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ロススト日記その5・ブラックリベリオン

これは、ルルが異母姉妹のユフィを容赦なく殺した(と解釈した)ことへの狂犬ちゃんの感想。思考が完全に復讐鬼のそれで、むっちゃ好き。実際は、無茶苦茶、メンズタなんですけどね、ルル。

……いやね、これにドン引きする人は人間の殺意とか憎悪とか、そういう負の感情に対して、あまりに呑気というか、常識的すぎるよ。そりゃ復讐に生産性があるとは言わんし、復讐したから幸福になれるとは思わんけどさ、「復讐しなきゃ、自分の気持ちに収まりがつかない。前に向かって進めない」っていうのは至極、当たり前の感情だと思う。奪われたものが、その人にとって大事なものであればあるほどね。「我慢して復讐の拳を下す」「復讐を捨てて、自分の人生を生きる」っていうのは傍から見ると前向きで立派かもしれんけど、それって「自分から大切なものを奪った相手の存在(あるいは行為)を容認する」という側面もあるのよ。それを許すのか、それを許す自分自身を許せるのかって話でね。

世の中のテレビドラマ(特に刑事物)は大概、復讐を「否定」するのが当たり前になっている。確かに法的社会の一員(歯車)として生きる限り、個人の復讐(私的制裁)は犯罪で、世間的に許容される行為ではないので、そう描かざるを得ないという側面はあるのだけれど、「なんで、私がお前ら(法的社会)の一員(歯車)として生きなければならないんだ。お前らは、私のことなんて何とも思わない癖に」ってなった瞬間、そのセオリーって形骸化するのよね。知ったことかって話。

そもそも、「自分のケツは自分で拭け」「けじめは自分でつけろ」っていう社会だってある訳で、逆にそういうルールの社会で生きる人間にとって「復讐」は当たり前の行為ですらある。日本だって江戸時代には仇討ちとかいう(個人の意思に関係なく)社会が個人に復讐を強要するケースもありましたし。まぁ、そこまで様式化しちゃうと、それはもう逆に無意味だと思いますけどね。大事なのは、本人が復讐したいか否かであってね。恋心と同じで。

ちょっと脱線しちゃいましたけど、『反逆のルルーシュ』は「復讐」をテーマに扱ったアニメ作品としては秀逸だと思っていて、それは単純に「復讐よくない」とか「復讐、素晴らしい」とかでもなく、人がどうして復讐に駆り立てられるのか、人は復讐心とどう向き合っていくのかっていうのを、エンタメとしつつ、上手く描いているのが上手いなって。

それはそれとして、クソムーブする輩なら同胞だろうが問答無用でぶっ潰すし、大切な身内を守れて嬉しそうな狂犬ちゃんの笑顔も観れて嬉しいのであった。復讐は人を縛るけど、人は復讐だけで生きていけないからね。

……まぁ、だからこそ、クレイジーサイコ叔母さんが一番にやるべきなのは、狂犬ちゃんの目の前で義母さんを惨殺して見せることだと思うんですけどね。『X』の封真みたいに。だって、そうすれば、ほら、全ての感情(憎しみ)を自分に向けてくれるようになるじゃないですか。自分だけを見つめてくれて。まぁ、やっちまったら、もうお終いだと思いますけど。色々と。

他人の気がしないね、この叔母さん

ちなみにブラックリベリオンだと、ゼロ失踪&戦局悪化の上、実銃持たされて凄い不安そうにしているディートハルトが個人的にツボです。

ここ好き

良いよね、普段、余裕綽々でご高説ぶちあげてる奴が不安そうな表情浮かべてるの。あ、お誕生日おめでとうございました。

実際、ディートハルトは結構、好きなキャラなんですよね。実務的には有能な参謀枠で、思想的には愉快犯っていう。こういう必要になったら躊躇なく裏切りを決めるキャラも、それはそれでありだと思いますし。死に様まで含めて自業自得感あって、劇中でもそこまで嫌いにはならなかったかな。本人も自分の行いが正しいとか、別段、思ってないでしょうし。番組は打ち切りです。

そんな訳で、第1部終了です。お疲れさまでした。次は、1.5部です。φ(..)