時給1300円の世界。⑧
1月初めに来店された態度の悪いご婦人が、先日また来た。
私だけは彼女のことを知っていた(忘れもしない)ので
席へ案内した後、デシャップへダッシュし
「前回、めちゃくちゃ態度の悪かったご婦人が◯席に座りました!」と報告。
周りにいたスタッフの方々に前回ああだった、
こうだったという話をひとしきりした後、
いやでも待てよ、これは記憶上書きのチャンスかもという気がしてきた。
前回は「トーストと一緒にフライドチキンが食べたい」ということだったが
チキンの量が多すぎて単品注文はしたくないということでご立腹だった。
実はそこから「あの時もっと的確な提案ができなかっただろうか」と
何度もシミュレーションしていたので
それに則ってご案内してもたら、、、。
「じゃあ、それでいいわ」と!
提案したのはトーストとチキンを単品注文し残ったチキンはお持ち帰り。
これでメニューを叩かれたり、セットを見直せとか言われず
すんなりと注文を通すことができた。
あの時はタバコの香りと一緒にヴィランのオーラが漂っていたが
今回はタバコの香りだけ。
相変わらず前髪は立ち上がっており、ネイルはシルバーのスティレット。
それでももう怖くない。
自分の苦手だったものを、丁寧に克服できたことで
自然と胸を張ってお店を後にできた日。