剰などを蓄電しておく必要があります。そのため、長期間・大量に蓄電できるシステムが必須になります。
2.注目されている蓄電方法
では、具体的にどのような蓄電方法(蓄電池)が注目されているのでしょうか。
2.1 リチウムイオン電池
蓄電池で最も有名な電池ではないでしょうか。リチウムイオン電池です。この電池のメリットは、サイズが小さいのにパワフル・充電と放電の繰り返しに強い・急速充電ができる・ワイヤレス充電に対応・自然放電に強い、があげられます。デメリットは、レアメタルを使うので高価です。また、レアメタルの採掘や運搬でかなりの水や燃料などの資源が使われているため、総合的に見ると環境への負荷が大きいと考えられます。
用途としては、主にスマホなどの小型のデバイスやEVの大型バッテリーにも使われます。
2.2 フロー電池
次はフロー電池(レドックスフロー電池)です。
上記のように、フロー電池は溶液の酸化還元を利用した電池です。
この電池のメリットとしては、不燃性の電解液を使うとこで高い安全性が確保できること、環境にやさしいこと、充放電が無制限に行えて耐久性が高いこと、長期利用によるコストメリット、制御のしやすさなどがあげられます。
デメリットとしては、小型化に向かないことがあげられます。
具体的な用途としては、再生可能エネルギーの発電所に蓄電施設として設置することが想定できます。
2.3 重力電池
この電池は面白い仕組みで、電力を位置エネルギーに変換することで蓄電する仕組みです。仕組みとしては、水力発電(揚水発電)と同じで、水力発電は水の上げ下げによる位置エネルギーによって発電を行っています。この水のところを重りに変えただけです。
具体的な仕組みとしては、とにかく高いタワーを複数まとめてたてて、タワー内部に数十トンの重りをつるします。その重りを外部の電力で吊り上げることで、位置エネルギーとして蓄電します。
メリットは、半永久的に使えること、環境にやさしいことです。レアメタルや化学物質を使いません。デメリットは大掛かりな設備が必要なことと小型化が難しいことです。
具体的な用途としては、大規模な蓄電施設としての利用が見込めます。
3.蓄電池の未来
ここからは素人の考察です。蓄電池には様々な種類があり、用途によって差別化がされています。2で紹介した蓄電池はその一部であり、かなり大雑把に書いたので、表面的な知識でしかないかもしれません。
今後の蓄電池の未来としては、技術進歩によって性能は向上し、安価になり、様々な産業に普及すると考えられます。どの電池が普及するかはわかりませんが、用途別に最適化されていくと思うので、ハズレはなさそうです。また、スマートグリットなどとの融合によってより効率化された電力網の実現が期待できます。
まとめ
今日は蓄電池についてまとめました。蓄電池は種類が多いのですべてまとめられたとは全く思いませんが、これからも目に付いたらリサーチしていきたいと思います。
参考資料(すでに参照元を示しているものは除いています)
(1)住友電工, レドックスフロー電池の特長
(2)重力再生エネルギー研究所, 重力蓄電システムの概容, 武笠 敏夫
(3)2030年すべてが「加速」する世界に備えよ NewsPicksPublishing