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片田舎のおっさん、剣聖になる(小説版)二巻ネタバレ、感想


 前巻で剣を失ってしまったベリルさんが、新たな剣を手に入れる過程で、小説版七巻にまで影響する陰謀に巻き込まれていく物語。

 漫画版では三巻途中から、少なくとも七巻までの描写になるかもしれない……連載板読む限り、桜が咲く前に収束する雰囲気まるでないので……
(つまり、漫画版大ネタバレ)

 何と言っても、実質上のヒロイン・ミュイ登場巻。
 ヒロインとは、主人公と並び立つ存在だけではない。
 時に護られ、時に活躍する主人公の傍にいる相手。
 ふとした事から始まった関係は、彼女の運命を変えた。
(作者にはヒロイン認定されてないけど、恋愛要素なしのヒロインがいてもいい)

 一方、クルニも一つの節目を迎える。
 片手剣ショートソードから、両手剣ツヴァイヘンダーへの持ち替え。
 武器専門家には色々突っ込まれていたが、第一、ここは異世界だ。

 英語
日本語ドイツ語由来単語が飛び交う世界観。
(ショートソード…英語、巻き藁…日本語、ツヴァイヘンダー…ドイツ語)
 向こうにある武器で一番こっちの世界に近い単語であって、実際はオリジナル武器の可能性が高い。
(今後名のない武器も出てくる予定)
 小説版と漫画版では持ち替える理由が違う。
 小説版では、クルニの力が強過ぎて、ショートソードだと軽過ぎると判断された。
 故に他の片手剣でも軽すぎると判断し、両手剣を勧めた。
 ネットでの作者意見要約。
大きい剣は浪漫!
 なんだかんだで新しい剣の話も進み、クルニに少し稽古をつけた帰り道、ベリルの懐に伸ばされた手を摑む。
(小説版及び漫画版の絵柄はスられた直後だったけど、文章ではスられる前に捕らえた)
 反撃されて逃げられた直後、落し物を拾った彼は翌日それを届ける。
 再会してしまったスリが落とした物と知り、引き取りに戻った時アリューシアに会う。
 彼女にスリ行為に対して灸を据えてもらう程度で済ませるつもりが、悲痛な叫び声で様相が変わる。
 少女スリ、ミュイと駆け付けたルーシーと共にミュイを誑かしてた連中撃破。
 代剣として木剣を帯同してても、ベリルの相手にならなかった。
 それから数日後、新たな剣が出来た筈と取りに行き、試し斬りする前にルーシーから、レビオス司祭捕縛を依頼される。
 ミュイには聞かせられない話だからと、お使い頼んだルーシー偉い。
 二人でミュイを諭してから、ベリルは教会へ。
 バルトレーンの教会へ向かうと、正に夜逃げ寸前状態。
 レビオス司祭の記述で連想した姿『鋼の錬金術師』一話のコーネロ教主。
m(_ _)m
(漫画版はかなりシュッとして結構髪があった)
 誰何すると周囲にいた重騎士達が殺気立つ。
 新剣の試し斬りはその騎士達の武器や鎧となった。
 そこへ〈たまたま〉フィスとクルニが現れた。
 司教が祝詞を木箱にむけてあげる。
 木箱から現れた人々。
 正体を悟ったベリルは、クルニ、フィスを制し、自ら手を汚す役に徹した。
 それがミュイの姉だったとしても。
 既に生命の息吹がない、それでも無辜の民を騎士団員が斬り捨てる真似を師匠としてやらせたくはない。
(大ネタバレになるので、一部割愛)
 解決後、ベリルはルーシーから別宅を譲られ、ミュイの後見人となってしまう。
 そんな戸惑いで二巻は終わる。

 この小説版、剣聖として持ち上げられて、右往左往しながらも、師匠として、剣士として決める時は決めるベリルの姿を愛でる物語。
 その為、漫画版よりも悲壮感がない。
 ミュイも、小説版が野良猫なら、漫画版は仔山猫。
 借りてきた猫のように聞き分けがいい小説版、色々あって誰も信じられなくなってる漫画版。

用語説明

レベリオ王国

 ガレア大陸北部に位置する王国。
 首都・バルトレーンには、騎士団、魔法師団他が拠点とし、冒険者ギルドもある。

スフェンドヤードバニア

 レベリオ王国南東に位置する隣国。
 スフェン教を国教としている。

サリューア・ザルク帝国

 ガレア大陸南西部に広がる、大陸一大きい帝国。
 しかし、その国土の半分は砂漠。

スフェン教

 この世界での最大宗教。
 唯一神スフェンを信仰する。
 スフェンは数々の奇蹟を起こしたと書物に記されている。

奇跡

 スフェン教信者の一部が行使出来る。
 祝詞をあげる事で、負傷治癒や身体増強する。
 要は、回復魔法や補助魔法の言い換え。

死者蘇生

 スフェンが起こした最大の奇蹟。

登場人物

ベリル・ガーデナント

 主人公。先日愛剣をへし折ってしまった。

モルデア・ガーデナント

 ベリルの父。元道場主。
 若きベリルの心をバキバキに折って、自己肯定感を低く設定させた原因。

アリューシア・シトラス

 レベリオ騎士団団長。ベリルの弟子。
 慕っている。

クルニ・クルーシエル

 レベリオ騎士団員。ベリルの弟子。
 同門だったバルデルの鍛冶屋でショートソードを研いでもらおうと思ったら、買い替えを勧められる。

スレナ・リサンデラ

 幼少時、魔物に襲われて一家離散し、ベリルに保護された過去を持つ最高位ブラック冒険者。
 ベリルは弟子というより預かってた子という認識。
 双剣持ち。《竜双剣》の異名持ち。

ミュイ・フレイア

 ベリルの懐を狙った少女スリ。
 姉を探し出して蘇生させたいと思っていた。
 炎を出す魔装具に触れているうちに、自ら出せるようになる。

フィッセル・ハーベラー

 ベリルの弟子。レベリオ魔法師団所属。
 剣術と魔法を組み合わせた《剣魔法》の使い手。

ルーシー・ダイアモンド

 レベリオ魔法師団団長。
 かなり顔が広いし、情報通。
 見た目は金髪少女だが、本当の年齢は誰も知らない…

バルデル・ガスプ

 ベリルの弟子。鍛冶屋。
 剣士に寄り添う刀鍛冶になりたいと道場の門戸を叩く。
 スレナから預けられたゼノ・グレイブルの素材を用いてベリルの剣を誂える事になる。

宵闇

 ミュイにスリをさせていた男。
 何故か魔装具を沢山身につけていて、当初ミュイにも貸していた。

イブロイ・ハウルマン

 ルーシーの家を訪れたスフェン教司祭。

レビオス・サルレオネ

 スフェン教バルトレーン教会司教。
 スフェンが起こした最大の奇蹟《死者蘇生》を実現する実験を行っていると疑われる。

シュプール

 レビオス司教に従っていた、教会騎士団員と同じ装備を着込んだ男。

ミュイの姉

「死んだ」と宵闇に告げられた女性。


ゼノ・グレイブル

 特別討伐指定個体(ネームド)のグリフォン。
 紅色。
 冒険者新人研修中の一行を襲い、スレナに討伐された。
 その素材を用いてベリルの剣を誂えようと云う話が出る。

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